安倍総理の東ヨーロッパ歴訪~狙いは北朝鮮への圧力強化!?

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1月15日(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

エストニアとはサイバー攻撃を巡る連携強化
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

欧州歴訪 安倍 晋三 首相

欧州歴訪を前に記者団の質問に答える安倍晋三首相=2018年1月12日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社

安倍総理が東ヨーロッパ6か国歴訪

ヨーロッパを歴訪中の安倍総理大臣は日本時間の昨夜、四番目の訪問国ブルガリアでボリソフ首相と会談し、日本とEUのEPA経済連携協定の早期発効に向けた協力を確認しました。また、これを前に総理はリトアニアでの首脳会談で、北朝鮮による核ミサイル開発の阻止に向けた協力で一致しました。

訪問国をおさらいしておきますが、先週の12日に安倍総理大臣は日本を出発しまして、エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国。それからブルガリア、セルビア、ルーマニアの東ヨーロッパ合わせて6つの国を17日までの間に訪れると、こういうスケジュールになっています。

日本時間の昨日はリトアニアとブルガリアに渡りました。リトアニアでは杉原千畝記念館を訪れました。また、ブルガリアではボリソフ首相との会談で先程ありました日本とEUとのEPAの早期発効に向けた協力を確認しました。また、旧ユーゴスラビア紛争の跡の地域を克服して和解を促すという、西バルカン協力イニシアチブを安倍総理大臣へ指名しました。

ブルガリアというのは日本ではヨーグルトというイメージが未だにありますが、西バルカン諸国のヨーロッパ統合を優先課題にブルガリアはあげておりまして、日本政府の姿勢はこれを支援することで、西ヨーロッパだけではなくて、東ヨーロッパ諸国ともパイプを作って、ヨーロッパ全体の経済協力を進めて保護主義に対抗していくという狙いがあります。今回は30の日本企業の関係者も同行し、経済面からのバックアップに力を入れています。

また訪問国のいくつかは北朝鮮と国交があるということを踏まえまして、各国には北朝鮮問題で、圧力強化で歩調を合わせることを申し合わせています。今まで、ブルガリアまで、4つの国の訪問が実現しているというところです。

高嶋)初めての訪問。やはり一番気になるのが、北朝鮮ですが、北朝鮮と国交を通じてる、あるいは貿易している国はけっこうあるみたいですね。

須田)国連加盟国の内、160ヶ国を超える国が北朝鮮と国交があります。ですから、国交がない方が圧倒的な少数派なんですね。その代表格が日・米・韓ですが、そういった点では国交があるのは当たり前の状況です。もう一つ問題がありまして、それは何かと言うと、ここに来て明らかになって来たのですが、国連の調査によりますと、北朝鮮に対する国連の制裁決議が今、実行されているわけですが、その制裁決議違反をして、北朝鮮に物資を輸出入してる国がなんと49ヶ国もあると言われています。

高嶋)そんなに?

須田)どういうかたちでやっているかと言うと、第三国を経由したり、ダミー会社を使うようなかたちで輸出入をしているということなのですが、実はその中には比較的この東ヨーロッパの国が多く含まれていると言われています。北朝鮮包囲網をつくって制裁をやろうとしているのに、そういう抜け穴があいていると、その制裁も自己性を伴わないというのもあるので、そういった国々の協力を得るということが重要になってくるわけです。ですから、今回の東ヨーロッパ歴訪というのは、そういった思惑がかなり色濃くあると考えてもらって良いと思います。

エストニア 首都 タリン

エストニアの首都タリン市内 2014年4月28日 写真提供:産経新聞社

IT先進国エストニアとはオリンピックに向けての連携強化

高嶋)またけっこう土産持ってってるんですか?

須田)この6か国は経済成長率は非常に高いのですが、ハッキリ言って途上国です。いろいろな問題を今まで抱えていましたから。ですから、資金援助、経済協力を軸に日本との友好関係を築こうと。だからこそ、経団連を中心とした経済団体も一緒になって行っているということです。

高嶋)日本とのビジネスでは、そのそれぞれの国で、多少事情が違うのかもしれませんが、どういうものが対象になるのですか?

須田)ここへ来てですね、IT関連の産業が非常に勃興してまして、先端技術なんかも中にはあります。そういったものが中心になってくるんじゃないかなと思います。

畑中)最初に訪問したエストニアという国はです、SkypeというMicrosoftが出しているインターネット電話サービスがありますが、これはエストニアで開発されたくらいのIT先進国であると言われております。ですからここで、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに備えて、サイバー攻撃を巡る連携強化を図ったというところもあります。

高嶋)ロシアからの圧力というのは今はどうなんですか?

須田)丁度、干渉地帯ですから、この東ヨーロッパの国々というのは立ち位置が難しいですよね。本来は経済的な思惑で言えば、EUの方に引っ張られていくんだけれども、そればかりやっているとロシアからの干渉を受けちゃいますからね。

高嶋)なるほどね。安倍さんが初めて行って日本を認知してもらうという点でも、やはりプラスですよね。

須田)そうですよね。地球儀外交というのを志向していますからね。安倍さんは。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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