トランプ大統領~革命記念日のパレード出席のため渡仏【高嶋ひでたけのあさラジ!】

By -  公開:  更新:

7/14(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

仏マクロン大統領はトランプとやっていける数少ない政治家
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター高橋和夫(国際政治学者・放送大学教授)

現職大統領の参加はパパ・ブッシュ依頼28年ぶり 

アメリカのトランプ大統領は、フランス革命記念日の軍事パレードに招かれ、パリへと向かいました。G20、ロシアゲートの件もふまえ、国際政治学者で放送大学教授でもある高橋和夫氏に詳しく解説いただきます。

高嶋)G20が終わりました。私が象徴的だと思ったのが、全員が集まって写真を撮るとき、いつもは中心にいるべきのアメリカ大統領が、我々から見ていちばん左の隅に立っていました。そしたら、フランスのマクロンさんが気が付いて、ちょこちょこと出てきて、自分が左端に。それで大統領に話しかけたりして……何だか、「1対19」と言われた、あの際どいシーンを唯一救ってくれたのがマクロンさんだった、みたいな。それで、今度、フランス初訪問ですってね。

高橋)そうですね。この2人はNATOのサミットで既に3、4回会っているので、「トランプとやっていける、数少ない政治家」という評価ですね。

高嶋)今度は何のためにフランスへ?

高橋)第一次世界大戦のとき。つまり1917年に、アメリカがフランスやイギリスを助けるために介入してちょうど100周年です。ですから、「アメリカ兵の犠牲の上に、第一次世界大戦の勝利がある」という感謝の気持ちを、フランスは示すということで、トランプさんを招待する、と。
マクロンさんにしてみれば、ヨーロッパにおいて、やはりドイツが大きいのですよ。メルケルさんがあまりにも大きいので、やはり自分の存在感を、トランプさんと仲良くすることで少しバランスをとりたい、という気持ちがあるのだと思います。
トランプさんにしてみれば、ロシア絡みで、ワシントンにいたら叩かれっぱなしですからね。やはりフランスへ行って、「儀式で自分の気持ちを満たす」というのがいいのかな、ということですね。

高嶋)やはり、厚遇されるのは気分が良いわけですよね。14日はフランスの革命記念日ですが、軍事パレードでトランプ氏をこれに招待し、シャンゼリゼ通りを、150人の米兵を含む、計4,000人の歩兵、騎兵等が行進するという……現職のアメリカ大統領が参加するのは、フランス革命200年を記念した1989年のパパ・ブッシュ大統領以来だそうです。久しぶりなのですね。

 
ロシア弁護士と接触したジュニア氏の行動は法に触れている可能性がある

高嶋)それで、ロシアゲートの方ですが、「最大の魔女狩り」と相変わらず言っているし、今度はジュニアの方が、CNNを撃墜する、「トップガン」もどきの映像をアップした、とか。あんなことばかりやっていますが、現実的にはいま、トランプさんはどんな立場なのですか?

高橋)トランプ・ジュニアがクレムリンに非常に近いロシア人の弁護士と会った、というのが事実で、なぜ会ったのかというと、「ヒラリー・クリントンに、どうもロシアが絡んでいるようだ。そういう情報を、お前にやるよ」と言って、「それはいいね!」と言って会いに行った。
ですから、ロシアが大統領選挙に絡んでいるのは明らかなのに、それに乗ってしまった、と。

高嶋)ジュニアが会った女性ロシア弁護士というのは、なかなかのやり手なのでしょう?

高橋)そうですね。実はワシントンで、ロシアの有力者のためにロビー活動をしていて。本人は「ロシア政府とは何の関係もない」としゃあしゃあとウソを言っているところが、なかなか大物ですね。

高嶋)だから、トランプさん側が言っている、「いや、会ったことはあったが、何もなかった。中身は空っぽだった」というのは、ウソも方便、ということなのでしょうか?

高橋)空っぽだったのかもしれませんが、「ロシアがそういう情報を提供するのが分かっていて会ったというのは、アメリカの法に触れるのではないか?」という議論がかなり有力ですね。

 
支持者に絞ったキャンペーンを展開している

高嶋)これは、終局的にはどういう風なことで収まっていくのですか?

高橋)収まらないかもしれませんね。法的なトランプ・ジュニアに対する追及があるかもしれないし、一番の問題はトランプ大統領自身がそれを知っていたかどうかで、「俺は聞いていない」と言っているし、ジュニアも「伝えていない」と言っているのですが、まあ、それを額面通りに受け取る人は少ないと思いますね。

高嶋)ということは、ますます窮地というのは間違いない。

高橋)そうですね。それで、パリに行きたいでしょうね、いま。

高嶋)いまは支持率が30%を割ったとか。

高橋)そうですね。ただ、アメリカ人全体で見れば低いのですが、トランプさんに投票した人の大半は、まだトランプさんを支持している。ですからトランプさんにしてみれば、自分にどうせ投票しない人たちは別に良いわけで、自分に投票した人は、また次の大統領選で投票してくれる、というのが、彼のキャンペーンですね。

高嶋)相変わらず、そこにすがっているわけですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

Page top