「サラダより野菜スープ」83歳現役医師が実践する毎日の健康習慣

By -  公開:  更新:

83歳の現役医師で、『すごい野菜スープ』(飛鳥新社)の著者でもある天野惠子さんが、上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)に出演。75歳の時に経験した体の変化をきっかけに始めたという野菜スープ生活や、野菜をスープで摂るメリットについて語った。

「サラダより野菜スープ」83歳現役医師が実践する毎日の健康習慣

75歳で出会った野菜スープ

上柳:長い間、医療の世界では男性の体を中心にデータが集められ、その結果が女性にも当てはめられてきました。天野先生はそうした状況に疑問を投げかけ、女性外来や性差医療の先駆者として活動してこられました。

そんな天野先生が出版されたのが『すごい野菜スープ』です。先生が野菜スープに着目されたきっかけは何だったのでしょうか。

天野先生:75歳になった時です。まず、65歳を過ぎた頃に「認知機能が少し落ちてきたかな?」と感じることはありました。やはり年齢を重ねると、こういう変化は起こるんだなと思ったんです。

そして75歳になって後期高齢者になった時、今度は半年ほどで6キロ痩せてしまったんです。生活は何も変わっていないのに、ズボンがぶかぶかになるほどでした。

上柳:自覚症状はなかったんですか。

天野先生:まったくありません。それで国立がんセンターで詳しく調べてもらったんです。幸い、がんはありませんでした。ただ、「血糖値が少し高くなっています」「血圧も高めですね」と言われました。

どうしたものかと思って本屋へ行った時に出会ったのが、前田浩先生の『最強の野菜スープ』(マキノ出版)という本です。読んでみたら、「確かに納得できるな」と思ったんです。

例えば、野菜スープを与えたマウスと与えないマウスでは、野菜スープを与えたマウスの方が長生きする。

上柳:そういう実験をされていた?

天野先生:はい。そういうことも書いてありましたし、「動物はがんになるけれど、植物はがんにならないでしょう」という話もあったんです。植物はずっと紫外線に当たり続けているのに。

上柳:確かに、植物は紫外線を浴び続けていますよね。

天野先生:それは植物が自分自身で酸化を抑える機能を持っているからなんです。それを「ファイトケミカル」と呼ぶんですね。前田先生はそうした実験を繰り返していて、「がん予防にはこれが良いのではないか」と書かれていた。私はそれにすごく納得したんです。

それで、とにかく高血圧や糖尿病の予防を目指して、1日3回の野菜スープ生活をやってみようと思ったんです。

上柳:早速始めたんですね。

天野先生:はい。前田先生が提案されていた基本のレシピ、にんじん、かぼちゃ、玉ねぎ、キャベツのスープをずっと飲んでいました。

しばらく続けていたら、今度は高橋弘先生の本に出会ったんです。この先生も時期は違いますが、ハーバード大学でがんと免疫の研究をされていた方なんですね。

当時のアメリカでは疫学研究が盛んで、「どういう生活習慣の人ががんになりやすいのか」「どういう食べ物ががんを抑えるのか」という統計をたくさん取っていたんです。その結果、「野菜をたくさん食べている人は、がんになりにくい」という結論が出ていた。

そんな高橋先生は「がんも生活習慣病もアレルギーも、免疫力を高めることが大事だ」と書かれていたんですね。

上柳:免疫アップには野菜スープが良いと。

天野先生:そうです。

サラダより効率的な野菜スープの力

上柳:私も意識して生野菜はよく食べるんですが、それをあえて野菜スープにする理由を伺いたいです。

天野先生:とにかく私の知識は全部、前田先生の『最強の野菜スープ』から学んだものなんです。それを信じてやっているんですね。そこに「サラダより野菜スープのほうが抗酸化力は10倍から100倍も強い」と書いてあったんです。

上柳:つまり、体がサビないようにしてくれる、ということですよね。

天野先生:そうです。そのためには野菜スープがいい、と。

生の野菜をそのまま食べても、抗酸化物質であるファイトケミカルはわずかしか吸収できません。ファイトケミカルの多くは、野菜の細胞の中にあります。そして細胞は「セルロース」という食物繊維でできた頑丈な細胞壁に守られています。ファイトケミカルを取り出すには、その細胞壁を壊さなければならないんです。

上柳:なるほど。

天野先生:人間の体ではセルロースを消化できません。

上柳:胃液ではダメなんですね。

天野先生:はい。野菜を噛んだり、包丁で刻んだりしても、大半の細胞壁は壊れないんです。だから細胞の中の有効成分を十分に吸収できない。

では、野菜の有効成分を余すことなく取るにはどうするか? 前田先生は「野菜を加熱してスープとして取るのがベストだ」と書いているんです。

上柳:細胞壁を加熱によって壊して、中の栄養分を吸収できるようにするわけですね。

天野先生:その通りです。実験では、野菜の活性酸素を消去する働きは、生野菜をすりつぶしたものよりも、野菜を煮出したスープのほうが10倍から100倍強いことが明らかになっているんです。

上柳:だから野菜スープなんですね。

天野先生:そうなんです。それに野菜スープにはファイトケミカルだけでなく、ビタミン類やミネラル類など、野菜の有効成分が丸ごと溶け出しています。野菜スープを取ることで、サラダとは比較にならない強力な抗酸化力が得られるんです。

上柳:キャベツや玉ねぎ、にんじん、かぼちゃなどに含まれる栄養素が、加熱によって体に取り込みやすくなるということですね。

「サラダより野菜スープ」83歳現役医師が実践する毎日の健康習慣

「サラダより野菜スープ」83歳現役医師が実践する毎日の健康習慣

83歳現役医師が続ける朝食習慣

上柳:先生の朝食を拝見すると、かなりしっかり召し上がっていますよね。

野菜スープにはキャベツ、にんじん、かぼちゃ、玉ねぎ、リンゴなどが入っていて、30分ほど煮る。

天野先生:そうですね。

上柳:それだけではなく、らっきょう漬け、ミックスビーンズ、お赤飯、胡麻豆腐、ゆで卵、ブロッコリー、トマト。それにウナギの蒲焼きまで。

天野先生:はい。

上柳:さすがに一尾ではなく半分でしたけれど(笑)。朝からこれだけしっかり召し上がるんですね。

天野先生:実は80歳を過ぎて特に感じるんですが、午前中は元気なんです。頭もクリアなんですね。だから午前中にしっかりエネルギーを入れておく。そして、午後5時頃になると少し疲れてきて、「今日はもうこのくらいにしようかな」と思うようになるんです。そして、散歩に出たりして過ごします。

上柳:朝は何時に起きるんですか?

天野先生:4時半です。起きて、まずお風呂に入るんです。

上柳:1日に2回お風呂に入る、と本にも書かれていました。

天野先生:はい。朝は、寝ている間に硬くなった体をほぐすためです。お風呂に入ると体の痛みやこわばりが和らぐんですね。40〜41度くらいのぬるめのお湯に入ります。

夜の入浴は体をきれいにするためでもありますが、やはり、体を温める意味もあります。

上柳:体を温めることは大事なんですか。

天野先生:血流も良くなりますから、お風呂は大事です。

上柳:夜は早く休まれるんですか。

天野先生:21時には寝ています。夜はそれほど活動しませんから。夕食は軽めです。

インスリンの働きは昼前後が一番高いんです。だから私は、朝や昼にしっかり食べて、夜は軽めにしています。

上柳:朝しっかり食べて、夜は軽めにする。そこにも長年の経験からくる理由があるんですね。野菜スープの詳しいレシピや食べ方の工夫は、天野先生の『すごい野菜スープ』(飛鳥新社)に紹介されています。気になる方はぜひ手に取ってみてください。

「サラダより野菜スープ」83歳現役医師が実践する毎日の健康習慣

――野菜をたくさん食べた方が良いと分かっていても、毎日続けるのは意外と難しい。しかし、天野先生が勧める基本の野菜スープは、野菜をザクザク適当に切って水に入れ、20分ほど煮るだけ。特別な材料や調味料も必要なく、誰でも挑戦しやすい。健康のために何か始めたいと思っているなら、まずは野菜スープを一杯作るところから始めてみてはいかがだろうか。

「サラダより野菜スープ」83歳現役医師が実践する毎日の健康習慣

天野惠子先生と上柳昌彦アナウンサーの詳しいトーク内容は、「食は生きる力今朝も元気にいただきます」特設コーナーHP(https://www.1242.com/genki/index.html)から、いつでも聞くことが可能だ。

番組情報

食は生きる力 今朝も元気にいただきます

毎週月曜・金曜 5:25頃

番組HP

「上柳昌彦 あさぼらけ」内で放送中。“食”の重要性を再認識し、「食でつくる健康」を追求し、食が持つ意味を考え、人生を楽しむためのより良い「食べもの」や「食事」の在り方を毎月それらに関わるエキスパートの方をお招きしお話をお伺い致します。
食の研究会HP:https://food.fordays.jp/

Page top