あけの語りびと

「ねぷた」のリズムが息づくロックバンド!地元に根ざしたロックを響かす

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今回は、青森の黒石市を拠点に活動を続けるロックバンドをご紹介します。

結成25周年を迎えた「ホイドーズ」

結成25周年を迎えた「ホイドーズ」(写真提供:ホイドーズ)

それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

青森の中央部、「青森のへっちょ(へそ)」と呼ばれる黒石市で、「みそラーメンくろいし鉄満堂」を営む相馬大輔さん、49歳。相馬さんにはもう一つの顔があって、ロックバンド「ホイドーズ」のボーカルでリーダーの「鉄マン」さんです。

今年10年を迎える「みそラーメンくろいし鉄満堂」

今年10年を迎える「みそラーメンくろいし鉄満堂」(写真提供:ホイドーズ)

中学時代に、大人気だった聖飢魔IIに影響を受けて、バンドを結成。高校では70年代のフォークソングに傾倒し、泉谷しげるさんにハマります。「オレ、高校の文化祭ではスターだったですよ!」と笑う鉄マンさん。高校卒業後、就職氷河期で働き口が見つからず、「だったら東京で一旗あげるか!」と上京し、新宿のガード下や中野ブロードウェイでストリートライブを続けます。昼間はラーメン店でバイト、夜中は路上ライブ。そうしているうちに、一人、二人、三人と音楽仲間が増え、「バンドやらねえか!」となって、2000年に『ホイドーズ』を結成。

2005年にはヤマハ主催の『東京バンドサミット』に出場し、優勝!日本代表として、シンガポールで開かれたアジア大会にも出場します。「これでプロになって、メジャーデビューだ!」意気揚々と帰国しますが、オファーはゼロ。いつもの、バイト→練習→ライブの日々は変わりませんでした。

ホイドーズはメンバー4人。青森・東京・埼玉・大阪と出身地はバラバラ。鉄マンさんは「このまま続けていてもプロデビューは難しい」と解散を告げますが、他のメンバーは「やめたくない!」と大反対。青森に帰った鉄マンさんは、東京との2拠点で活動をしますが、やがて体力的に厳しくなります。

右から、エレキギター・海田岳さん、ドラム・わだみつひろさん、ボーカル・鉄マンさん、ベース・石鍋秀明さん

右から、エレキギター・海田岳さん、ドラム・わだみつひろさん、ボーカル・鉄マンさん、ベース・石鍋秀明さん(写真提供:ホイドーズ)

そんなある日、東京の3人が、「俺たちが青森に行く」と決断。ギターの海田さんは、介護資格を取得し、黒石市の介護施設で働いています。ベースの石鍋さんは、鉄マンさんが開いたラーメン店で一緒に働き、今ではご自身のお店「えんぷ亭」を営んでいます。ドラムの和田さんは、青森に来て農業に魅力を感じ、ミニトマト農家として頑張っています。

こうしてメンバー全員が、岩木山を仰ぐ青森に根を下ろしました。冬は厳しい雪に耐え、春は桜の開花に喜び、夏は「ねぷた」に沸き、秋はりんごに染まる……。そんな四季を共にしながら、この10年、音楽活動を続けてきました。

「ホイドーズ」のロックには、笛や太鼓、津軽三味線、そして、「ねぷた」のリズムが息づいています。ときには津軽弁で歌い、ハードロックもあれば、バラードも、ブルースもあり、胸にグッとくるラブソングまで、地元に根ざしたロックを響かせています。

2024年の「黒石ねぷた祭り」に出陣した「ホイドーズねぷた」とメンバー

2024年の「黒石ねぷた祭り」に出陣した「ホイドーズねぷた」とメンバー(写真提供:ホイドーズ)

青森に遅い春が訪れる4月中旬、黒石市の東公園さくら山で『黒石さくらまつり』が開かれます。特設ステージでは、歌謡ダンスショー、よさこい舞踊、津軽民謡ショーなどが、今年は4月17日から開かれます。最終日4月26日の「Y・ROCKさくらLIVE2026」に10組ほどが出場し、毎年、"トリ"を「ホイドーズ」が飾ります。

今年はこの日に合わせて、新曲『さくらだ』を発売します。鉄マンさんが作詞作曲しましたが、メンバーからは、「え〜、これ、桜って言ってるだけじゃん!」と不満の声があがりました。しかし鉄マンさんは胸を張ります。

「桜の歌は名曲ばかりだから、名曲じゃねえ歌を作りたかったんだ。オラが作った最高の曲、盛り上がるのは間違いねぇべな!」

4月26日、青森の黒石に春を呼ぶ、「ホイドーズ」のロックが鳴り響きます。

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