「通信のため」から「純粋に音楽を楽しむため」のヘッドホンへ

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1880年頃、電話の交換台で働くオペレーターさんのためにヘッドホンが使われるようになりましたが、その後、フランスのエルネスト・ジュール・ピエール・メルカディエさんが、電話の受信機用としてイヤホンを開発して、1891年頃にアメリカで特許を取られました。

この当時、まだラジオの放送はありませんので、音楽を楽しむにはコンサートホールや教会に行って、生演奏を聴いていました。
そんななか、1895年にイギリスで『エレクトロフォン』という有線放送が誕生しました。
これはコンサートホールや劇場、教会などにマイクを設置して、そのマイクを通じて演奏された音楽が、電話線を伝わって自宅まで届く…というものです。それをヘッドホンのような形をした『レシーバー』で聴いて楽しむ…という仕組みでした。

1910年、アメリカのナサニエル・ボールドウィンさんが、2台のレシーバーをヘッドバンドに取り付けたものを考えました。これが現代のヘッドホンの原型となりました。
このヘッドホンに注目したのが、アメリカの海軍でした。激しい音がする戦場でも、音がかき消されずに指令を伝えることができるということで、実際に戦場で使ったそうです。

それまでは主に、通信のために使われていたヘッドホンでしたが、1958年、アメリカのジョン・コスさんが世界で初めてステレオヘッドホンを開発しました。まさに“純粋に音楽を楽しむためのヘッドホン”の誕生でした。

日本でヘッドホンが日常的になったのは、1979年(昭和54年)、ソニーの携帯用オーディオプレーヤー『ウォークマン』の誕生がキッカケです。

スズキ・ハッピーモーニング 鈴木杏樹のいってらっしゃい

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