中止も含めあらゆる可能性のある米朝首脳会談

By -  公開:  更新:

5/23FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!②

トランプ大統領、米朝首脳会談の中止・延期の可能性に言及
7:10~お早う!ニュースネットワーク その1:コメンテーター高橋洋一(数量政策学者)

中止も含めあらゆる可能性のある米朝首脳会談

サラ・ハッカビー・サンダース報道官は、米国ワシントンDCのホワイトハウスで、毎日のプレスブリーフィング中にメディアからの質問に答えている。2018年5月17日= EPA / SHAWN THEW 写真提供:時事通信

外交は確立の問題

アメリカのトランプ大統領と韓国の文在寅大統領が日本時間今日未明に首脳会談を行い、その冒頭でトランプ大統領が米朝首脳会談の中止や延期の可能性について言及した。
トランプ大統領は「会談が開催されれば素晴らしいものになるが、開催されなくても構わない」と述べている。

飯田)その後、サラ・ハッカビー・サンダース報道官がプレスブリーフィングしている模様がCNNの生中継で放送されていましたが、ホワイトハウスとしては、準備は行い続けると言っていました。

高橋)それはそうでしょう。ただいつでもキャンセルということはあり得ますよ。要するに確率の問題です。必ずやるとかやらないとか、そういう話ではなくて、交渉なんです。北朝鮮の方から止めるかもしれないという話をすれば、アメリカだって条件が整えばっていう話になってくるに決まっています。最後の最後までこういう話は出てくるでしょうし、ドタキャンだってあり得ます。外交というのはこういうもので、いつでも確率はあって、それが大きくなるか小さくなるかという話で、これは交渉次第です。

飯田)水面下での交渉がある意味胸突き八丁まできたから、こんな話が出てきたと?

高橋)開催するかどうかギリギリになっているのかもしれなし、ブラフをやり続けているのかもしれない。もしキャンセルになるとどうなるかというと、軍事オプションの確率が高くなるんです。ペンス副大統領が軍事オプションについて検討対象から外していないとはっきり言ってるでしょ。軍事オプションがあるから会談しようという話になったわけで、なければ会談をやろうという話も出てこなかったはずです。

飯田)常にすべての選択肢がテーブルにある。

高橋)ありますよ。席を蹴るのもあるし、決裂する場合もある。それは話し合い。交渉というのはいつもそういうものです。

中止も含めあらゆる可能性のある米朝首脳会談

米朝首脳会談をシンガポールでやる理由

飯田)先週、アメリカの各メディアが3月には本当にトランプ大統領が軍事作戦の命令を出していたと報じていました。

高橋)去年から準備していたのだと思います。平昌オリンピックの時にはさすがにやらないでしょうけど、オリンピックが明けたらとか、いつもタイミングはあったわけです。逆に言うとそういうプレッシャーがあったから、年明けの段階で金正恩の方から話をしましょうと言い出したわけです。その結果、シンガポールという、金委員長にとってはアウェイみたいなところでやらざるを得なくなったわけです。

飯田)一時期、板門店でという話も出ていました。

高橋)シンガポールは北朝鮮から5,000キロ離れています。イリューシン62Mでは航続距離はギリギリでしょう。

飯田)金正恩氏の大統領専用機ですね。

高橋)中国の上を通って行かないと危ないでしょう。ひょっとしたら中国で給油を頼むかもしれない。あと輸送機が一緒に行く場合、何機か一緒に飛ぶんです。輸送機は航続距離が出ないと思いますから、どこかで一旦降りざるを得ないと思います。それは中国国内だと思います。でないと専用の車とか用意できないでしょ。大統領がひとりで旅行するわけではなくて、軍団で行くので、ロジスティックのことを考えるとシンガポールというのはギリギリの場所だったと思います。
これも交渉なんです。最初はアメリカに来いと言ったわけでしょ。そして来れないんだろ? と続けて。そうやってギリギリと交渉しているので、それが上手くいかなければ北朝鮮との話はポシャることもあります。
北朝鮮との交渉の難しさで思い出されるのが、小泉元総理が訪朝した時の事です。あの時だってテーブルを蹴って帰ってくるということだってあったんです。話が通じないなら、じゃぁ帰ろうと。

飯田)確か、あの時、盗聴されているのが分かっていて当時の安倍晋三官房副長官が「こんなもの、帰りましょう総理!」って。

高橋)わざと言うんです。盗聴されているというのは当たり前なんです。盗聴ならまだいいんです。毒殺されちゃうことまで考えるんです。可能性というとないとはいえない。

飯田)じゃぁ「総理、出されたお茶は飲んではいけませんよ」とか?

高橋)そういうことは必ず気を付けます。真剣勝負なんですよ。日米はそうじゃないけど、北朝鮮とは国交がないわけですから。金正恩だって南シナ海を飛んでいくとやられちゃったという可能性だってあるわけです。麻生さんが墜落したらどうのこうのって話をしたけど、そういうこともシナリオとしては考えておかなければいけないことなのです。あってはならないことですけど、そこは外交。国際社会ではリアルにいろんなことがあるのです。

飯田)なんといっても朝鮮戦争は休戦しているだけで未だに戦争状態だというのも、建前上あるわけですものね。

高橋)工作員が整備をやれば、飛行機が落っこちちゃうことだってありうる。そういうところまで考えているのが外交では普通なんです。

飯田)北朝鮮としても、そういうリスクをとってシンガポールで米朝首脳会談をするとしたのでしょうね。

高橋)シンガポールがギリギリだと思います。アメリカの大統領だって海外に行く時はいつも飛行機2機で飛んで、どっちに乗っているか分かんないようにしています。そういうリスクはいつもあるわけで、車の移動にしてもビーストと呼ばれるアメリカ大統領専用車なんですけど、どこに大統領が乗っているか分からないようにするためのダミーも走らせる。それが当たり前なんです。日本のように普通の観光だと思っちゃいけない。いつでも何があるかわからない。トランプ大統領としては席を蹴るとか開催しないというオプションもあると思いますよ。

会談が始まらなければわからない、核放棄とその検証内容

飯田)核放棄の仕方、その検証の仕方であるとか、それが朝鮮半島なのか、北朝鮮の非核化なのか。そこもふたを開けてみないことには分からないということでしょうか?

高橋)わからないでしょう。普通だったら外交の下交渉があって、あとはトップのサインだけということになるのでしょうけど、今回はそうじゃない。本当にトップ同士のガチンコになっちゃうから、一度の会談で全部は詰めきれないと思います。そうするとそこで一旦やめて、また続きをやるのか、いろいろな可能性が出てきます。2~3回やってダメだったら、もう続きはやらないという選択肢だってあると思います。

飯田)相手方の金正恩委員長はトップダウンですけど、トランプ大統領の方もどちらかというとトップダウンで決める外交をやる形になるのでしょうか?

高橋)もちろんそうですね。だから話が上手くいきそうになっているわけです。それでも上手くいかないと判断したら、やめることもオプションの中のひとつですから、冷静に判断すると思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

番組情報

飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

番組HP

忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。

Page top