文在寅大統領への訪朝要請~北朝鮮と韓国の狙いとは?
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2/13(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
ペンス米副大統領も北朝鮮との対話の可能性を示す
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)
ペンス副大統領「北朝鮮が対話を望むのであれば、米国は対応する」
平昌五輪で訪韓中の金与正氏が、文大統領の訪朝を望む金正恩氏の意向を伝えた。朝鮮半島平和構想を進める文在寅大統領だが、ここへ来て一気に進む南北の融和について、文在寅大統領の外交能力が高く、その結果だと富坂聡は解説する。
高嶋)今ちょうど平昌オリンピックの最中ですが、報道によると「ペンス副大統領、北との対話を示唆」というような、帰りの飛行機の中で記者に「圧力は継続するけれども、対話を望むのであればアメリカは対応する」と言ってます。この辺総合してどういう風にこれから考えられるでしょうか。
富坂)前提条件なしにということを久しぶりに聞いたわけです。昔、ティラーソンさんが言ったことですが、これがまだ生きているということです。振り幅としては前提条件無しの対話から、よく言われる「あらゆる手段がテーブルに乗ってる」という、武力行使も視野に入れた話で広がってるわけですけども、文在寅に振り回されたなと思いますね。振り回されたというのは悪い意味だけではなく、文在寅大統領は外交上手かもしれないですね。
高嶋)そうですか。
富坂)圧倒的に彼の存在感ありますよね、今。
北朝鮮と米の直接対話をさせないための文在寅大統領の外交
高嶋)朝鮮半島が2つに分断されていて休戦状態で、政治体制は全く違いますが同胞同士ですよね。そういう同じ血が流れている民族としての文在寅さんを見てると心情的にこういうような状況にならざるを得ないのかなというような、目でも見てしまいます。アメリカや日本に比べたら彼らの心情は明らかに違いますよね。
富坂)心情というところじゃないと思うんですよ。というのは北朝鮮とアメリカで問題を話すしかないわけですね。その中でその路線がぐっと動いてしまったら、韓国いらないんですよ。一方の主役は北朝鮮で一方の主役はアメリカですから。
高嶋)頭越しってやつですね。
富坂)そういうことです。だけどそこに自分たちの存在感を楔打ちこんでくのは、これしか無いと思うのですよね。それを見事打ち込んだ。それで南北が先陣を切った上で、それを踏まえて米朝ということだと、韓国抜きにならない。外交的には非常に上手いと思います。
文在寅大統領の訪朝が実現してもそれはプロセスの一つにすぎない
高嶋)それに繋がって北が、是非来てくださいというようなことを言っている。行くような方向で動いているようですね。
富坂)そうですね。で、ある意味平和攻勢かけるというのは、今は相手が思う以上のカードを出してくるという季節ですから。ただしこれは会談がかなったから何かが変わるという、そういう単純な考え方ではなくて。何度か上がったり下がったりしているうちの1つです。だから日本人がよく言うように圧力掛ければ何かが解決する、話し合いすれば何かが解決するということではないのです。そうではなくてプロセスの1つなのです。
高嶋)何をしようと北は、核とミサイルは離さないのでしょ?
富坂)だけど中国やロシアが出しているものというのは、長い時間を掛けて彼らから奪っていくということなのです。これは軍事技術の進歩とか考えると大いにあり得る話で、核兵器の核を積んだミサイルというものがどうでも良いものになってく可能性も何十年間の中にあります。そういうことなので、日本人の頭の中は単純すぎる。
高嶋)北朝鮮がいかに一生懸命国挙げて開発しよう、それを開発したとしても年数が経てばこちらの水準の方がはるかに進歩が速いから、そんな旧態依然たるものを持っていても何の意味合いも無くなるじゃないかという、そんな日が来るということですか?
富坂)いや、いろいろなものが変わっていく中でのことなのです。10年20年というスパンで見たときに、どのぐらい世界が変わったかということを見ながら国際社会は動いているということです。ちょっと日本人は単純すぎるということですね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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