7/31(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
法の矛盾を抱えたままの現状
7:02~ひでたけのニュース ガツンと言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(経済ジャーナリスト)
政治の動きに自衛隊の活動が引きずられてしまった
「日報」隠ぺい問題を巡り、稲田朋美防衛大臣は辞任しました。
しかし、そもそも今回の一件は、どうして起こってしまったのか?そもそも、問題の本質はどこにあったのか?それについて、経済ジャーナリスト須田慎一郎さんが詳しく解説します。高嶋)稲田大臣の辞任問題、例の日報問題ですね。この本質はどこにあると解釈していますか?
須田)これは法律上のものを含めた様々な矛盾を抱えたまま、自衛隊をPKO活動に送り出したこと。そこに問題の本質があったのではと思います。
もっと具体的に言えば、「戦闘地域に自衛隊を派遣する」ということは、法律の建前ではできないのです。高嶋)「PKO5原則」ですね。
須田)そうです。とはいえ、現実問題として「そんな地域が存在するのかどうか?」、状況は刻一刻と変わるわけですから「そのたびごとに自衛隊の活動範囲を変えていくのか?」、現実的な対応を考えると、PKO協力法そのものが大きな欠陥を抱えていたのでは?と思います。
その法の欠陥をカバーするために、日報の改ざん、隠蔽が行われてしまったのではないか?つまり「政治の思惑、動きに、自衛隊の活動が引きずられてしまった」という部分に、問題の本質があると思います。高嶋)まさにそんな印象ですよね。日報を書く側は「今日何があったか」を、事実を実感でどんどん書くわけで。だから、戦闘行為も武力衝突も関係ないわけですよね。思ったままを書く。
これを東京の方に打電すると、「この表現はマズい。隠さなきゃ」とか「これは変えなきゃ」と、おかしなことになってくる。須田)そうですね。記録というのは将来的に、広い意味では「戦史」になるわけですよね。将来の作戦行動に関して、そうした記録をベースに立案したり行動を決めたりするわけです。なので、そこを改ざんされてしまうと、将来に大きな禍根を残してしまうことになる。これは制服組の自衛隊員に話を聞いた話です。
本質の議論を国会でやらなかったのは最大のミス高嶋)ということは、本元を辿ると、やはり「自民党、安倍政権のやり方が~」ということになりますかね。
須田)ですから「PKOを派遣すべきかどうか?」という問題に、遡っていくのではと思います。
やはり「国際貢献で必要であるなら、なぜそういった整備ができなかったのか?法律が作れなかったのか?」という部分だと思います。高嶋)ある意味で子どもの議論みたいなところがあって。野党側だって、南スーダンでの砲弾が飛び交うような現状は、CNNとかでガンガンやっているわけですから、分かっている。
誰だって分かっていながら、そういう上辺の5原則だとか、実体を見ないで、そういうものに振り回されてきれいごとにしようとする。この辺にそもそも無理があったのでは?須田)くわえて、この問題を「政府与党の攻撃材料」にしようとしたことです。与党に一矢報いるとか、足を引っ張るような、思惑が野党側に働いていなかったかというと、私はそうは見えない。
ですから、「日本の国際貢献の中で、どうあるべきか」という本質の議論を、国会できちんとやらなかったところに、いちばんの大きな落とし穴があると思います。
今回の問題の本質は「誰が防衛大臣か」ではない高嶋)安倍総理の任命責任を激しく言う人も多くなりましたが、その辺は須田さんはどうお考えですか?
須田)それに関しては、言うまでもないところでしょう。
ただ、「稲田さんでなければこの問題は起きなかったのか?」というと、私は必ずしもそうではないと思います。
他の人だったら、もっと上手く説明したり、取り繕ったりできたかもしれないけれど、問題の本質はそこにあるわけではないですから。高嶋)私が自衛隊関連の人に言われてけっこう響いた一言なのですが、「あの女の人に敬礼する隊員の心情を思ってくれ」と。「冗談じゃない、と最初からみんな思っていた」と。この辺はどうですか?
須田)もちろんそうですね。不適切な人を防衛大臣にしたのはもちろん問題なのですよ。ただ、今回の日報改ざん問題の本質は「そこにくわえて」というところだと思いますけどね。
高嶋)閉会中審査は来週ありますが、稲田さんはお出でになるでしょうね?
須田)出ると思いますけどね。
高嶋)出さなかったら、安倍さんも相当、信用を落としますよね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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