アパグループは、6月2日(月)に明治記念館にて、『アパグループ創業54周年記念記者発表会』を開催。2022年度よりアパグループ社長兼 CEOに就任した元谷一志氏が、新たに掲げた中期5カ年計画『AIM5』の進捗や、具体的な取り組みについて報告した。

東京・明治記念館にて開催された『アパグループ創業54周年記念記者発表会』
アパグループでは2022年4月1日付で、元谷外志雄氏に代わり一志氏が社長兼 CEOに就任。一志氏が掲げた『AIM5』は、“標的・狙い”の意味を持つほか、“たんぱく質”をイメージした言葉でもあり、100年企業を目指していくといった意味合いも。始動から既に3年が経過し、2027年の目標150,000室などの大きな目標に向かって、日々努力を重ねている。

アパグループ社長兼CEO 元谷一志氏
登壇した一志氏は、初めにアパグループの2024年11月期連結決算について報告。「売上高2,260億円」「経常利益796億円」を記録し、過去最高売上・過去最高利益を前期から2期連続で更新したことに触れた。この要因について一志氏は、コロナ禍後の訪日外国人数の急速な増加などを挙げ、順調に推移し続けている現状に喜びを見せた。

2027年の目標150,000室に向けて、順調に室数を伸ばしているアパホテル
アパホテルネットワークの室数に関しては、特にアパ参画ホテルやフランチャイズが増加傾向にある。アパ直参画ホテルとは、アパ直(アパトラベルホテル直接予約)で予約可能なアパホテルブランド以外の宿泊施設のことを指し、地方のオーナーたちとも協力しながら、目標達成に向けて数を伸ばしている。

国内外に向けての戦略や、社内の取り組みも発表
アパホテルでは、「『選択と集中』プロジェクト」として、2024年以降、国内直営からフランチャイズへの転換・売却を進めているほか、建替えや増築などもおこなっている。海外では、2024年に米国初の直営ホテルをオープン。今後、西海岸を中心に本格的進出を計画している。

福利厚生が充実していることもあり、就職企業人気ランキングも上昇中
また、従業員に対してのベースアップやオフィスの改装など、働きやすい環境づくりにも力を入れている。2024年から導入した『ベネフィット・ステーション』や、健康器具『DENBA』の提供のほか、事務所内冷凍庫で24時間いつでも購入可能な置き型社食や、役職に応じた人間ドックの費用負担もおこなっている。福利厚生に力を入れる理由として一志氏は、ホテル業は長時間勤務によって健康が損なわれるリスクが高い業種であるといった点に触れ、そうした中でも「優秀な人材をしっかりと守っていきたい」と述べた。

今後についての意気込みを見せる一志氏
今後も、今あるものを継承するだけでなく、“even better(さらによりよく)”を心がけていきたいと語った一志氏。「お客様にとって良いホテルであり続けていられるよう、1つ1つにこだわっていきたい」と意欲を見せ、コロナ禍で国や自治体に協力して客室の提供をおこなってきた経験から、「有事にも平時にもアパホテルをご利用いただくために、しっかりブラッシュアップしていきたい」と述べた。

アパグループ専務 元谷拓氏
その後はアパグループ専務の元谷拓氏が登壇し、自身の著書『誰も知らない帝王学Ⅱ 勇者の選択』を紹介。自身の50歳の誕生日である5月21日に発売された著書ということで、50ページにある言葉『勇気は一瞬、後悔は一生』などを挙げ、勇気を出して踏み出すことの大切さを伝えた。

毎年おこなわれる記者発表会には、多くの関係者が集まっている
今年の記者発表会も例年と同様に多くの関係者が集まったが、一志氏は、「こうして関係各位やお客様からご愛顧賜り、大きな輪となっていることがありがたい」と感謝の言葉を述べた。一志氏を中心に、今後もより良いホテルを目指して進んでいくアパグループに、期待が高まる。