黒木瞳と六角精児~「高校演劇出身者」の憂鬱
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、俳優の六角精児が出演。高校の演劇部在籍時の思い出について語った。
黒木)今週のゲストは俳優の六角精児さんです。
『無謀漫遊記 ―助さん格さんの俺たちに明日はない―』が終わったばかりですが、演出家の横内さんとは高校演劇部で一緒だったのですよね。横内さんがいらっしゃらなかったら、この世界には入らなかっただろうということですが。
六角)絶対に入っていないです。高校の演劇部にはいたのですが、そもそもそれほど演劇に興味を持っていませんでしたから。
黒木)ではなぜ演劇部に入ったのですか?
六角)キャスティングされなければ、幽霊部員みたいになれるでしょう。そんな生活をしたかったのです、存在の薄い。そしたらキャスティングされてしまって、演劇をやらなくてはいけなくなって、仕方なくやったものです。だから、最初はそれほど面白いと思わなかったですね。
黒木)以前にもお話いたしましたが、私も高校演劇出身です。しかも全国大会があって、私は九州大会までは行きましたが、全国大会には行けませんでした。悔しくてね。
六角)僕は全国大会まで横内に連れてってもらいました。そのときは九州の大分でした。別府温泉入りましたもん。
黒木)(笑)。全国大会に行かれたという話を聞いて、高校演劇部だったと言うのでびっくりして。急に親近感が湧きました。あの頃一緒に高校演劇をやっていたんだなって、まあ別々にですけれどもね。
六角)あの頃流行った色合いとかと、高校演劇でやることってあるじゃないですか。発声練習の「あ・え・い・う・え・お・あ・お」とか、アメンボとか。それは黒木さんが宝塚に入る前にやられたわけだね。
黒木)そうなんです。だから初舞台は高校演劇ですもん。久留米市民会館ですから。
六角)初舞台。
黒木)初舞台(笑)。
六角)僕は、相模原市の矢部公会堂というところが初舞台でした。
黒木)良いですね、相模原市。
六角)確かその辺だったのですけれど。そういう共通の話ができる人が役者さんの世界でも少ないですからね。
黒木)特に高校演劇はマニアックですからね。いまでも、みなさんやってらっしゃるのですよね、ときどき新聞で見ますけれども。
六角)演劇部が続く限り、あの学校のコンクールはあると思います。
黒木)1度観てみたいと思っています。やはり原点ですから。
六角)そうですよね。我々の原点が一体どんな形になっているのか、観てみたいですね。我々が昔やっていたのとは、まったく違うようなお芝居をしている可能性もありますものね。
黒木)暗かったですね、あの頃って。
六角)僕らの頃、先生がこれやれ、あれやれとか言うことが多かったわけですよ。そのときは横内が書いた創作をやっていたので、それが新しいということでコンクールで選ばれたのかもしれないですね。
黒木)今回の、舞台演出家の横内さんは高校の頃から書いて、演出をしていらしたのですか?
六角)そうです。その横内の1つ上で、木原実さんという方がいらっしゃるのですが、その方に連れて行かれた、つかこうへいさんのお芝居が本当に面白くて。それで書き始めたらしいです。
黒木)正に70年代の終わりから80年代の頭ですよね。
六角)その頃のお芝居を見て感動して、お芝居を書き始めた僕らの1つ上の先輩と、それについて行った俳優さんで扉座ができました。僕はつかさんってそんなに知らないので、そこからちょっと出遅れているのですが。だから僕の扉は、つか的にはまだ開いてません(笑)。
六角精児/俳優
■1962年6月24日生まれ。兵庫県出身。
■劇団善人会議(現・扉座)の旗揚げメンバー(1982年)。個性的なキャラクターで商業演劇から小劇場まで幅広く出演し、人気若手作家の舞台にも数多く出演。
■ドラマ「電車男」などで強いインパクトを残し、その後数々のドラマ・映画に出演。
2000年から続く人気ドラマ「相棒」シリーズではスピンオフ作品で初の映画主演も務めた。
■2018年11月4日~11日、紀伊国屋ホールで行われた劇団扉座『無謀漫遊記 ―助さん格さんの俺たちに明日はない―』に出演。
■プライベートでは、ギャンブルにのめり込み借金生活をしていたことや、離婚歴が3度あるが、現在は2度目の奥様と復縁し円満に暮らしている。
■熱心な「鉄道ファン」としても知られ、ご本人曰く「乗り鉄」「呑み鉄」。NHK・BSでは「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」という番組も放送。
■ほかにもアコースティック・ギターが好きで「六角精児バンド」として音楽活動も展開。
2014年にCD「石ころ人生」をリリース、ライブ活動も行っている。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳