統一地方選・参院選~野党にとって“野党共闘”が絶対条件

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月7日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。大型選挙が続く今年、与野党はどう闘うべきか、それぞれの現状を踏まえて解説した。

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春の統一地方選、夏の参院選~亥年は選挙イヤー

今年は春の統一地方選や夏の参院選と、大型選挙が続く12年に1度の亥年選挙イヤー。早くも衆院大阪12区と沖縄3区の補欠選挙が注目されている。大阪では元総務大臣で無所属の樽床伸二氏が立候補の意向を示し、沖縄3区補選では自民党が元参院議員の島尻安伊子氏を推し、自由党がジャーナリスト屋良朝博氏を擁立し、早くも激しい戦いが予想されている。

飯田)大阪12区の補選に関しては、樽床さんが自身の政治資金パーティーで立候補の意向を示したということです。遡って日本維新の会からは新人の藤田文武氏を擁立する方針という話が、年末に松井日本維新の会代表からも出て来ているところです。いろいろ動いていますね。

須田)わかりにくいのは、樽床さんが現職だというところです。比例ですけれどね。無所属で出馬して選挙区で当選しても、残りの任期は辞職する前と一緒ということなのです。なぜ敢えて辞職して出馬に踏み切ったのかと言うと、これは自民党入りをすることが狙いです。もともと旧民主党、民進党の樽床さんですが、自民党に入りたいと。政治信条も自民党に似通っています。それには1つのルートしかなくて、前回は希望の党でしたがとりあえず無所属で当選を果たして、二階派の当該会員になって、その上で二階派に所属を認められて入党するというものです。それを目指しているのだろうと思います。
かつて旧民進党に所属していて、保守系の人たちの1つである自民党に入党する。ちょっと左に寄り過ぎている立憲民主党は違うぞ、と考えている人たちが今後自民党に入る可能性を秘めているのではないかなと思います。
もう1つの注目ポイントは、沖縄3区補選です。自由党の擁立する屋良さんが出馬することが決定していますが、これを仕掛けているのはもちろん代表の小沢一郎さん、その狙いは野党共闘です。野党統一候補。つまりこれは、共産党、立憲民主党、国民民主党を含めてオール沖縄体制でこの沖縄選挙を闘おうという方針を示している。各野党がこれに乗っかって来るかどうか。乗って来ると夏の参院選挙、32ある1人区での野党共闘、野党統一候補へ向けての可能性が見えて来るということで、何とかここで実現したいという小沢さんの執念を感じます。

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補選、統一地方選は参院選への重要な足掛かり

飯田)この亥年選挙で12年前を思い返すと、統一地方選から参院選で自民党が負けました。そこから民主党への政権交代の足掛かりみたいになって行ったわけですよね。ここが勝負所だということを、小沢さんは当然感じていますよね。

須田)はっきり申し上げて、野党共闘が実現しなければ野党はボロボロに負けます。32の1人区に関しては自公で圧勝するだろうと思います。少なくとも自公の圧勝を阻止するためにも、最低でも野党共闘という枠組みが必要です。沖縄3区、沖縄選挙区というと前回の沖縄県知事選挙の再来というイメージがありますから、野党共闘が組みやすいのですよ。ここで仮に野党共闘が組めなければ、「参議院議員の1人区でも野党共闘が」なんてものは夢のまた夢になると思います。

現状で野党同士が抱えるしこり

飯田)野党共闘ということになると、共産党が入って来ます。そこに対して地域でいろいろな温度差があると言われます。

須田)加えて、国民民主党としてはどちらかというと非共産という色彩を強めていますから、ここが1つのネックになって来ます。共産党と組むこと以上に立憲民主党と国民民主党での根深い不信感が、野党共闘を組むことに関して大きく影響するのではないかと思います。

飯田)ここに関しては支持母体の連合に関しても「仲良くやれよ」と呼びかけるけれども、なかなかやらないですよね。

須田)実際に話を聞いてみますと、立憲民主党からすると国民民主党のあいつは過去ああいう事を言ったとかこういう事をやった、とか。国民民主党も一緒なのですよ。子供の喧嘩です。とは言っても原理原則よりも、感情のもつれがこの手の問題ではいちばんのネックになって来ます。その辺りを超えて政策協定を結べるかどうかも、1つのポイントになると思います。

飯田)結局旗を振っているのは小沢さんですが、元を正せば反小沢親小沢で民主党内でごちゃごちゃやっていて、政権も崩壊したみたいな事があったわけで。その辺の感情のしこりもまだ根深くあるのでしょうね。

須田)ただ、小沢さん個人としても残された時間がたくさんあるわけではない。ラストチャンスだと認識しているでしょう。野党が政権奪取することを諦めたわけではないけれど、このタイミングを逃せばもう先はないと考えていると思います。

飯田)そうすると、是が非でも1人区で候補者調整をして、1対1の形に持ち込めるかどうか。可能性としてはどうでしょうか?

須田)これができるかどうかが沖縄3区補選にかかっています。ここが実現できたとしても、まだまだ道のりは遠いです。ここで実現できなければ、100パーセントないでしょうね。

飯田)政権側としては、上手く行けばまだ3分の2は維持できます。

須田)もし仮に参院選で野党統一候補が見えて来れば、政権側としてはここにダブルをぶつけるという方法があります。完全小選挙区制の衆議院と中選挙区制を一部持っている参議院で選挙制度が違いますから、調整がつかなくなってしまうのですよ。野党共闘が実現すればダブルをぶつける選択肢も残されているだけに、そこも野党各党は睨んでいると思います。

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