アパグループは、2022年度より新中期5カ年計画『AIM5』を掲げ、社長兼 CEOの元谷一志氏を中心とした新しい経営体制に移行。6月3日(月)に明治記念館で行われた『アパグループ創業53周年記念記者発表会』では、『AIM5』始動2年を振り返っての総括として、進捗と具体的な取り組みについて語られた。
同グループでは2022年4月1日付で、元谷外志雄氏がアパグループ会長に、一志氏がアパグループ社長兼 CEOに就任。一志氏が掲げた『AIM5』は“標的・狙い”の意味を持ち、2027年の目標150,000室など大きな目標に向かって動いてきた。
記者発表会では、最初に、会長である外志雄氏が登壇。新体制への移行以来、社長兼CEOである一志氏とアパグループ専務兼アパホテル代表取締役専務・元谷拓氏に経営の大部分を任せてきたが、このことについて外志雄氏は、「私が創業以来大事にしてきた経営理念をしっかり受け継ぎながらも、独自色を加えてよくやっています」とコメント。2023年11月期連結決算で「グループ売上高1,912億円」「経常利益553億円」と過去最高を記録したことにも触れ、「今後も日本で圧倒的No.1のホテルチェーンを目指して頑張ってまいります」と述べた。
その後は一志氏が登壇し、『AIM5』始動2年間の活動について報告。一志氏は2026年11月期の経常利益目標を450億円としていたが、これを3期前倒しで達成。アパホテルネットワーク室数に関しても、国内直営の70,000室という目標が達成間近まで来ている点などに触れ、「順調に進んでいる」と話した。
『AIM5』の具体的な取り組みについては、5つの項目にまとめて報告。ホテル展開としては、直営レストランの改修やスクラップ&ビルドに加え、屋号変更やブランド整理も実施。直近ではサウナ特化型のアパホテルステイ〈富山〉を開業し、郊外へのコンテナホテル建設も新たに検討しているという。
また、従業員の健康にも気を配っており、事務所内冷凍庫で24時間いつでも購入可能な置き型社食や、人間ドックの費用負担もおこなっている。
財務的な観点からは、「FCへの転換も実施している」と一志氏は説明。今後も大都市に狙いを定め、需要を考慮しての増室をおこなっていきたい旨を明かした。
さらに海外展開のほか、日本サッカー協会や日本将棋連盟へのスポンサー活動も。小学生対象のサッカー・将棋イベントを主催しつつ、新たなユーザー層の獲得を目指している。「“ホテルはサッカー”“旅館は将棋”と、文武両道で頑張っていきたいと思います」と一志氏は熱く語っていた。
会社の歴史とともに生まれ、自身の“宿命”とともに生きてきた53年間を振り返り、「今、この場に立ってこういった発表ができるというのは、とても幸せなことだと思っています」と語った一志氏。一志氏を中心に今後も様々な展開を見せていくアパグループに、期待が高まる。