自民党 憲法9条改正案~2項を維持する方向で細田本部長に一任
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3月23日 FM93AM1242 ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
公明党は強く反発
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キャノングローバル戦略研究所研究主幹)
自民党9条改正案~細田本部長一任で押し切る
自民党の憲法改正推進本部は昨日、憲法9条改正案について、戦力を持たないことなどを定めた2項を維持しながら、自衛隊の維持を明記する方向で今後の対応を細田博之本部長に一任しました。石破茂元幹事長らは自衛隊を戦力と位置付ける為、2項の削除を強く主張しましたが、押し切った格好です。
自民党は明後日の党大会に間に合わせる為に議論を急いだかたちです。昨日の自民党憲法改正推進本部の全体会合はおよそ3時間に及びまして、安倍総理大臣の出身派閥の会長である細田博之本部長が9条改正の意見集約を自身に一任するよう提案しまして、会場内は賛否の声で騒然としましたが、結局一任ということになりました。
これに対し石破元幹事長は、「何が一任されたのかよくわからない。党の意思決定として極めて異例だ」と述べています。細田本部長によりますと、「戦争放棄を定めた9条1項、それから陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。と定めました9条の2項を共に維持しつつ、別建ての9条の2を新たに作って自衛隊を規定する」としています。
当初は必要最小限度の実力組織ということで、自衛隊を明記する方向だったのですが、これには石破さんらが反対しまして結局、必要な自衛の措置を取ることを妨げず、その為の実力組織と明記する方向です。この自衛隊の定義などを巡りまして、公明党の幹部は、この必要な自衛の措置を妨げないということであれば、集団的自衛権の全面行使に繋がりかねないと懸念を示しまして、話にならないと批判をしております。
自民党内にも異論がある上に、森友問題を抱えて公明党の関係者は、憲法改正は当面、困難になったと見ています。それから改憲勢力と安倍政権が期待していました野党の日本維新の会も、今、熟議できる雰囲気ではないと、この森友問題を挙げて慎重姿勢に転換しています。
高嶋)確かに国政の場は、憲法一生懸命考えて、こうしろ、ああしろ、という雰囲気ではない。だけど一連の流れを見るとやはり、安倍さんが去年ビデオメッセージで言った、1項2項はそのままにして1つ付け加えるみたいなようなことなのですか?
森田)そうです。その方向です。
高嶋)石破さんは、それはいかんと言っている。
森田)そうです。2項は削除すべきだと。
高嶋)宮家さんどう判断しますか?
宮家)自民党のこういうの、懐かしいね。野次と怒号の中で一任が決まって、何となくそのまま行く。これは民主主義で多数決でやったら駄目なんでしょう? だからこの一任というのは一つの知恵なのですね。しかし珍しいというか、久しぶりに使ったなと思いました。
高嶋)議員さんの数から言えば、今は公明党も賛成してくれれば、大チャンスであるのだけれど、ちょっと何か足下が揺らぎだしていますよね。
今こそしっかり改憲の議論をするべきなのだが
宮家)2項を削除するというのはスジ論としては、一つの考え方だと思います。でもそしたらそれは与党で賛成は貰えないのではないですかね? そういう意味では現実的な案だとは思いますが、日本の政治というのは、内政が大好きな人たちですから、森友だ何だと、ずっとやるわけです。韓国がうろうろして、北朝鮮とアメリカが話すとかいう、日本にとっては、一つ間違ったら国乱になろうかというときに。
だけどそれでも、この憲法のことを議論しなきゃいけない時期だとは思いますが、どうですかね。このままだと求心力がちょっとなくなった分、遅れるかもしれませんね。高嶋)党大会では何か決めるのですか?
森田)明後日はこの方針だけですね。あとは緊急事態条項とか、参議院選の合区を解消するだとか、教育の充実といった改憲の4項目を提示するというかたちになりそうです。方向性だけを報告すると。
高嶋)まあしかし、憲法9条の問題というのは、神棚に乗っちゃってますからね。
宮家)70年近くね。
高嶋)だけど自衛隊の方が、あれだけいろいろなケースで国難を救ってくれて、けっこう際どいところまで進出するようになって、矢玉の中をかいくぐるような状況になってきたし、認めてやらないと、失礼ですよね。
宮家)憲法学者の大多数近くが合憲と言わなきゃ、そりゃ命かけられないですよ。
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