安倍総理が強引に働き方改革法案を通そうとする2つの理由

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2/28(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

国会への提出を来月後半に目指す方向で検討
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

福山哲郎 幹事長 辻元清美 国対委員長

野党幹事長・国対委員長会談に臨む立憲民主党の福山哲郎幹事長(左)と辻元清美国対委員長=2018年2月21日午後、国会内 写真提供:産経新聞社

不適切なデータ処理が発覚した裁量労働制

裁量労働制などの労働時間調査に不適切なデータ処理が見つかった問題を受け、厚生労働省は裁量性の拡大を含む働き方改革法案の国会への提出を当初より大幅に延期し、来月後半を目指す方向で検討に入った。全部で1万件を超えるデータを確認し直すのに時間が掛かり、作業が遅れている為。

裁量労働制をめぐり、厚生労働省の労働時間調査に不適切なデータ処理や異常値が数百件見つかり、厚生労働省は調査の対象となった1万1,500あまりの事業所の労働時間のデータを再び確認しています。改めて調査を行うのではなくて、今あるデータを再確認しているということで、その結果を来月3月中に国会へ方向する方針です。この為厚生労働省は裁量労働制拡大を含んでいる働き方改革法案の国会提出を当初より大幅に延期しまして、3月後半を目指す方向で検討に入りました。

昨日は自民党の厚生労働部会でも問題発覚後初めて厚生労働省からヒアリングが行われました。自民党の議員の中からも「全てを台無しにしたじゃないか。労働行政のプロが間違いに気付かなかったのか」という厳しい声が相次ぎました。

一部では裁量労働制の適用業種拡大を見送るべきだという意見も浮上しまして、西田昌司参議院議員は会議の後記者団に「安倍政権にとって命取りになりかねない。政府としてこの案は切り離しを決断すべきだ」と強く求めております。

一方野党は法案の前提が崩れたということで、国会への法案提出見送りを迫っています。さらに第1次安倍内閣の退陣に繋がった、消えた年金問題の再現も狙って、野党六党は昨日の幹事長・書記局長会談でデータの再調査などを求めていくことを確認しました。
立憲民主党の福山幹事長です。

福山幹事長)国民の生活と命に関わる裁量労働制に関して、再調査をすることは当然のことと考えます。なぜ再調査ができないのか、理解し難い。

政府としてはこの再調査は拒否し、あくまでも関連法案を今国会で早期成立させる構えを崩していません。
こうした中、与党は今日中に新年度予算案を衆議院予算委員会と本会議で可決して衆議院を通過させる構えです。野党は採決に反対して抵抗する構えなのですが、与野党攻防は大詰めを迎えているという状況になっています。

安倍総理が働き方改革法案の国会提出を急ぐ2つの理由

高嶋)なぜ政府与党はこの働き方改革法案を、あんなにデータがいい加減だということはバレバレになったのに強引に通そうとするのですか?

鈴木)いろいろな見方があると思いますが、まずひとつは、この働き方改革というのは名前を変えていますが、安倍総理が第1次安倍政権のときから成果主義に変えていくのだということは、10年以上前からずっとやってきています。そういう流れの中で、総裁選などもありますが、安倍さんも自分の政権の仕上げに入っていますから、絶対にこれはやるのだということがあると思います。
もうひとつはこのタイミングで急ぐというのは、この働き方改革の中身をずっと見ていくと、大企業や財界にとってもこの制度は上手く使えるわけです。労働力が足りなくなっている中でどういう風に広げていくかとか、人件費の問題とか。法案のその辺の議論というのはこれからなので、財界とのパイプも強いですから、これは早くそこ向けに成立させたいということもあるかもしれないですね。

高嶋)賃上げを安倍さん自身が財界人に要求して「ベアも頼むよ」みたいなことを言ったりとか。その財界もどのくらいの心情か知らないけど、応じるわけですよね。それに対するバーターみたいな気もしてしょうがないのですが。

鈴木)その辺を言う人はいます。だから「何でそんなに急ぐの?」と言われたときに今の状況を見ると、これだけデータが違うというのはどうかと。
この働き方を改革するということは、正しいことで、少子高齢化になって大変な時代になる中で、今までのような労働の仕組みで良いのかどうか、これを皆で考えようということは。それだけに、調べ直すのに10年も20年も掛かるわけではないのだから、データが違うならもう1回調べ直せば良いし、そういうことをやって慎重にやらなければいけないということなのではないかと。でも「なんで急ぐの?」という、そこに疑念が湧いてくるわけですよね。

米FRB議長「さらなる利上げが最善」~政府は最悪の状態今後考えられる最悪の事態を国民にしっかりと説明すべき

高嶋)それともうひとつ、今日の新聞なんかに小さい記事なのですけど「アメリカ 一段の利上げが最善」とFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長が議会で証言したと。
日本は2%が本当に高い数字で、安倍さんの思い通りにいっていない。黒田さんは今までの政策を続けるということで、何か一丁事があったときに日本だけがドボンみたいなことになるのではないかと、そんな心配をする動きもあります。
政界ではどうなのですか? 予算委員会ではそんな話は出たのですかね?

鈴木)全く出ていないわけではありませんが、そこについてはやはりアベノミクスの検証も含めてアメリカへは警戒心を持って取り組まなくてはならないと思います。
“アメリカがくしゃみをすれば”じゃないですけど、トランプは内政問題に縛られて、経済政策でも金利の問題でもそうですが、何をどう思っているか分からないような状況の中で日本は非常に直接的な影響を受けますから。
さっきも言いましたけれど、これから日本は東京オリンピックまではなんとかムードを持つことができます。今回の平昌(ピョンチャン)を見ても、世の中嫌なことあっても何となく日本が頑張ってメダルを獲ると、何となく良い空気になる。でも東京オリンピックが終わったら景気も含めて大変な時代になるわけです。
そこへ向けてやはりアメリカの動きも気になりますが、今から最悪の状態をちゃんと国民に正直に説明して、何をすべきかを議論しなければいけない。そういうものが全部上っ面のところで止まっている感じはしますよね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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