韓国との合同行事をオリンピック直前に中止した北朝鮮のかけひき

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1/30(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

平昌オリンピック開幕まで10日~軍事パレードが関係か
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)

北朝鮮が南北の合同行事中止を韓国に通告~韓国メディアのことも批判

北朝鮮は昨夜、平昌(ピョンチャン)オリンピックに合わせ北朝鮮東部の金剛(クムガン)山で南北が行うことで合意していた合同行事を中止すると韓国に通告した。韓国政府は一方的な通告に遺憾の意を示した。

平昌オリンピックの開会式は来週の金曜日、開幕まであと10日となっています。

韓国と北朝鮮はかつて経済協力事業で観光が行われていた金剛山で2月4日に合同の公演・コンサートを行う予定でした。ところが北朝鮮は昨夜韓国政府に通告文を送りまして、韓国メディアを批判した上で内部の祝賀行事の是非まで問題にしており、中止せざるを得ないとしてこの合同行事中止を通告してきました。

この「内部の祝賀行事」というのは北朝鮮がオリンピック開幕前日の2月8日の朝鮮自民軍創建日に実施予定とされる軍事パレードを指している可能性があります。この軍事パレードについて韓国政府は「オリンピックとは無関係」と静観する構えではあったのですが、国内のメディアからは「オリンピックが利用された」というような批判が上がっていました。

この軍事パレード翌日のオリンピック開会式には、安倍総理大臣やアメリカのペンス副大統領が出席します。安倍総理大臣はこの開会式の直前に近くのホテルで韓国の文在寅大統領との日韓首脳会談も行う予定です。この首脳会談では北朝鮮に対する圧力強化方針も確認するという風に言われておりまして、北朝鮮はオリンピックぎりぎりまで揺さぶりを掛けるものと見られます。

平昌オリンピックにはこれまでに21の国や機関から首脳クラス26人が訪れることが決まっています。国連のグテレス事務総長や、中国からは共産党で序列7位の韓正(かん・せい)政治局常務委員が出席する方向で、この内9日の開会式には16カ国の首脳らが出席するという風に見られています。

したたかな文在寅外交~朝鮮半島問題を“米朝”だけにしない為の戦い

高嶋)中国は今北朝鮮の韓国に対する暴れぶりにはどういう風に思っているのですかね?

富坂)自分のグリップから完全に出ているので、いかにしてグリップするかということで中国が出しているのは“ダブルフリーズ”という、いわゆる米韓合同軍事演習を一時的に止めて、それで核実験とミサイル実験を凍結してテーブルに着くということと、今南北で起きているものが実は同じ線にあるということを無理矢理こじつけようとしているのですが、ちょっと無理がある感じですよね。
だからこれは外交という視点で見ると綱引きが行われていて、良いか悪いかは別として、南北の話というのは存在感がとても出ています。世界のメディアはこればかりに注目しているわけですから、そういう意味で言えば文在寅外交というのは割と上手いわけですね。

高嶋)上手いのですか?

富坂)上手いと思います。というのは、このまま放っておいたら米朝だけの話になって来ますよね。そこから中国も掘り出そうという話じゃないですか。だからそこに楔を入れて自分たちの存在感を出しているわけです。これは平和的な手法が良いか悪いかというのは別、ただ存在感を出す為にやっているわけですよ。
安倍総理が行くことは良いことだと私は思いますよ。そこで目立てないと何も無いことになりますので。行けば良いし堂々としていれば良いだけのことなのです。

高嶋)外から見ていると文在寅さんというのは相手がどう思おうととにかく南北を一緒にするというような、韓国の人にとってはそれが理想なのかもしれませんが、それを具体的に何かやりたいという。それに敵の、文在寅の足元を見て「お前やりたいんだろ? じゃあこうしろ、ああしろ」みたいな、そういう図式に見えますけどね。そうでもないのですか?

富坂)基本的には思惑というのはどの国にもあることです。韓国というのは放っておいたら地盤沈下するのは見えています。北朝鮮がアメリカと1対1で話をするようなことになったときには北朝鮮の存在感がものすごく上がりますよね。
そのときに韓国が問題に関しての当事者でなくなったときは大変なのですよ。だからそういうことも含めて戦っているのです。

高嶋)万が一アメリカが北朝鮮の核を認めてしまうとか、そんなことになったときに「それは冗談じゃない」ということに日本も含めてなりますよね。

富坂)朝鮮半島の主役がアメリカと北朝鮮だけになってしまったときには本当に目も当てられないので、彼らにしてみればここはやはり何らかの策は出さないといけない。だから日本から見ていると「北朝鮮から核を取り上げる」という第1のゲームしか見えていないので、裏ではこのゲームをやりながら自分が一番得をするというゲームをやっているような、そこはむしろ第2のゲームの方が重要なのですよ。

軍事力を国内外に示す「軍事パレード」 北朝鮮や中国は練習も入念

高嶋)軍事パレードは相当なものになりそうですか?

富坂)これはどんなものになるのか私は知りませんが、ただやるからには相当なことをやらざるを得ないだろうなとは思います。
中国だってもしやるとなったら事前にものすごい準備をしてやりますので。特に世界のカメラが入るかもしれないということになったらとんでもない努力をしますよ。
2015年の9月にやったときには、実は郊外に「疑似天安門」というのを作って全く同じ尺で練習をしています。背を揃えるところから始めて、これは出る人と出ない人でボーナスが出るか出ないかで重要なので(笑)。前後で誤差何センチまで決まっていますし、靴は1週間に1回支給されます。1週間で駄目になって履き換えていくという、そのくらい過酷なものなのです。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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