おむすびに最も適した種類のお米は?

By -  公開:  更新:

お米ライターの柏木智帆が、黒木瞳がパーソナリティの番組「あさナビ」(ニッポン放送)に出演。目的別に選ぶお米の種類について語った。

おむすびに最も適した種類のお米は?
黒木)今週のゲストはお米ライターの柏木智帆さんです。
おむすびにした方がいいお米とか、チャーハンの方がいいお米とか、やはり種類によって違うのですか?

柏木)そうですね。おむすびも、「どのようなおむすびを目指すか」でまた変わって来ます。

黒木)どういうおむすびを目指すかですか。

柏木)私は食べたときに口のなかで粒がほろほろにほぐれていくおむすびが好きです。粒が潰れない、粒張りのいいお米ですね。

黒木)柔らかくない、ということですか?

柏木)柔らかくても粒がしっかり張っているお米です。最近だと、私は福島県民になりましたから、福島県で新しく出た品種『里山のつぶ』がけっこう大粒で、粒張りもあって、しっとりして美味しいと思っています。
おむすびは比較的いろいろな品種が合うから、いろいろ試していただければ、と思います。
でも、チャーハンはなかなか難しいと思います。日本のジャポニカ米は粘りがあって、くっついてしまいます。チャーハンはパラパラしたお米が合います。海外のインディカ米のほうが合うと思いますが、私は日本の田んぼの風景を守りたいこともあり、「ぜひ国産で食べて欲しい」と思います。
この前取材しましたが、コシヒカリでもパラパラチャーハンを作るお店があるのです。1度炊いたご飯のあら熱を取ってから冷蔵庫へ入れ、様子を見てパラパラにほぐしてから1晩置いて、チャーハンにする。そういうワザを持っているレストランの方に会ったときは、「また1つお米の可能性が広がったな!」と思いました。

黒木)よく来るご依頼の仕事はどのようなものですか?

柏木)「日本人にはなぜお米が必要か?」とか。

黒木)見解としては、なぜですか?

柏木)「栄養士の方に取材してください」という内容でしたが、ご飯食を進めている栄養士の方に取材して、歴史的背景や栄養的な面、それから「糖質制限食がブームになっていてご飯を食べない人が増えているけれど、チャーハンなどは別として、ご飯は油を使わなくてもクリーンな炭水化物として食べられる。だけど、パスタやパンはどうしても油が必要になるし、合わせるおかずも考えると、やはりどこかで油が入ってきてしまう。現代の食生活は脂質や砂糖を取りすぎているから、ご飯を食べることで、おかずの汁や飲み物、副食は主食によって決められる」という話を伺って、それを記事にしました。

黒木)「主食によって副食も決まる。トータルで考えたら、その方がヘルシー」ということですね。食べ過ぎはよくないけれど(笑)。そうした取材をして、やはり「お米はいいですよ」という記事を書かれるのですね?

柏木)そうですね。お米が大好きですから(笑)。お米農家さんに取材したり、お米についていろいろ調べると、お米はただの農産物ではない。季節行事にも必ず付くものですし、地形を作ったのもお米です。「お米は日本人にとって、ただ食べるだけのものではない」ということを知ってから、お米の魅力をもっと知りたくなり、いつの間にかハマっていました。

おむすびに最も適した種類のお米は?
柏木智帆/お米ライター

■元神奈川新聞記者。お米やお米文化を取材するうち、お米の魅力にハマり、米をつくるために8年勤めた新聞社を退職。
■千葉県の営農組合に転職し、無農薬栽培での米作りを開始。
自分で作った米を食べてもらうために、中古のワゴン車を購入してキッチンカーに改造。
東京と千葉でケータリングの「おむすび屋」を運営。
■2年間の米作りのあと、2014年・秋から田んぼを離れてフリーランスのライターに。
東京に拠点を移し、「お米を中心とした日本の食文化の再興」と「お米の消費アップ」をライフワークに活動。お米の魅力や可能性を追究し続けている。
■また嫁ぎ先は「つちや農園」。お米がメインの農家。ササシグレ、亀の尾がおすすめ。

ENEOSプレゼンツ あさナビ
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49

番組情報

黒木瞳のあさナビ

毎週月曜〜金曜 6:41 - 6:47

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

Page top