ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」（7月26日放送）にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。安倍総理と石破元幹事長の一騎打ちの様相を呈してきた総裁選。自民党の総裁選の在り方と不出馬を表明した岸田文雄氏について解説した。

岸田派内部でも意見が割れていた岸田氏の出馬問題

自民党総裁選は安倍総理大臣と石破茂元幹事長の事実上の一騎打ちとなるのか。安倍総理は昨日公務の合間を縫い、自民党の東京や神奈川などの地方議員との懇談会に出席。狙いは総裁選のカギとなる、地方票固めと見られている。

飯田）石破さんは精力的に地方を回っていて。これ「安倍と石破の一騎打ち」と言われてきました。

鈴木）岸田さんがどうするかでしたが、個人的には「出る」と言う人はみんな手を挙げ、政策論争をするべきだと思います。それが与党自民党の懐の深さだと思うのです。悪いことではないですが、官邸主導、与党が大人しかった。そのなかで安倍さんがやってきたことの検証は必要だし、安倍さんにとってライバルがいることも必要ですよね。ライバルがいるから、強くなっていくわけですから。そういう意味でもこの総裁選はチャンスだから、出るべき人は、自分の政権構想を持っている人はみんな手を挙げて、出てやるべき、というのが僕の考えです。だからそういう意味では岸田さんは出るべきでした。
ただ、一方で出るからには勝たなければいけない。岸田派の宏池会は伝統の保守派閥と言われていますが、このなかの人と話をしたら、「宏池会の名前を掲げている以上、出るからには勝たなければ」と。「その名に恥じるではないですが、そこが岸田さんの重荷になっている」と解説する人がいる一方で、特に岸田派の若手に多かったのですが、「ここで安倍さんに協力しても、安倍さんが譲ってくれるという話も聞こえるけど、一寸先どうなるか分からない。もし安倍さんが勝って、2021年になったら、世代交代論が出てくる。いま人気のある小泉進次郎や河野太郎とか、次の時代の総裁選になると、岸田さんはもういいよ、となる可能性がある。安倍さんが勝っても、政権の途中に何かあったら、去っていくトップが後継者指名はなかなかできない。だから、禅譲とか考えず、かつての自民党総裁選のように名乗りを上げて戦うべきなのに」という意見もある。だから、同じ岸田派にも両方意見があるわけです。

自民党の代表は総理大臣になるのだからプライドを見せる総裁選をするべき

飯田）ベテランの方々は加藤の乱の後に干された苦い経験があるから、なかなか出たくないというのがあったわけですか？

鈴木）結局、綺麗事ではないのです。やはり戦えばね。自民党総裁選挙は公な選挙ではないから、乱暴な言い方をすると「何をやってもおかしくない」のです。

飯田）古い話ですけど、ニッカ（2派閥から金をもらう）、サントリー（3派閥から金をもらう）、オールドパー(多くの派閥から金をもらい、結局誰に投票したか不明)とか。

鈴木）そうそう。お金が飛んでいるとか、いろいろね。何でもありだし、戦いだから。「絶対潰してやるんだ」と。特に安倍さんはいま、「一騎打ちになれば潰すんだ！」みたいなことを周囲に言っているという話もありますが、一方で与党ですから。単なる自民党個人の団体のリーダーではなく、イコール総理大臣です。何でもありとはいえ、それなりの矜持、プライドを見せる総裁選にしてほしいですね。一騎打ちになる可能性もあります。まだ野田さんも世論や推薦人次第では分かりませんからね。

飯田）野田さんに関してはメールをいただいています。横浜西区にお住まいの69歳女性の方から。「野田さんに頑張ってほしいと思います。同じ女性として応援しています」と。まったく切り口の違う論点が、野田さんによって出てくるかもしれない。

鈴木）女性総理というのは、あってもいいと思います。自民党のなかで、野田さんだけでなくたくさんいる女性議員の方も、黙っていないで声を上げてもいいと思います。そういう総裁選になってほしいですね。でも、いまのところ一騎打ちの雰囲気になってしまっている感じですね。

飯田浩司のOK! Cozy up！
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