イラク日報問題~なぜ文書問題は起こるのか?

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4月5日 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!①

考えるべきは「霞が関の組織」と「政権と官僚の関係性」
7:00~ ガチンコ ニュースUP!:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

小野寺 五典 防衛相

閣議を終え、記者団の質問に応える小野寺五典防衛相=2018年4月3日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社

陸上自衛隊のイラク日報問題。去年3月に存在を確認していたものの、大臣らに報告せず

陸上自衛隊のイラク派遣の日報が見つかった問題で、実際には去年3月の時点で日報が確認されていたにも関わらず、陸上自衛隊の研究本部が発見の事実を当時の稲田防衛大臣らに報告していなかったことを、昨日小野寺防衛大臣が明らかにした。

飯田)ないはずの日報が見つかったというこの問題です。公文書管理の話がいろいろな省庁で囁かれている中で、自衛隊の1年間塩漬けというのはいくらなんでもと思いますが。

鈴木)自衛隊だけではないです。財務省もあったし、厚労省もあった、文科省もあった。こうなってくると、こうやって書類がないと言ったものがあったり、あると言うものをないと言ったり、都合が悪いときには書き換えたり…。これがいわゆるある意味霞が関というか行政ですよね。
こういうことやっていたのだなと。こういうものが我々国民の代表がいる国会、つまり立法府ですよね、ここに提出されて真剣に議論をして、そして法律が最後に決まっていた。もう前提が常にこういうことだったっていうこと。これは大問題ですよ。

考えるべき2つの問題とは?

鈴木)この問題を考えるときに2つ考えなくてはいけないと思います。
1つはとんでもない行政と立法府の関係です。国会というのは国民ですから。国民をこうやって役所が平気で騙しているのか、これは霞が関改革というか組織改革までやらなくてはいけない大問題です。
もう1つは安倍政権の間にいくつか出てきたわけです。これは何か、よく言われているのは、安倍政権が内閣人事局を使って霞が関、役人に対して厳しい態度をとってきた。それによって役所側が忖度して、これは出さない方がいいだろうとか出した方がいいだろうとか、書き換えた方がいいだろうと忖度したと言われている。
僕は人事局を作ることは良いことだと思います。政治主導、霞が関の役人を押さえるための手段としては非常に良い。ある政権幹部に、2012年に安倍政権ができた直後に、何を一番やりますかと政策のことを聞きました。そしたら、いやいやまずやるのは人事局だ、とその人は言いました。今も政権幹部ですよ。で僕はなるほどねと、政治主導でやっていくのだなと思ったんですよね。

飯田)人事と予算というのは、人を動かす2つのファクターですからね。

鈴木)普通の会社でもそうじゃないですか。何となく上司に人事のことをされたら「はい、頑張ります」と言っちゃうようなこと。僕は手法としてはありだと思いますが、これだけ続くと何かしら忖度、もしかしたら官邸との何か政治的な関係があったんじゃないか、そんなことも当然疑われてくる。だからその2つをきっちり分けて考えていかなくてはいけないと思いますね。

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