トルコ、エルドアン大統領がアメリカの電化製品のボイコットを表明

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月15日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。トルコとアメリカの関係について解説した。

アメリカの電化製品をボイコットを発表

トルコのエルドアン大統領は昨日、アメリカの電化製品をボイコットすると発表した。エルドアン大統領はリラ急落をアメリカが後押ししていると指摘し、敵対姿勢を一段と強めている。

飯田)一昨日は、このリラ安の影響もあって日経平均が下がったのですが、昨日は、日経平均終値が前日よりも498円あまり高い22,356円8銭ということで、ダウも上がったようですので、とりあえず世界の連鎖株安というのは、歯止めがかかっているわけですけれども。トルコリラに関しては、対策をトルコ政府も打っていないということもあって、トルコリラ安先行き不安定と言われていますが、どうですかこれは?

高橋)まずトルコってどういう国かって言うことなんですけどね、マクロの経済指標を見ると、インフレ率がもの凄く高いんですよね。でも、トルコって実はインフレ目標国で、インフレ目標が5パーセントプラスマイナス2なんですけど、いつも10パーセントのインフレなんですよ。そのくらい実は金融緩和している国なんですね。金融緩和しているから、実はトルコリラの量がけっこう大きくなって、かなり恒常的にリラ安なんです。それはそれで、今まではそれでよかったんですけれども、それで計算すると1ドル3~4リラくらいが多分普通のレートなんですよ。でも今7リラくらいでしょう。だからその分だけ実はちょっと政治的な要因で動いているように見えますね。

政治的にリラ安がオーバーシュートしている

高橋)だから経済的な要因で言うと、もう恒常的なリラ安は当たり前なんだけれど、それより更にオーバーシュートしていて、特に、去年あたりからそれが激しく動いてますね。それは多分、一昨年のクーデターのとき以来なんですよ。それ以降はちょっと政治的な話になっていて、そういうような地合いがある中で、今回トランプとの間で何となくもめてるって感じでしょう? クーデターのときの米軍、アメリカ人牧師の話ということなんですけど、それがずっと今まで燻っていたんですけど、ようやく顕在化してきて、それによって政治的にリラ安がオーバーシュートしていると、そういう風に見ていますね。

飯田)ということは、その政治的な要因が取り除かれない限りは最終的には落ち着かない。

高橋)そうですね。それが1ドル2リラくらいだから、3割から4割くらいがちょっとオーバーシューティングしている感じはしますね。それが取り除かれない限りは、ますますこのエルドアンとトランプの個人的なこともあり、深みにはまっているという感じはしますね。

飯田)いまは何か売り言葉に買い言葉みたいな感じになっていますもんね。

高橋)そうですね。でも、エルドアンの方が大体負けるんですよね。貿易量を考えたときに、アメリカのトルコへの輸出なんて殆どないわけで、アメリカがトルコに対して投資も殆どないので、これはもうアメリカは安心してエルドアンと戦える、というように思えますね。だからエルドアンの方がどこかで降りないと不利ですね、トルコの方が。

飯田)どこかが仲介するわけでも無く。

高橋)でもロシアかどこかがやるかもしれないしね。あまり良くはないんですけど、それは。だからエルドアンの方がやはり降りて、NATO国ですから。どこかで降りた方がいいと思いますけどね。だからほどほどに牧師の話については、そこそこにやるとかね。そうすれば多分終わるんですけど。

飯田)その辺りも、中間選挙位まではまだまだ言っておいてと。

高橋)それはそうでしょう。トランプの支持母体の方々が牧師の方と繋がっているというか、同じ考えの人ですからね。だからそこを何とかしてくれという話なので、本当はそういう意味では貿易問題ではないんです。政治問題なんですよね。その話が貿易問題まで及んでいるから、リラの方が安くなり過ぎているというところだと思いますよ。

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