米中貿易戦争~中国に勝ち目がないいくつかの理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月24日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。米中の貿易戦争について解説した。

アメリカと中国が互いに追加関税を発動

トランプ政権は23日、中国がアメリカ企業の技術を不当に手に入れて知的財産権を侵害しているとして、中国からの160億ドル(およそ1兆8,000億円相当)の輸入品に25%の関税を上乗せする第2弾の制裁措置を発動した。一方、中国も即座に同じ規模の報復関税で対抗している。

飯田)これを日本のメディアは「貿易戦争」と経済の部分でスポットを当てているのですが、宮家さんは常々「それだけじゃない」とおっしゃっていますね。

宮家)過去10年くらいの間に中国が国として非常に台頭してくるなかで、アメリカの技術的な優位、軍事的な優位、政治的な優位が揺らいでいる。アメリカのエリートも、昔は中国と仲良くしなければならないと言う人もいたのだけれど、いまはほとんどいなくなってしまったのですよ。
情報機関が何と言っているかというと、口をそろえて「中国はアメリカの世界的な指導力に対して、それに挑戦をし、代替しようとしている」と。昔は「日米貿易摩擦」と言いましたが、これは「戦争」です。私に言わせれば「米中コールドスターウォーズ」です。『スターウォーズ』はエピソードが9くらいまであるでしょう。米中の貿易戦争はエピソード2なのです。エピソード1は北朝鮮です。エピソードがこれから続くのですよ。

米中の争い~エピソード3以降、どうなっていくのか

宮家)貿易だけの問題ではなくて、この後どうなるかという話ですよね。アメリカの新聞だったかな、とにかくマーケットが決めるのだと。もちろんお金が儲からなければ意味が無いですから、マーケットが冷静に見ている。株が下がって元が下がっているところを見ると、どうも中国が劣勢の雰囲気になっているわけです。中国がどんなに頑張っても、トランプさんのやり方は無茶苦茶ですから、あれで受けて立たないわけにはいかない。あそこまで面子を潰されたら引き下がるわけにはいかない。

飯田)面子の国ですからね。

宮家)だけどアメリカはいま景気も良いし、トランプさんだってアメリカ人が予測できない人ですから。それをまともに受けているでしょう。そして主戦論ばかりなのですよ。習近平さんへの批判も出てくる可能性があるから、気をつけてくださいね、マーケットが決めますよということです。

飯田)中国としても、どこを落としどころにするのかという話ですね。

宮家)早く落としどころを決めて動き始めた方が良いですが、今回のことを見ていると、難しそうですね。

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