腕時計を製造・販売する「株式会社Knot」の代表取締役社長・遠藤弘満が、黒木瞳がパーソナリティの番組「あさナビ」（ニッポン放送）に出演。Knot（ノット）を立ち上げた理由を語った。

黒木）今週のゲストは国産の腕時計を製造・販売する、株式会社Knotの代表取締役社長、遠藤弘満さんです。
北欧の時計に目を付けたのは「きっと素晴らしいものを作っているだろう」と思ったからとのことですが、まずどうしたのですか？　

遠藤）世界中のメーカーはまず、すべてアメリカに1回集まるわけです。アメリカとのビジネスは長くやっていましたので、ブレーンがたくさんいました。彼らに、アメリカでこれから流行りそうな北欧の腕時計を紹介して欲しいと頼みました。私が始めたデンマークのブランドもアメリカにもオフィスを持っていました。アメリカ経由でビジネスをスタートしたのです。

黒木）そこから、ご自分で腕時計の製造・販売会社を立ち上げようと思われたきっかけは何だったのですか？

遠藤）大きな理由としては、いまお話しました北欧のブランドです。これが日本で結果を出しまして、2012年にデンマークの国王陛下から名誉勲章までいただきました。そのときにはもうデンマークのブランドは6つ、その他の北欧ブランドも2つ取引していました。北欧の時計ブランドはすべて私が日本の窓口として、日本及びアジアで展開をしていました。そんな実績が評価されて勲章までいただいたので、正直これで安泰じゃないかなと思っていました。しかし、そのわずか3ヶ月後に、10年来、ゼロから一緒に始めてきたデンマークのブランドが、一言の相談も無くある会社に、会社を売っちゃったのです。ということは親元が変わりますので、私はそのブランドの日本で扱う権利を、ある日突然失ってしまった。

黒木）一夜にして路頭に迷ってしまったということですか？　それも2012年、6年前に。そこから1年後にはKnotを立ち上げてらっしゃるのですね。

遠藤）1年半ぐらい。

黒木）この期間に自分でやろうと決められたのですか？

遠藤）北欧のビジネスをやっていたときから、この構想はありました。ただやはり輸入代理店がメインだったので、いま私がやっているKnotのビジネスというのは、それをある意味否定しかねないブランドコンセプトでした。その当時は両立させることは難しかったのです。しかし、北欧の腕時計の権利を失ってしまったので、一気にこっちへ行こうと。

黒木）そのときの気持ちを奮い立たせたものは何ですか？

遠藤）あまりにも10年という時間が長すぎましたね。当時、40歳手前でしたので、もう1回やるのであれば、10年間一生懸命やって、またその結果同じことになったら、そのときは50歳でそこからもう1度というのはきついだろうと思いました。
それであれば、時間は掛かるかもしれませんが、構築してきたものが絶対に無くならないことをしたいと思ったわけです。代理人としてやっている以上は、いつかまたそういうことがある。歴史は繰り返しますので、多くのファッションブランドもそうして来ました。
自分でブランドを立ち上げる。当時は、いろいろな時計屋さんや家電屋さんに商品を提供して売っていただいていました。たまたまメーカーを失いましたが、もう一方ではこちらの販売店さんの方を失っても、同じ現象はおきます。であれば、自分で作って自分で売る。時間は掛かるかもしれないけれど、最後のチャレンジとしてはこれしか無いだろうと思いました。

黒木）そこにチャレンジなさったということですね。見事成功なさっていま人気のブランドになっております。聞けば聞くほどすごいですね、波瀾万丈でいらして。

遠藤弘満／株式会社Knot代表取締役社長

■1974年･東京都生まれ。
■通信販売会社のバイヤーを経て輸入商社を設立。
北欧の時計ブランド「スカーゲン」の総代理店になるも「スカーゲン」が買収され、代理権を失うが、2014年に「株式会社Knot（ノット）」を設立。

■ノット製品の価格帯は腕時計本体で1万～2万円が中心。ベルトは5000円前後。
心臓部にあたるムーブメントは日本の大手腕時計メーカーの系列企業による日本製。
本体とベルトを自由に組み合わせ、自分好みにカスタムできるのが特徴。
■デザインから製造、販売までを一貫して手掛けるSPA（製造小売り）方式のため、大手と同様の製品をより安く売ることが可能に。（＊日本製腕時計が1～2万円程度で）
■また素材選びにも徹底的にこだわり、日本のものづくりの力を結集。
素材も組み合わせを楽しめるファッション性が高く評価されている。
■ネットでの購入が可能なのはもちろん、実店舗となるギャラリーショップも国内外で10店舗以上展開。
■創業4年目（平成29年11月期）の売上高は21億円に到達。

ENEOSプレゼンツ　あさナビ
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