裁量労働断念~問題の根幹は官僚の忖度体質にある!?

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3/1(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

働き方改革関連法案から裁量労働制拡大関連部分を削除
7:17~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

安倍総理「国民に疑念を抱かせた」~目玉法案を除外

安倍総理大臣は加藤厚生労働大臣らに働き方改革関連法案から裁量労働制の対象拡大に関する部分を切り離すよう指示した。安倍総理が掲げる目玉法案だったが、骨格部分が切り離されることで政権への大きな打撃となるのは避けられない情勢。

今の国会の目玉法案の働き方改革関連法案、その改正の柱のひとつが裁量労働制の対象拡大だったのですが、これを除外するということになりました。

そもそもこの目玉法案の働き方改革関連法案というのは、労働基準法・労働者派遣法・労働安全衛生法など8本の法律の改正案で構成されていまして、その柱のひとつにこの裁量労働制、予め決められた時間を働いたとみなすこの制度を一部営業職などにも拡大しようということだったのですが、厚生労働省の不適切データの問題などもありまして、安倍総理大臣は昨夜加藤厚生労働大臣らと会談して「国民に疑念を抱かせた」ということでこの裁量労働制拡大の部分を切り離すということを指示しました。

今日未明に官邸で記者団の取材に応じまして、安倍総理は「裁量労働制については全面削除するよう指示をした。厚生労働省で実態を把握した上で議論し直すことにする」と述べています。

一方で時間外労働の罰則付き上限規制であるとか非正規・正規の格差を埋める為の同一労働同一賃金の導入、それから一部専門職を労働時間の規制の対象から外す高度プロフェッショナル制度、この3つの柱についてはそのまま提出したいと。この国会で働き方改革関連法案として成立させたいと述べています。

元々この裁量労働制の拡大というのは経済界の要請でして、官製春闘とも呼ばれる賃上げなどで協力を得て来た一方でこの裁量労働制を断念するというのはあり得ないという強硬論が大勢だったのですが、どうも一昨日の夕方、官邸が裁量労働制を全面削除するという方針を厚生労働省側に通告したということで、ある政府高官は「問題の根幹は厚生労働省の体質だ。当事者意識が無さ過ぎる」と激怒していたということなのですね。

官僚の忖度体質~小学校の時から怒られたことがない

高嶋)佐藤さん、素朴に考えて何であんないい加減なデータを平気で出して来るのだろうという、それが分からない。

佐藤)それは官僚の忖度文化がこの第2次安倍政権で強まっているということなのですよ。それからもっと構造的に言うと、官僚の文化は教育ととても関係しているのですが、小学校のときから怒られたことがほとんど無くて、いつも褒められている子ばかりで成り立っているのですよ。

高嶋)キャリア官僚なんか特にそうですね。

佐藤)キャリアもノンキャリアもそうです。だから基本的に“良い子”の集団になっているわけですね。つまり怒られること、怒鳴られること、それから評価されないことに対して恐ろしく臆病なのです。だから自然と人が喜びそうなことを忖度してそういう話だけど持って行くという感じになるわけですね。
だから数字でも担当官は係長が喜ぶようなものを持って行って、係長は筆頭課長補佐が喜ぶものを持って行って、筆頭課長補佐は課長が、課長は局長が、局長は次官が、次官は大臣が……と、こういう形で情報が官邸に上がっていくという、その集積なのです。

高嶋)でもそんなことをやったって、最後のトップのトップである安倍さんがあれだけ国会で恥をかいていたら身も蓋も無いじゃないですか。

佐藤)身も蓋も無いのですが、日々の中では怒られるのがものすごく嫌いだという、この文化から出ているのですね。怒られるのが嫌い、褒められるのが好きと。
だから怒られない為にはどうすれば良いか。本当の数字を持って怒られるということだったら、嘘にならない範囲で「ああ見落としちゃいました。こっちの数字がありました」くらいだったら良いのだということも集積なのですよ。だから根っこから信用できないです。

高嶋)日本の教育の根本問題じゃないですか。

佐藤)そうです。だからもう1回幼稚園からやり直さないと多分あの人たちの体質は変わらないと思いますよ。これはやはり改革するには20年掛かると、こういう話です。

高嶋)佐藤さんが言うには、官僚は“褒める”か“うんと褒める”かのどちらかしかないと。

佐藤)そうです。怒るのをやったら駄目なのです。少し上に投げるのです。

高嶋)なんだか不思議な集団ですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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