4月27日　FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ！③

キーワードは「フランスのマクロン大統領がアメリカ第一主義への反対を表明」
7：27～教えて！ニュースキーワード：コメンテーター宮家邦彦（外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹）

2018年4月24日、ドナルド・トランプ大統領とメアニア・トランプ夫人、エマニュエル・メクロン大統領、ブリジット・マクロンが、ホワイトハウスでのフランス国家訪問の公式歓迎式典の際にバルコニーから手を振った。クレジット：ＵＰＩ／ニューズコム／共同通信イメージズ　写真提供：共同通信社

米のイラン核合意離脱を諭す仏・マクロン大統領

フランスのエマニュエル・マクロン大統領はアメリカ議会で演説し、アメリカのトランプ大統領のアメリカ第一主義（アメリカファースト）に反対する姿勢を示した。更にマクロン氏は多国間主義への支持を訴えると共に、貿易戦争の危険性を警告している。

飯田）マクロン大統領は3日間の訪米で、国際問題についてトランプ大統領と議論したということです。個人的には仲良しアピールだったのですけれど、政策の面ではぶつかったようです。

宮家）手を繋いだりして、気持ち悪いくらい仲が良いですよね。トランプさんがいまやっていることというのは、1945年第2次大戦が終わって、アメリカは自由でオープンでルールに基づく国際秩序というものを作ってきたわけです。だけどもトランプさんはある意味でそれに対して反旗を翻しているわけでしょう、アメリカはもう自分たちのことだけしか考えないんだという風になっている。それに対して中国がなんと言っているかというと「我々は保護主義に反対する」。冗談じゃない、彼らこそ保護主義じゃないかと思うのですが、ヨーロッパ方面ではフランスが頑張ってアメリカを諭しているわけです、「ちょっと待てよ、それじゃだめだぜ」と。そういうリーダーシップを感じるんで、昔はそれをイギリスがやっていたけれどもいまはフランスですよね。東アジアについては日本もある程度やっているわけです。ですから本当に面白い時代になったなと思いますよ。

飯田）役割を演じながら諭す部分では、イランの核合意でとてもぶつかったということですが。

宮家）困ったちゃんなんですよ。トランプさんはもしかしたら離脱するかもしれません、相当前から言っていますから。なんだかんだ言いながら言ったことは全部実行してきているのも事実だから、下手をすると大変なことになるわけです。ビジネスのことを言う人もいますが、あの地域のなかでイランは大国なのです。その地域の大国がペルシャ系ですからね。アラビア湾の対岸にはサウジアラビアがあるしGCC諸国があるわけですが、みんな人口が少ないからイランの敵じゃないわけです。イランがまた昔のように影響力を拡大する、しかもイスラム革命下のイランがそれをやるということは、湾岸の穏健なアラブ諸国にとっては非常に大きな脅威なわけですね。

飯田）核合意で核兵器を作ることに関しては止める、ではなく再開してもすぐにはできないようにした、というのが核合意の本質です。

宮家）それが限界だったのです。本当はやめさせたかったけれど、そこまで力がなかったのですよ。トランプさんはこれじゃ全然不十分な合意じゃないか、終わっていないという気持ちはわからないではない。しかしこれを全部ご破算にしちゃって良いのかと。そしたらイランは自由にやりますよ。そしたら下手をしたら北朝鮮みたいになってしまうから、イランに対しては合意を前提にやっていくしかないということを、マクロンさんは諭したんだと思いますが、さあどうですかね。

注目される5月12日～イランの核合意関連文書にトランプ大統領が署名するか

飯田）5月12日にトランプさんが核合意に関してのアメリカ国内での文書に署名することになっていますが、それを署名しないと言っている。

宮家）イランがちゃんと義務を果たしているかどうか、それを宣言しなくてはいけないですね。果たしてないということになれば、アメリカのイランに対する制裁が復活するわけです。それは事実上合意からの離脱ですよね。果たしてできるのか、アメリカの国民がどこまでイランのことを考えているかわからないけれども、トランプさんにとっては選挙公約なので、これはかなりすったもんだすると思います。5月12日は注目の日ですね。

飯田）半年に一度の署名ですから、これを逃すと、次は中間選挙の後になってしまう。

宮家）アピールするならいまがチャンスですよね。ただ、それをやって物事が好転するとは思いませんけれど。

飯田浩司のOK! Cozy up！
FM93AM1242ニッポン放送 月～金 6:00～8:00