ロヒンギャの人々はなぜ難民となったのか?
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12/5(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
アウンサンスーチー氏と習近平国家主席の会談の真意とは?
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)
ロヒンギャ難民問題 ミャンマーと中国の意外な関係
ロヒンギャの人々がミャンマーから隣国のバングラデシュに難民として避難している問題。ジャーナリストの富坂聰氏はこの問題の奥深くに中国の経済発展とミャンマーの関係が大きく関わっていると指摘している。
高嶋)詳しくは分からないのですが、いつも胸を痛めるのがロヒンギャの問題です。60万人もの人がミャンマーから隣国のバングラデシュに逃げていると。やはり骨のある人もいるようで「ロヒンギャ救世軍」という、兵隊さんの組織なのかどうか分かりませんが、この組織が暴れたのが切っ掛けで大移動が始まったのですね。
これは国の無いさすらいの民族というのは本当に気の毒で、ミャンマーのアウンサンスーチーさんはノーベル平和賞なんかを取っていますから、当然先頭を切っていろいろとやるのかと思ったらだんまりを決め込んで、国際社会からも批判を浴びまして。そうしたら今度はスーチーさんが習近平さんと北京で会談をしたという、これはロヒンギャ問題も何か大いに関係しているのですか? 中国のトップと会談するというのは。富坂)中国との関係を再び強固にしていこうという狙いがあると思いますが、その裏には中国はこういった国内問題に人権などのうるさいことを言わず、経済協力だけをしてくれるので便利であるというのはあると思いますね。
ただ中国も最近はあまり自分たちが出過ぎると国際社会から批判を浴びるのは気にするので、それもそれでどうかなという感じはしますけど、要するにミャンマーは元々アメリカから見ると制裁の対象で、よく日本も「一緒に制裁しろ」と言われたのですが、実は日本とミャンマーというのは少し特別な関係があってアメリカの制裁にあまり乗らなかったのですよ。
というのも昔アウンサンスーチーさんのお父さんのアウンサン将軍というのは日本が海南島で軍事訓練をしてクーデターを支援した人なので、日本とミャンマーには強い結びつきがあるのですね。それでロヒンギャ問題も実は日本をやっつける為にイギリス軍がイスラム教徒を連れて行って仏教徒に対決させたというのが元々の発端なのです。要するにそれが置き去りにされてしまったわけですよね。高嶋)ロヒンギャは少数回教徒ですからね。
富坂)そうなのですよね。そういう歴史的にも置き去りにされた人々なのですけども、それが今問題になってきていると。
ただその後アメリカが制裁解除をして、五十数年ぶりに外務大臣が訪れたり、イギリスも28年ぶりに行ったりとかそういう流れができたのですけど、そこで中国が離れるかなと思ったのですが逆に今その流れの中で中国が今度は経済的に台頭してきて「一帯一路」などの構想を出したので、中国とミャンマーは元々親分と子分のような関係だったのですけど、それを解消しようということで西側と結び付いたのに、そうしたら中国の経済発展と共にロヒンギャ問題が欧米の方から批判を浴びたので、再び中国に擦り寄っているという状況が今のミャンマーの状況と見て良いと思いますね。ロヒンギャの悲惨な実態 自分たちを守るものが必要
高嶋)ロヒンギャ問題を一気に解決するような方法は無いと。
富坂)それは難しいですね。実は難民の前にはいわゆる密航があって、お金を払って密航するという形で逃げ出す流れだったのですが、これは途中で酷い目に遭うのですよ。お金を払って最後のお金を持って行ったのを強盗されるという、本当に酷い目に遭っているので、これは少しよく考えた方が良いですね。
高嶋)ロヒンギャの問題なんかを目の当たりにすると、自分たちを守るもの、日本は平和憲法ですが、やはりそういうものが絶対に必要だなという感じはしますよね。丸腰ですからね。それでこのロヒンギャの救世軍というのは暴れたけれどもどうも上から押さえつけられて。
富坂)だいぶ経ってから暴れたということですよね。
高嶋)もう堪忍袋の緒が切れたのでしょうね。
富坂)そういうことでしょうね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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