イラク日報問題~自衛隊における文書管理を抜本的に変えない限りまた起こる!

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4月6日 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!③

イラク日報問題~制服組トップ陳謝
7:17~ お早う!ニュースネットワーク:コメンテーター潮匡人(元航空自衛官・評論家)

担当者は重要性を認識していなかった?

陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報が見つかった問題で、自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長が昨日記者会見を行った。

河野統合幕僚長)当然、速やかに報告をするべきところが抜けていたということについては、結果として、大臣及び国会に対して背信的な行為を行ったと言われてもしょうがない。

去年3月に陸上自衛隊の研究本部。現在は教育訓練研究本部に組織が変わっている。日報を見つけていたにも関わらず、防衛大臣への報告がおよそ1年遅れたことについて、「速やかに報告すべきだった」と釈明。「文民統制(シビリアンコントロール)が崩れている」という指摘に対しては、「真摯に受け止めなければならない」と話している。

飯田)この問題ですが、「重要性を認識していなかった」というようなことも、毎日新聞の今日の1面記事に書かれていました。現場を知る人間として、潮さんはどう思っていますか?

潮)このことについて直接的に知っているわけではありませんが、いま指摘にあった毎日新聞の報道も含め、「担当者がそもそも問題と認識していなかった」ということが、仮に事実とすると、これはこれで問題となるわけです。
しかし、必ずしも担当者が平然とシラを切ってウソを付いている、ということではない可能性も濃厚だと思います。というのも、いわゆる「制服組」は、政治との距離を置くべきであるという教育をされ、彼ら自身もそう思っているわけですし、国会の中継を見ている自衛官がいるかといえば、任務中・訓練中に当然見てもいない。しかも、「去年騒がれていたじゃないか」というのは、少なくとも去年は南スーダンの日報を巡って国会でも議論になったわけで。イラクはそれと違うから、「とっくに終わった話じゃないか。まさかこれが問題と思っていなかった」という可能性は十分にあると思います。

イラク日報問題~自衛隊における文書管理を抜本的に変えない限りまた起こる!

文書管理を抜本的に改めていかなければ、今回のような問題はまた続く

潮)自衛隊をかばうために申し上げているのではないのですが、私がオスプレイについて防衛省の公式サイトで調べていたら、ここ数日間の情報がまったく反映されていませんでした。しかも、「オスプレイの配備が先送りになる」という古い情報のままになっていたのです。
つまり、まだ誰も気づいていない可能性があるわけです。20何万人もいる陸空海の世界の中で、膨大な資料・文書があって。その管理というのは、実は難しい側面もあると思うのです。「文民統制が崩れている」という指摘は正論だと思います。しかし、これが報道の通りだとすると陸上幕僚長にも報告されていなかったらしいので、これはシビリアンコントロールとかとは別次元の問題で、もしかするとより重大な問題にもなります。戦前で言えば、命令に抗するというような、重大な犯罪的行為という認識すら生まれ得る、ということです。いままでの型どおりの、責任者が陳謝したり、「再発防止につとめます」と繰り返してきて、このザマですので。まさに抜本的に。たとえば文書を全部電子的に一元管理しブロックチェーン化するようなことをしない限り、また続くと思います。

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