「働き方改革法案」審議~野党は“出席せずに17連休”

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5/1 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!⑤

メーデーを迎え、改めて問われる働き方改革法案の審議の行方
7:44~ココだけニュース スクープUP!:コメンテーター有本香(ジャーナリスト)

第89回 メーデー 中央大会

【第89回メーデー中央大会】式典に多くの参加者が集まった=2018年4月28日午前、東京都渋谷区の代々木公園 写真提供:産経新聞社

連合主催のメーデー中央大会が開催

先週の土曜日、労働組合の中央組織(連合)主催の第89回メーデー中央大会が代々木公園で開かれた。主催者の発表では4万人が参加し、働く者のための働き方改革をスローガンに長時間労働の是正などを訴えた。また今日は全国労働組合総連合主催の第89回中央メーデーが代々木公園で開かれる。

飯田)働き方改革、法案が出されましたけれども、この連合であるとか組合系の支持をする野党議員は出席せずということで。

有本)やっぱり審議をしないというのはね。ご自分たちの働き方だけ楽にしてどうするんだという感じですものね。

飯田)数えてみたら相当長い連休を取られているという。

有本)十何連休という風に随分言われているし、日本維新の会を除く野党議員が地元に帰ると、有権者や支持者から「働いていないんじゃないの」と言われるみたいですね。過去にも審議拒否というのはありましたし、無論自民党が野党のときも、国会の古くからの戦術の1つとしてあるわけです。ただ今回のことは目に余るところがあるし、前代未聞な事態もありますね。例えばこの厚生労働委員会で、一方で生活困窮者の為の法改正が議題になっていたのだけれども、これに対して立憲民主党の議員の方を中心に対案を出したのですよね。対案を出したということは、それに対して質疑がされるわけでしょう。ですから野党側が質疑を受けるということで、質問通告もされていた。にも関わらず、立法した議員がいなくなってしまった。

飯田)それって内閣提出の法案で大臣が来ないのと同じことですよね。

有本)そういうことです。これは前代未聞の事態で、なにをしていたかというと国会の外に出てMe Too運動をやっていたと。勿論Me Tooというムーブメントが大事じゃないとは言いませんし、セクハラがあって良いということではありませんけれども、それも含めて働き方のために国会議員が自分たちの職場で働かないとね。こういうことが露呈してしまったので、野党側が「働き方改革」じゃなくて「働かせ方改革だ」と言っても説得力が無くなってしまっている。働いている人みんなに関係があることなのに、真面目にやってよということになりますね。

「働き方改革法案」審議~野党は“出席せずに17連休”

野党の合同ヒアリング~官僚に負担

飯田)野党は一方で委員会には出ないのですが、合同ヒアリングという形で役人の方々を呼んで話を聞くということをしています。これは官僚の方からすると委員会対応と2パターンやらなきゃいけないってことでしょう?

有本)凄い負担ですよ。

飯田)もの凄い負担のようですね、これは。

有本)だから働き方改革を逆行しているわけですね。

飯田)で、どこどこは局長来たのに来ていないじゃないかと糾弾してね。

有本)要するに建て付けに対して文句を言うところから始まるわけじゃないですか。中身の問題じゃないですよね。だから委員会をやってよという話だと思いますし、それからあのヒアリングがきちんと記録が残されていないんですか? だとしたらあの場での言いっぱなし、一種のパフォーマンス。こういうことだったら本当に時間と働く方々のエネルギーの無駄になります。

飯田)彼らが一応国政調査権を行使しているっていうことになるので、官僚の皆さんもここを真摯に対応するということで。

有本)偉いのですけどね。国政調査権というのは議員だけに与えられた権限ですからね。もっと本当に国政調査権を行使して調べていかなきゃいけないようなことを調べるべきであって、あの程度のパフォーマンスだったら議場でやりましょうよという話にしかならないのですけれどね。

飯田)あまり行き過ぎるとそれこそ権力乱用ということになりますよね。

有本)議員側の官僚いじめだという風になりかねないですね。今回働き方改革と俗称される問題、例えば高度プロフェッショナル制度ですが、こういうことの是非というのがなかなか巷でも議論が盛り上がらないじゃないですか。国会でもっとやらないと巷での議論も盛り上がりようがないですよね。

「働き方改革法案」審議~野党は“出席せずに17連休”

高度プロフェッショナル制度~年収1,075万円は重要なターゲットではない

飯田)本来であれば、労働組合をバックにした方々が積極的に議論にね……法案提出の前の段階では連合もなかに入って法案の組み立てもやったりしていましたよね。

有本)そこが加味されているわけではないですよね。だけどちょっと方向が違ったと連合側は言っていて、先週土曜日のメーデーの中央大会に加藤厚生労働大臣は出られて、皆さんと同じ方向だよということは言っているのですけれどね。

飯田)問題となっている高度プロフェッショナル制度ですけれども、基本的に年収1,075万円以上を想定という人たちでありながら役職についていない人に関しては残業代が深夜、休日手当てが支払われない。基本的にこのくらいの年収の人って管理職だからあんまりサラリーマンの感覚としてはね。

有本)働き方改革の一番重要なターゲットではないですよね。

飯田)連合とか労働組合が言うのは、これがそのうち収入の縛りがなくなっていくんじゃないかと。

有本)どんどんそうなって縛りもなくなり、実際には賃金に反映されないような事実上の時間外労働が増えていくのではないかと言われていますけど、そこをきちっと線を引くというのも大事ですし、一応今回そうは言うものの残業時間の上限というのは定めたじゃないですか。与党側は1つの成果と言っているわけですけれども、確かに日本人全体の労働観というものがあり、国際社会全体でそういうことが議論されているのは先進国だけです。例えばヨーロッパなんかと比べると日本人は本当に働きすぎということはある、セクハラも働く環境に関わる問題でもある。こういうことを多角的に真剣に議論していくべきです。特に労働組合が後ろについている党派だからということではなくて、働くということは殆どの日本国民にとって避けて通れないことですから。そういうことが真剣に議論できる議員を私たちも送り出さなくてはいけないわけですよね。

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