文在寅大統領が反日発言をした真意とは?
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3/2(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
南北関係の実情
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹)
韓国・文在寅大統領が三・一独立運動の式典で日本を批判
文在寅大統領は昨日の「三・一独立運動」記念式典にて、慰安婦問題に触れ、「終わったと言ってはいけない」と発言。竹島に関しても日本政府を批判した。平昌オリンピックでの北朝鮮との一連の交渉を経て、文在寅大統領の思惑はどこまで達成できたのだろうか。
高嶋)昨日、韓国では三・一独立運動の式典がありました。そこで文在寅大統領がいきなり、「加害者の日本政府が慰安婦問題で終わったと口にしてはならない」と批判し、それから竹島についても、「日本が奪った」と。いつも言っていることですが、これはどう見たらいいのですか?
宮家)三・一独立運動の式典ですから、日本のことを言わないわけにはいかない。それは百歩譲って良いです。
問題なのは、彼が望んだ南北対話と米朝の話し合いみたいなもの。これを画策してオリンピックにしかけて、ある程度やったとは思います。南北統一旗に、女性の応援軍団。金正恩の妹さんまで来た。それはいいのだけど、結局は上手く行かなかったでしょう。高嶋)上手く行かなかったのですか?
宮家)そう思います。だって、まず米朝は話し合いをしなかった。北朝鮮が最後の土壇場で躊躇したわけです。私に言わせれば当然ですが。
高嶋)副大統領がやり過ごしたのもあるし、2時間前に北朝鮮の方から、メンツを保つために断ってきた。
宮家)そうなると、もう国民に誇れるものが無くなってくる。「これから特使を出す」と言っても、限界がある。私に言わせれば、韓国が最も勘違いしているのは、「米朝の仲介ができる」と思っている。だけど、アメリカは「そんな必要はない」と思っている。そこに不幸な、大きなボタンの掛け違いがあって。これだけ上手くいかないと、内政的に日本批判をする必要があったのだと見ています。
北朝鮮の核開発阻止ができない韓国~米韓関係に影響
高嶋)本音のところで、「北朝鮮問題も、日本をはずして米朝とやりたい。北は仲間だから、話に加わってくるだろう」と、何となく、甘い期待もありそうですね。
宮家)そうですね。だけど、問題は核兵器でしょう?「何を言ってるの」という話です。
それと、仕方がないかもしれないけれど、ああいう風な形でやっていくと、アメリカとの関係がおかしくなって来るのを、韓国はよく考えて欲しい。
それから、「加害者が終わったと言ってはいけない」と仰るが、あなたと一緒にやったじゃないか。両国政府が「最終かつ不可逆的な」と言った。「あれはどういうことなの」という日本側の怒りは当然です。高嶋)当たり前のことですが、あの約束をしっかり守り、ことあるごとに、まったく譲歩することなく、「あれをしっかり守れ」と言い続けている日本政府の姿勢はいいですよね。
宮家)それは当然ですがそうですよ。彼らがそれを言い出したらぐうの音も出ないはず。プロであればあるほど分かっている。だけど、まだまだ難しい。
北朝鮮の次の一手は米韓合同演習の中止
高嶋)逆に北朝鮮側から言うと、この間の平昌の対策とか、昨日の三・一運動の演説とかは、どのように受け取っているのでしょうか?
宮家)基本的にはこれで米韓分断が進み、それから日韓も上手く行っていない。それで、これから特使が来るとなれば、「何を盗ってやろうか。これを、あれを盗ってやろうか」ということで、いまのところは想定内で動いているのでは?
高嶋)細工は流々ですか?
宮家)北朝鮮からすれば、「南北首脳会談」というエサをちらつかせ、「韓国とアメリカの合同訓練は止めよう」となれば、なし崩しになるわけです。そこが彼らのポイントだと考えます。
高嶋)ということは、文在寅大統領の「微笑外交」というのは百の承知で、大した影響力はなかったということですね。
宮家)まあ、これからね。もちろん、対話がちゃんと進んで核兵器を断念してくれればいい。だけど、そういう状況に動いてなさそうだから、まだまだ……
高嶋)そこに持って行くように、文在寅さんは強行にやっていかなければいけないのですけどね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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