現在の米朝関係は世界に核拡散を招くことになる
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月11日放送)に青山繁晴(自由民主党・参議院議員)が出演。2回目の米朝首脳会談について解説した。
2回目の米朝会談は中間選挙後とトランプ大統領が見通し
アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との2回目の首脳会談について、11月6日投開票の中間選挙後になるとの見通しを示した。開催場所については6月に最初の首脳会談が開かれたシンガポール以外の、3~4カ所に絞り込まれていることを明らかにしている。
飯田)韓国の一部メディアは日本がアメリカに対して立候補しているという報道もありますが。
青山)違います。韓国の一部新聞が書いていますが、菅官房長官も明確に否定なさっています。日本はそういう安直な方向に流れているわけでは決してありませんが、状況が厳しいのは事実です。北朝鮮を巡る情勢は日本と世界にとってどんどん悪くなっています。日々悪くなっていると言わざるを得ない。
1つにはアメリカと北朝鮮の話し合いが、前から申し上げている通り、アメリカに届く核さえ持たなければ一旦それでよしとする方向に流れていること。これは日本だけでなくアメリカ以外の国にとってもまことに深刻な事態です。北朝鮮はすでに核を持っていて、しかも日本に届く弾道ミサイルに乗せられる核を持っていることは確実です。
飯田)それも1発2発ではなく。
核保有によってアメリカから対等に扱われる北朝鮮
青山)朝日新聞は20数発と書いていますが、もっと多いです。防衛省も公表しませんが、アメリカの情報部門も軍の見方もそうです。直接アメリカの軍部に行って確認しています。この状況がそのまま温存されるというのは、日朝関係にとって最悪だということだけではなく、世界に必ず核拡散を招きます。
6.12のシンガポール会談というのは核拡散を止めましょうと、少なくともそれが目的だったはずです。でもそれが北朝鮮の持っている程度の不安定な核でも、とにかく持てばアメリカという超大国が、北朝鮮というとても小さな破綻国家でも対等に扱ってくれることを世界に見せてしまった。
あれから4カ月経って、米軍の脅威がなければ北朝鮮はアメリカに対して何でも言いたいことが言える、という流れで来てしまっています。
これが突然暗転して軍事オプションという恐れもあって、それは北朝鮮もわかっているから、いわば三角関係を作っている。中国とアメリカとで北朝鮮を取り合うという構造で、北朝鮮はいま、非常に優位な立場になっています。
この状況は日本の国益を明らかに犯しつつある。このことを日本はアメリカに対して言わなくてはならない。それと同時に拉致被害者の救出という問題も、非常に苦しいことですが、それでも逆手にとって日本は北朝鮮に直接言うべきことを言う。逞しくなければいけない。ですが状況は本当に悪いです。
飯田)三角関係のなかで、韓国はどうかというと、どちらかと言えば中国や北朝鮮のサイドにいるのかなーと、いまや韓国と北朝鮮は一体のようにも思えます。
青山)北朝鮮サイドではなく、ほぼ一体。韓国の国民が選んだ大統領ですが、白頭山という、金一族を独裁者に押し上げるための作り話の場所で肩を寄せあって御参りしていました。
それが象徴するように、北朝鮮の独裁政治の正当化を図っているのが韓国の大統領という現実。文在寅大統領が選ばれるまでの長い間、北朝鮮が時間をかけて韓国国内に工作活動して浸透して行った結果です。これは僕の個人的見解ではなく、世界のインテリジェンスで違う見方をしているところがないのです。例えば北朝鮮とコミュニケーションのある、フランスの情報機関も同じ見方です。日本に対しても北朝鮮は工作活動を行っています。工作活動は一朝一夕に物事が変わるのではなく、逆に長いことかかってそれを許してしまうと、このような結果になるという証左です。
文在寅大統領の北朝鮮寄り政策は北の工作活動の結果
飯田)一部報道では、文在寅大統領は、正しいことだと思ってやり続けているということですが。
青山)そもそも韓国国内の支持率はまだまだ高いですから。
飯田)韓国にとっては、ここで戦火がなければ人は死なないということが大目標みたいなことになっている。
青山)そういう意味では、アメリカも韓国も自分がよければいいという方向に流れている。
日本は日本のことだけ心配するのではなく、世界全体を考えると、いまの米朝交渉、あるいは南北関係も含めておかしいということを、いま主張しなきゃ。安倍外交の最大の課題です。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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