放送制度改革~なぜ安倍首相はネット番組を評価するのか

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4月17日 FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ④

キーワードは放送制度改革
7:27~教えて!ニュースキーワード:コメンテーター 有本香(ジャーナリスト)

規制改革推進会議 安倍 晋三 首相

規制改革推進会議に臨む安倍晋三首相(中央)ら=2018年4月16日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社

政府の規制改革推進会議が会合~放送法4条撤廃案は明記されず

政府の規制改革推進会議は昨日、放送制度改革を議題に会合を開きました。今後の検討課題として、放送と通信との融合への対応など3つが示されましたが、番組の政治的公平性などを定めた放送法4条を撤廃する案は明記されませんでした。

飯田)総理の発言でも4条に関する言及はなかったということで、それを大きく見出しにしているメディアもあります。放送制度改革、まずは多様化するというところから入るようですが。

有本)放送法をどのように捉えていくか、これを変えていった方がいいのではないかという議論は、実は小泉政権の時代から何度か浮上しているのです。

飯田)今始まったことではないのですね。

有本)今回、安倍政権のもとで規制改革の流れで議論されていくのですが、放送メディア関係の方々から、私から見ると過剰とも言えるような反応が相次いで出ていました。ある方は安倍総理が去年の10月の選挙の前にあるネット番組に出た、そこで総理が随分ヨイショされたから気分がよくなって……。

飯田)味をしめたんじゃないかと。

安倍首相が出演したネット番組を評価

有本)これは安倍総理が「いわゆる放送メディアでは批判ばかりされている、ネットの方がいいなということで放送法改正という方向に行こうとしているんだ!」と主張しているものです。私はその番組に出ていましたから、ここは言わなければいけないと思っています。
確かに番組中、多少総理をいい気分にさせる場面はあったと思います。報道番組ではないですし、ちょっと遊びに来てもらってゆっくり話をしようという趣旨のトーク番組でした。普段は政治を扱わない番組なので、政治に興味のない人もたくさんご覧になっていたんです。その時に「安倍総理ってこういう人だったの?」とか、あるいは「そんな話は知らなかった」といったリアルタイムの視聴者の反応がかなり多くて私自身もびっくりしました。どういうことかというと、どうしても放送メディアが「政権批判ありき」と思われるような番組作りが多いために、安倍総理が外遊先でどういうことをやっているのか、というような本来なら報道されてもいいようなことが国民に知らされていない。そういうことも報じられた上で、今の安倍政権はどうなのか、という評価が本来されるべきなのですが、そこを知らない方が多かったということが、私たちにとっての驚きでした。
この番組のことをのちに総理は新経連(新経済連盟:インターネットを利用したコンテンツ産業を行う企業群が参加する経済団体)で…。

飯田)楽天の三木谷社長が作ったという…。

有本)新経連でのスピーチで、安倍総理がネット番組に出てみて、今までのマスメディア、放送メディアとネット番組は、観ている人にとっては同じじゃないかと思ったということを言っている。つまり通信と放送が全く別のものだ、ということではなく、コンテンツを扱うということにおいては、横並びで考えなければいけない時代に入ったのではないかということを言っているわけです。でも今まで電波を扱ってきた側にしてみれば、規制を撤廃されるのは嫌だと、こういう声なんです。

飯田)いろいろな話題や切り口があって、いろいろな発信の方法があって、それで全体としては知る権利を資することになる。そういう意味では規制を撤廃してもいいのではないかと。

有本)そういうことです。右から左まで、選択肢はあった方がいいのではないかということです。

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