江戸時代に活躍した時速720kmのアナログな通信手段とは?!
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江戸時代には現代の私たちが驚くような知恵がたくさんありました。美容効果の高い米ぬかで体を洗っていたり、夏には日の出30分前の「明け六つ」に店をオープンするサマータイムを導入していたり。また大阪から江戸まで8時間で情報を伝えていました。アナログな通信手段でどうすれば高速で遠距離へと情報を伝えられるでしょう? スマホやネットが普及し便利な世の中にいる私たちがあっと驚く方法が、江戸時代には既にあったんです。
江戸時代に活躍した時速720kmのアナログな通信手段とは?!
かつて大阪の堂島には日本一の米市場がありました。そこでは毎日米の相場が決まります。江戸の米商人も大阪へ出向き米を売買していました。そこで決まる米相場を飛脚で伝えるにはどんなに一流の米飛脚でも丸3日かかってしまう……けれど実際は8時間で大阪から江戸へと伝えられていました。
その手段は「旗振り通信」。昼間は旗、夜は松明で行われました。旗の色は背後に障害物がある場合は白、何もない場合は黒で見やすくし、旗を振る位置・回数・順序によって意味がわかるシステムです。旗振り場の間隔は3里半から5里半(14~22km)ほどあり、熟練した人なら1回の旗振りを約1分でできました。ということで3里(12km)を1分、つまり時速720kmで情報がかけめぐったのです。
大阪から江戸へは途中、箱根では山が険しいことにより飛脚で繋ぎますが、この方法だと600kmを8時間で情報が届いたのです。また、大阪から和歌山までは十三峠経由で3分、京都までは4分、岡山までは15分、広島までは27分と、どれも驚くような速度です。
私たちのご先祖様の知恵には頭が上がりません。その知恵や文化をもっと知りたい方へ、こんなお知らせがあります。
今日は、佐倉市立美術館で開催中の「高円宮家所蔵 根付展 -てのひらの小宇宙」をご紹介します。
「根付」とは、江戸時代の人たちが着物の腰から下げていた巾着やたばこ入れ、印籠などの「提物(さげもの)」が落ちないように紐の端に取り付けられた留め具のことです。当時は、芸術性の高い工芸品として発展しましたが、人々の服装が洋式に変わり、次第に忘れ去られてしまいました。その「根付」の芸術性が再び海外から見直され、現在では創作に取り組む作家もでてきました。
今回の展示会は、高円宮ご夫妻が収集されたコレクションの中から、293点を展示しています。中には、外国人が作った作品14点、江戸時代につくられた作品が41点含まれています。
会期は、今月18日(日)まで。10日(土)には、作品を紹介する「ギャラリートーク」もあります。詳しくは、佐倉市立美術館のホームページをご覧ください。
高円宮家所蔵 根付展 -てのひらの小宇宙
佐倉市立美術館
〒285-0023 千葉県佐倉市新町210
TEL 043-485-7851会期:2018年1月20日(土)~2月18日(日)
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(2月12日は開館)、2月13日(火)
観覧料:一般600(480)円/大学生・高校生400(320)円/中学生以下無料
※( )内は前売り及び20名以上の団体料金[前売り券は、佐倉市民音楽ホール、(公社)佐倉市観光協会、JR佐倉駅前観光情報センター、ときわ書房志津ステーションビル店にて1月19日(金)まで発売]
※佐倉市在住の中・小学生には、学校を通じて同伴者1名の無料券付観覧パスポートを配布します
※障害者手帳を持参の方と、その介助者1名は無料です。
http://www.city.sakura.lg.jp/sakura/museum/exhibition/netuketen.html
【ハロー千葉】