グレゴリー・ケリー氏が保釈の一方で、ゴーン氏は勾留続く
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月26日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。ケリー氏の保釈とゴーン氏の再逮捕について解説した。
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東京拘置所から保釈された日産自動車の前代表取締役グレゴリー・ケリー被告(中央)=2018年12月25日夜、東京・小菅(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社
日産自動車前代表取締役グレゴリー・ケリー氏が保釈
金融商品取引法違反の罪で起訴されていた日産自動車の前代表取締役グレゴリー・ケリー被告が昨日夜、勾留先の東京拘置所から保釈された。共に起訴されたカルロス・ゴーン容疑者は特別背任容疑で再逮捕され、来年1月1日までの勾留が決まっている。
東京地裁が保釈を認める決定を出し、検察はこれを不服として準抗告したが、裁判所は申し立てを退けた。36日ぶりの保釈で、保釈金は7,000万円。
飯田)ケリーさんは保釈、ゴーンさんは再逮捕で明暗くっきりといったところです。
高橋)ケリーさんは金融商品取引法違反ですが、ゴーンさんは特別背任、虚偽記載ですよね。そこが違うから、ということでしょう。金融商品取引法の話はもうこれで良いでしょ、ということでケリーさんは保釈されたということです。でも、7,000万円はちょっと少ないかもしれません。
飯田)保釈金としては少ないと?
高橋)何十億の話をしているのでしょう、随分少ないなという感じがしませんか? 金融商品取引法は、このレベルの話なのかもしれません。
飯田)もともと形式犯だということが言われていました。
高橋)形式犯なのは間違いないと思いますよ。
飯田)本筋は特別背任で、そこへ至るための足掛かりだということが言われています。
高橋)でも、特別背任もどこまで行けるかわかりません。けっこう難しいですよね。
飯田)特別背任だと、会社に損害を与えたという。
高橋)立証が必要でしょう? ゴーンさんの方は、結果的に損害を与えていないと言っています。一時は損害を与えたけれど、結果的にはそうじゃなかったと言うのだから、どこまで取引が独立しているかとか、そういう話があるのではないでしょうか。
飯田)リーマンショックで損を出しました。それを一旦は日産に付け替えたけれど、批判もあってすぐに戻したから損害を与えていないだろうということです。
高橋)1回やったのは事実でしょう、というのが検察の話です。これからどうするのでしょうね。特別背任は難しいかもしれませんが、最初に金融商品取引法の高額報酬がいかん、というストーリーがあったでしょう。そこは確実にやって、ついでに特別背任もやりたいのだと思います。
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2017年1月、米ラスベガスの家電見本市「CES」で、基調講演する日産自動車のカルロス・ゴーン社長(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社
離れたい日産、手放したくないルノー
飯田)一方であるのが、日産の帰属問題です。
高橋)日産としてはそれが大きいでしょう。ルノーに属していて、日産がルノーに吸い上げられている状況ですよね。
飯田)日産としてはそういった不満がある。
高橋)対等になって、行く先はだんだんと分かれて行きたい。経産省の人も推しているのですよ。経産省にも、日産と三菱がルノーの傘下へ行ったのはけしからんと言っている人がいたし、今年の始め頃には許せないといった様子でした。日産がルノーと離れたいという利害が、そこで一致したということがあったのだと思います。
飯田)そっちの方はあまり動きがないというか、とりあえずガバナンスの立て直しということで、第三者委員会ができましたけれども。
高橋)日産がどういう形で独立路線を行くのか。その裏にはフランス政府と日本政府もいますから、いろいろな人の思惑で動いて行く気がします。ケリーさんとゴーンさんの個人的な犯罪という話には留まらないということじゃないでしょうか。
飯田)いままではゴーンさんの強権的なところで、アライアンスがまとまっていた部分はあったけれど、タガが外れてしまった場合にどうやってまとめるかというところでしょうか。
高橋)ここまで来てしまうと長期的にはだんだんと日産が離れて行く方向しかないのではないですか。もちろん日産のなかでいまの体制が崩れれば別ですが、ルノーは日産と三菱を放したくないでしょうね。
飯田)そこの綱の引っ張り合いになって来ると。
高橋)最後はそうでしょうね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00