横浜FC・三浦知良 51歳でも現役でいられるのはなぜ?

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【サッカーJ2 横浜FC×松本】ベンチスタートで試合出場のなかった横浜FC・三浦知良=2018年2月25日ニッパツ三ツ沢球技場 写真提供:産経新聞社

スポーツ選手にとって、避けて通れないのが「選手寿命」という言葉。トレーニングの進化もあって、プロ野球では最近、40代の現役選手は決して珍しくなくなってきましたが、サッカーは常に走っていないといけないという競技の特性もあって、どうしても選手寿命は短くなります。平均するとだいたい、20代後半ぐらいで引退を迎えるケースが多いようです。

そんな中、日本のサッカー界には“ギネス級のレジェンド”がいます。昨日「51歳」の誕生日を迎えた、「キング・カズ」こと、J2・横浜FCの、三浦知良選手です。

1967年2月26日、サッカーの街・静岡市生まれ。15歳のとき、高校を1年で中退して単身、サッカー王国・ブラジルに渡り、向こうでプロ契約を勝ち取った話は有名ですが、そのときはまだ日本のサッカー界にプロリーグはありませんでした。

93年に、Jリーグがスタート。ブラジルでプロ選手としてずっとやっていく道もあったわけですが、カズは日本に帰ってきた。当時、Jリーグ屈指のスター軍団・ヴェルディ川崎の中においても、カズはスター中のスターでした。

ヴェルディをJリーグの初代年間王者に導き、自らも初代MVPに輝いて日本のサッカー界を大いに盛り上げましたが、あれから25年、4半世紀の間ずっと、Jリーグでプレーを続けてきたカズ。

毎年毎年、後輩選手がやめていくけれども、カズだけはあくまで現役を続行。そして去年の3月12日、50歳にしてゴールを決め、「リーグ戦で得点を決めた、最年長のプロサッカー選手」ということで、ギネスブックにも掲載。この「50歳ゴール」は世界でも大いに話題になりました。

その長持ちの秘訣は、というと、これはもう、鍛錬以外ありません。毎年、グアムで自主トレをするのが恒例になっていますが、徹底して自分を追い込んでいく。去年の50歳ゴールは、カズにとってはまだまだ、通過点でしかないのです。そのギネス入りの時の会見でも、カズはこう言いました。

「これは、すぐ破られる記録です」

と。もちろん、破るのは自分という意味。実は、ギネス表彰の話が来たときは、

「それで一丁上がり、みたいな感じになるのはイヤだった」

と、カズ本人は複雑な思いもあったようです。しかし、「自分でその記録を破る意気込みでやればいい」と気持ちを整理し、ギネス認定を受け入れたカズ。

そしておととい25日、カズにとっては50歳最後の日にJ2が開幕。ところがこの開幕戦、カズに出番はありませんでした。0-0の、スコアレスドロー。交代枠はまだ2つも残っていただけに、カズを投入して欲しかった、という声も聞かれましたが、本人も、

「開幕戦に出られないのは結果以上に悔しいものがある」

と一言。

この気概があれば、51歳ゴールも夢じゃありません! 次の試合、注目しましょう。

2月27日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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