イラク日報問題~自民党は「霞が関」を改革できるか?
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4月5日 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!②
試される自民党の今後
7:10~ お早う!ニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
イラク日報問題 野党結束、総理の責任追及へ
存在しないとされてきたイラクでの自衛隊の日報が見つかった問題等を受け、野党6党の幹部は会談し、結束して安倍総理の姿勢を正していく方針で一致した。
飯田)この問題について、「虎柄の突撃軽空母」さんからTwitterで頂いています。「日報もそうですが、文書改ざんといった一連の問題が続発していると、元からそういうものだったと言った方がしっくりしてしまう。安倍政権がどうのという以前に官僚の体質の問題じゃないの?」と。
鈴木)仰る通りですよね。これだけ多いと、この問題だけとかこのケースだけとか、この政権の時だけとか、この人の時だけということではなくて、「官僚ってこういうことをずっと当たり前にやっているんだね」と思った方がしっくりくるくらい続いているということですよね。
飯田)1つの省庁だけではないですもんね。
鈴木)この日報問題というのが防衛省ですよね。シビリアンコントロールということを考えると、特にこの問題というのは、はっきりとさせておかなくてはいけない事、そこで堂々と起きている。
一方で軍事機密であるとか、安全保障の問題ということになってくると、表に出せない部分も出てきます。それを盾に出さなかった。今回は特にそうですが、長い間隠していた。小野寺さんに報告して、その後も2ヶ月くらい先へ進んでないとか、組織的に防衛省だけじゃなくて、霞が関の組織改革というようなことも考えなくてはいけないでしょうね。飯田)元々、このイラクの当時の日報というものは用済み後廃棄という規定があったと言われていて、基本的にはないものだと思って調べていたから、最初にないと言ってしまったんだという指摘もありましたけれども。
国民は怒らなくてはいけない
鈴木)それはもう後付けの理屈にしか聞こえないでしょう、こうなってくると。ないものがあった、あったものがない。これが一番信用を失うわけですよ。いわゆる行政と立法があって、立法って我々国民が忙しくて国会へ行けないから代わりに選んだ政治家さんが行ってもらっているだけであって、国会は我々のものじゃないですか。
飯田)主権の束を背負っているなんて言いますよね。
鈴木)ここに対して出してくる行政の資料、それをチェックして法律を作っていく、我々の国会に対してこういう態度というのは、これは、本当に国民は怒らなくてはいけないと思います。単なる政治政局問題ではなくて、根本的に怒りを持たなくてはいけないと思います。
飯田)この問題に関しては与野党なく議員の皆さん怒っている感じですよね。
鈴木)与党はもっと怒って良い。当時の大臣だった稲田さんが「怒りを禁じ得ない」というようなコメントを出していますが、自分はそこの大臣で答弁していたら、それが違っていたという話でしょ。
飯田)ある意味、梯子を外されたようなものですよね。
自民党が徹底的に霞が関の改革をやるべき
鈴木)これは野党も、追及するのは当たり前です。この問題は官僚、霞が関の問題なのだけれども安倍政権の時に起きているということも事実だから。それはそれで今から整理していかなければいけないし、野党はそこを追及してくるでしょうけれども、それ以上に国会というところで多数派を持っているのは、つまり国民の場で多数派を持っているのは自民党じゃないですか。ここが一番怒らなきゃいけないわけですよ。「ふざけるな」と言って一番にこの問題にとっかかっていくのは与党、第一党である自民党だと思うのですよね。
ここが鈍いと、政権と何か裏であるんじゃないのと思われるわけでしょ。前の財務省の時もそうだったけれど、野党も問われていますが、それ以上に与党の自民党がこの問題をどのように徹底するかということも見られている。そういった構図だと思います。飯田)総理官邸と霞が関は一体というようなイメージがありますが、実はこの立法府側の政党である自民党って全然違うんだなって、こういう時にこそ発揮しなければいけないわけなんですよね。
鈴木)そうなんですよ。財務省の改ざん問題でも何やってんだとか、追及が甘いとか、どうしても野党に矛先が向きますが、こういう時にこそ、実は野党よりも与党が試される。そういうテーマだと今回は思います。これはもう怒って徹底的に霞が関を改革するんだぐらいのところまで本気でやるのか、やらなければ、飯田さんが仰ったように官邸と、与党と霞が関が一緒になって隠したんじゃないのって思われますよ。だからここを徹底してやれるかどうかですよね。
飯田)これは政党ごとにそういう調査チームみたいなことになりますが、結局、立法府対行政府みたいなものじゃないですか。国会側で立法府として調査チームを作ることはできないものですかね?
鈴木)どうしても与野党の対決があるし、いろいろな見方があると思いますが、野党は追及するのが仕事みたいなものですからね。国会の中でバランスをとる為にも。少数派の国民の声も背負っているわけだし。そういう意味では野党は徹底的に追及する。
その時に、当然、今の政権だから起きたんだというところに焦点を当てて、ある種の与野党対決、対政権といったような構図になっていくでしょうね。それはそれでありだと思います。ただ自民党は自民党としてどこまで厳しくやるのかと、そこでしょうね。
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