黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、イギリス在住の料理研究家、エリオットゆかりが出演。イギリスで最近流行っているカジュアルな日本料理店について語った。
黒木)今週のゲストはイギリス在住の料理研究家、エリオットゆかりさんです。
イギリスの方から見た日本の食文化というのは、どのように受け取められているのですか?
エリオット)日本料理は特別なもので高級な和食レストランが多かったのですが、最近はおにぎりやお寿司を売っているお店ができてきて、カジュアルになりました。イギリスに「Wagamama」というヌードルショップがあります。日本人だったら「え、わがままなの?」って思っちゃうのですが、それが流行ったのです。ティーンエイジャーの子たちが「Wagamama行く?」みたいな会話をしています。そこのお店ではカツカレー、やはりヘルシーコンシャスな方は鳥の胸肉が好きなので、豚カツじゃなくてチキンカツカレーといって売り出してくれたおかげで、スーパーでもカレー類が普通に買えるようになりました。
そこでラーメンとか餃子という言葉が浸透しました。日本人からしたら「なんちゃって」という感じなのですが、広めてくれたということは素晴らしい功績だと思います。
黒木)経営は日本人ですか?
エリオット)わからないです。会社自体もちろん日本の会社ではないので、企画のスタッフなどにいらっしゃったのだと思います。娘や息子の友達に「わがままという意味を知っている?」と聞いても「知らない」と笑っていますけど、インパクトはありますね。「わがまま」なんて普通は言いにくいじゃないですか。でもみんな「Wagamama」って言うのですよ。
黒木)そういうところから日本食が広まったということですか?
エリオット)そうですね。この前はサウス・ケンジントンというロンドンの中心のところに「ジャパンハウス」というものができました。
黒木)ジャパンハウス?
エリオット)そこは日本の伝統的なものを感じることのできる工芸品を展示しています。上にはレストランもあります。そこにウィリアム王子が行かれたというので、私も行ってみようと思って行ったのですが、プレゼンテーションが素敵で魅力的なところでした。
黒木)イギリスの家庭料理に日本の家庭料理をアレンジするなんてことは……でも創作料理になりますかね?
エリオット)例えばイギリスにコテージパイというお料理があります。牛ひき肉を玉ねぎで炒めて塩胡椒で味付けをして、その上にマッシュポテトを乗せてオーブンで焼く料理です。コテージパイ旨辛にして和風のコテージパイを作ったり、そういったものを考えるのも楽しいし、自分たちの子供みたいです。そんなことを広げていって、日本人の方がもっととっつきやすい味付けにしたら良いな、と思いながら紹介することがあります。
黒木)イギリスのいろいろな食文化を広めていかれるわけですからね。ご主人の好きなゆかりさんのお料理は何ですか?
エリオット)ローストビーフかな。毎週日曜日にサンデー・ローストという習慣があるのです。家族みんなで集まってお肉を食べます。イギリス人でやっているところは少なくなってきたと聞くのですが、うちは私がこういう仕事をしているのもあって、日々いろいろな味に挑戦したいので、日曜日はサンデー・ローストの日にしています。日曜日なのでシャンパンを開けて飲んでリラックスした後に、ビーフを食べながら赤ワインを飲んで。何も考えずにリラックスできるので、それもあって美味しいのかもしれません。
エリオットゆかり/英国在住 料理研究家
■1968年・東京生まれ。イギリス在住。イギリス人の夫。長男・長女。
■2002年に趣味が高じて、和食&アジアン料理を中心としたケータリングビジネスを立ち上げ、ブログなどでイギリスの家庭料理を紹介。日本でも若い女性を中心に人気を集め、雑誌連載やイベント・テレビ出演などを展開。
■自宅で料理やテーブルコーディネートの教室「Yukari’s Happy Kitchen」も主宰。
■2014年には英国大使館「A Taste of Britain」の公認食のレポーターとして英国ロンドン郊外を拠点に活躍。イギリスと日本の料理の架け橋となっている。
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