日露首脳会談~お互いタフとなる北方領土交渉

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月21日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。日露首脳会談における北方領土交渉の難しさについて解説した。

北方領土 ロシア プーチン 日露 交渉 日露講和条約 安倍 2島返還 4島一括

ロシアのプーチン大統領(右)との会談で握手する安倍晋三首相(シンガポール)=2018年11月14日 写真提供:時事通信

あす日露首脳会談~北方領土の妥協点、双方にハードル

安倍総理大臣はきょうロシアを訪問し、明日22日午後、プーチン大統領と通算25回目の会談に臨む。両首脳は6月に大阪で開催されるG20に合わせて平和条約の締結で大枠合意を目指すが、北方領土の主権をめぐる歴史認識の見解は対立したままとなっている。

飯田)現地では「領土を渡すな」というデモが繰り広げられていたり、あるいは直前の外相会談ではラブロフ外相が相当強硬な発言をしていたり、交渉の前は荒れますね。

須田)ロシア国内で強硬なデモと言いましたが、ロシアの民族主義派は極左、左派になってしまうのですよ。本来だったらああいったデモはプーチンさんの強権政治で抑えつけられるのですが、それをそのまま放置しているということは、意図的にそれをやらせていると受け取って良いのだろうなと。「ロシアの国内世論はこれだけこの問題に対しては先鋭的ですよ」ということを日本に見せつけるためにわざと起こしていると受け止めるべきです。そうすると、日露の間で何が第二次世界大戦の終結なのか、どの時点が終結であって北方領土とリンクしているかのせめぎ合いになって来るのではないかと思います。
もしサンフランシスコ講和条約ということになると、あの時点で国後・択捉を日本は放棄してしまった可能性が高いのですよ。

飯田)千島列島に含まれると。

須田)南千島に含まれてしまうと、歯舞・色丹だけで収まってしまいます。主権そのものもないという、日本にとってはいちばんきついスタートになって来ます。そうならないために、どうやってそれを押し返すことができるのか。サンフランシスコ講和条約にロシアは入っていませんから、その辺りの交渉が激化しているのでしょう。

共同通信の報道は観測気球か

飯田)これに関してはいろいろな報道が出ています。共同通信が5時くらいに報じたのは「政権が2島決着案検討」なんていうものも出ていますが、いったいどこからのリークで情報が出て来ているのでしょうか?

須田)恐らく観測気球だと思いますよ。国後・択捉は主権の回復が難しいということになって来ると、仮に2島になった場合、日本の国内世論がどういった反応を示すのかを伺うためにそういった気球を上げた。それでは納得いかない人たちが大部分でしょうから、「だったら交渉を打ち切れ」という声が上がるのを期待している部分もあるのではないかと。日露交渉の決着に向けて、日露双方にナショナリズムを煽るような動きになって来たのだと思います。

飯田)向こうのデモ隊と同じような世論の盛り上がりというものを、目に見える形で見せたいということですね。

須田)世論を背景に具体的な交渉を、というところだと思いますが、それをやってしまうと折り合うことが相当難しいと思います。

飯田)お互いに立場上降りられないことになるわけですね。

須田)おっしゃる通り。

飯田)そうすると明日からの交渉、プーチンさんは時間通り来るのかどうかを含めて問題ですね。

須田)難しい局面に入って来たと思います。

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