日本メディアが書かないエルドアン大統領の国民の評価

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政治 日・トルコ首脳会談 エルドアン大統領  提供産経新聞

「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月25日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。トルコ大統領選を中心に、トルコの現在の状況について解説した。

トルコ大統領選挙~エルドアン大統領が勝利

トルコの大統領選と総選挙の投票が昨日行われ、15年にわたり国政を率いるエルドアン大統領が、他の5人の候補を破り、得票率過半数を超え、当選確実となった。2年前はクーデター未遂事件もあり、野党党首や新聞社幹部などが相次いで拘束されたりしているが、強権的な大統領に関して、再び国民は信任した形になっている。

飯田)「強権的」と西側メディアでは言われていますが、一方でかなり福祉的な政策をやったのは、首相時代から、このエルドアン大統領です。「それまでの政権とは違う部分だ」とする指摘もあります。

須田)ここ最近のトルコの動きをみていると、トルコ国内の動きは、以前に「世界的な潮流がグローバリズムからローカリズムへシフトしつつある」と話をしました。トルコの最近の件も、それの1つに位置づけられると思います。
私は何度かトルコで取材しましたが、かつてトルコはEU加盟を目標に、国内体制を整えていく方向に動いていました。実はトルコ国民は、EU加盟に否定的な人たちが多かったのです。
理由は、たとえばトルコは農業大国ですが、そのままEU加盟すると、フランスなど他のEUの農業国が大被害を受けるので、トルコに対して枷をはめようとする。道路に関しても、トルコの道路はけっこう狭いのですが、「EU型の高規格にしなさい」となり、道路工事をさせられ、財政負担も大きかった。トルコ国民には、「EU加盟は本当にいいのか?」となっていました。
EU加盟をチラつかせ、トルコに対して相当な民主化を求めてきて、エルドアンに対して、プレッシャーをかけてきた。それにキレて、という側面もありますが、結果的にEU加盟を諦め、こっちへシフトしてきた。そういう流れなのです。すると、いくら強権的とはいえ、そういう空気があったので、国民も比較的支持している状況にあるのです。

飯田)「広い道路造るより、俺たちに給付金をくれ」とか、福祉方面ですね。そうすると、「エルドアン、分かってるじゃないか!」となる。

須田)そういう流れがあるので、西側というか、日本メディアの取り上げ方は「独裁だ!」みたいな空気ですよね。そうではなく、国内ではかなりの支持があると考えてもらっていいと思います。

今後の焦点となるクルド人勢力

飯田)中東の専門家の方に聞くと、「昔の田中角栄さんに近いところがある」と表現する方もいますね。いろいろ、地元にお金を使うような。
でも、この形で、トルコという国は、中東で独特のポジションがありますよね。最近は「ちょっとサウジと仲が悪いのでは」とか、「シリア情勢を巡ってロシアと関係があるのでは」とか、いろいろ言われます。

須田)西側とのしがらみから解放されたので、フリーハンドで動ける状況になった。くわえて、中東問題というのは、シリアを挟んで、サウジ対イランの問題ですよね。もちろんシリアにはクルド人問題を中心に、トルコに大きな影響を及ぼしている。だから、トルコというプレイヤーがどう動くか。しかも、今回の総選挙結果により、クルド人の代表する政党が、得票率10%を超え、議会に議席を確保できた。この辺が微妙な影響を与えて、影を落とすのでは、と思います。

飯田)これをますます押さえつけるのか? ただ、エルドアンさんは少し前までクルド人とも良好だった時期がありますよね。その辺がどう出るか分かりませんね。

須田)分離独立傾向を強める、つまりシリアとかイラクでクルド人地域があり、そこが国内の混乱に乗じて、独立的な傾向を強めた。それについて、「乗ることはできない」と。ようするに、他国への対峙というところでクルド人勢力がトルコのためになるならいいけど、そこがまとまって独立するのは、トルコとしては絶対に容認できない。そういうスタンスですね。

 

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