なぜ日本は外交ができないのか?

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1/23 (火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④

安倍総理は日中関係の友好を発展させると述べるが
7:17~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)

安倍晋三 安倍首相 第196通常国会 国会

第196通常国会が召集され、衆院本会議で施政方針演説する安倍晋三首相=2018年1月22日午後、国会 写真提供:産経新聞社

安倍総理の施政方針演説~「憲法改正」と「日中関係」を強く主張

安倍総理大臣は昨日午後、衆議院本会議で、施政方針演説を行い、憲法改正に向け、各党に具体案を国会に提示するように要請した。これに対し自民党は、3月に行われる党大会までに、憲法改正案の策定を急ぐ構えである。

通常国会は、昨日召集された安倍総理大臣が施政方針演説に望みました。去年と違い、野党を挑発する発言は封印しました。去年は「国会の中でプラカードを掲げても何も生まれない」などと言っていたのですが、昨日は「あらゆる人にチャンスあふれる日本を、与野党の枠を越えて、共につくろう」と、かなり低姿勢をアピールしていました。「秋の自民党総裁選挙、それから年内の国会発議も視野に置く、憲法改正をめぐる、与野党の論議を睨み、安全運転で指導する思惑があるのでは?」と言われています。

その憲法改正については、早期実現へ、各党に具体案を国会に提示するよう、次のように要請しました。

安倍総理大臣)国の形、理想の姿を語るのは「憲法」です。各党が憲法の具体的な案を国会で持ち寄り、憲法審査会において議論を深め、前に進めていくことを、期待しています。

自民党はこれを受け、3月25日の自民党大会までの、自民党としての憲法改正案の策定を急ぐ方針です。

ただし、公明党の山口代表は昨日、「まったく白紙で望む。衆参両院の、憲法審査会の議論がどうなるのかを、よく見て対応を考えたい」と述べるに止めています。

昨日の施政方針演説で、日中関係については、「大局的な観点から安定的に友好関係を発展させる」とし、首脳同士の相互訪問。習近平国家主席との相互訪問を訴えました。「中国が提唱する現代版シルクロード経済圏構想の、「一帯一路」を念頭に、協力してアジアのインフラ需要に応える」とも述べています。

山口那津男 山口代表 公明党 新春年賀会

公明党新春年賀会が開かれ、山口那津男代表が来阪し関係者らと歓談する=2018年1月15日、大阪市中央区、ホテルニューオータニ 写真提供:産経新聞社

外交オンチの日本~いまのままでは10年後は危機的状況にある

高嶋)「50年、100年先の未来を見据えた国づくりを行う」と言っていましたね。昨日の施政方針演説、中国はどう受け止めたでしょうか?

富坂)中国は、この中で「日中関係が良くなる」とシグナルを出しているわけでして。これは中国のシグナルと全く同じだと思うのですよ。なので、日中関係はベースで良くなっていくと思うのですが、日本と中国はライバル関係であると同時に、両方が協力して生み出さなければならない部分もあるわけです。それを日本人はいつも「どちらか片方だけ」。どうしようもない外交オンチなのですよ。これは「与野党どちらが悪い」という問題ではなく、日本人がダメなのです。それをそろそろ分からないとダメです。
「日中友好ですよ」と言うと、「中国は日本にすごく遠慮してくる」とか、「日本が遠慮してものを言わなければならなくなる」となってしましますが、それは違いますよ! 領土問題はちゃんとやればいい。たとえば、中国があまり海に出てきたら「それは止めてくれ」と言えばいい。
ただ、「友好」のベースはある。それを使い分けていく形をちゃんと覚えなければいけない。冒頭で言っている「50年、100年」と言わなくても、「10年後の日本」ですよ。それを具体的に描けないから、何もかも始まらないわけです。「憲法を改正して何が変わるのか?」と。私は5年後、10年後、日本は危機的状況にあると思うのです。国難とは言わないけど、ものすごく置いて行かれると思います。これは間違いない。その対策を打てないのは、与党が悪いのでも野党が悪いのでもなく、両方が悪いのです。これは隣国がどのような未来計画を着々と出しているのか、1度ちゃんと見て貰いたいですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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