通常国会本日召集~統一地方選・参院選に向けた野党の目論見

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月28日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。本日召集された通常国会の見通しについて解説した。

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きょうから通常国会〜統計不正問題で野党は厚生労働大臣の罷免を要求

通常国会召集を前に与野党幹部は昨日、NHK番組に出演し、厚生労働省の毎月勤労統計調査の不正調査問題などを巡って論戦を交わした。与党が再発防止に努める姿勢を強調したのに対し、立憲民主党は根本匠厚労大臣の罷免を要求、国会は冒頭から与野党が激突する見通しとなっている。

飯田)これに関して、群馬県“かーこ”さん。「野党はこの追求を中心にする方針だそうですが、特別委員会設置を考えないのでしょうか。大臣罷免とも言っていますが、自分たちの時代も絡んでいることなのに、何かおかしく感じられますね」というメールを頂いております。

須田)この通常国会で最大のポイントは、次年度予算案の審議を成立する。しかも期限が区切られていて、年度末までに成立をさせて4月1日からきちんと予算を執行させて行くということです。そうすると次年度予算案を人質にとって、予算委員会でその疑惑を追求して政府を追い込んで行くのが野党の思惑です。毎月勤労統計を巡るこの統計偽装疑惑、これに関してポイントはどこにあるのか…これが野党の今国会最大の攻め所となって来ると思います。では、これが担当者の個人レベルで行われた、そして代々それが引き継がれて来たという現場レベルでの偽装、偽造だったのか、それとも組織的な関与が行われていて、トップから何らかの指示が出ていて、こういったことが行われていたのか。
野党はもちろん後者、組織的な偽造偽装というところに持って行きたいのです。なぜ組織がそういった行動に移ったのかと言うと、アベノミクスが成功であることを証明する数字を出すために、結論ありきでそういった対応を取ったのではないか。つまり兼ねてから言われているように、何らかの、厚労省サイドに忖度が働いたのではないか、こういうところに持って行きたいのですよ。

飯田)忖度で統計も歪んだ。

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【勤労統計不正】幹部職員に対する訓示をする根本匠厚生労働相=2019年1月22日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

統計偽装は旧民主党政権時代から続いているもの

須田)でも忖度でと言うと、それこそこれまで言われているように、これは安倍政権になってから始まった偽造ではなくて、その前の民主党時代、旧民主党政権時代からの偽造ではないかということになってしまうと、話が整合性を欠いてしまいます。その辺りが、野党としては攻め切れないポイントになって来る可能性も高いと思います。

飯田)出て来た数字が忖度によって、普通だったら賃金高めに出して、アベノミクス成功ですという風にやるのが常套ですけれど。出て来た数字はそういう数字ではないですよね?

須田)そうなのですよね(笑)。だからそこも整合性を欠いているし。

飯田)むしろ低く出ちゃってる(笑)。

真実よりも安倍政権が“怪しげなことをしている”というムード作りが野党の狙い

須田)最近の森友・加計学園問題を巡っても感じるのですが、真実がどこにあるかがポイントなのではなくて、そういった追求をすることによって“何か怪しげなことを安倍政権がやっているのではないか”という、そういうムード作りを最優先してやっているのではないですかね。結果的に世論の後押しを受けて。
今回の場合で言うと、根本厚労大臣の辞職というところを引き出せれば、これは春の統一地方選挙、あるいは夏の参議院選挙に向けて、大きなポイントがゲットできるというように考えているのではないかと思います。

飯田)黒は証明せずとも、グレーっぽいというところを見せるだけで良いということですか?

須田)そうです。だからその意味で言うと、厚労委員会での特別委員会の設置というよりも、予算委員会、必ずこれは国会中継が行われますから。そこで結果がどうであれ、実質真実がどうであれ、徹底的追求をする姿勢を国民に見せることによって、選挙を有利に働かせる。あるいはここへ来て支持率が低下して、共闘が上手く進んでいない野党の存在感を示す、というところに狙いがあるのではないかと思います。

飯田)でもそういうことをやり続けていると、与党も与党だけれど、野党のやり方も何だかプロレスチックと言うか、歌舞伎チックになってしまって。政治全体がウンザリすると思ってしまうようなところに行く気もしますが。

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大混乱に陥っているなかでの予算強行採決が野党の狙い

須田)とは言え衆参両院、特に衆議院で、予算案の場合は優先権がありますからね。結果的には間違いなく年度内に成立するのですが、疑惑はまだ晴れていないということで、予算委員会が大混乱に陥っているなかでの強行採決。ここが落とし所ではないかなと思います。

飯田)野党からしたら、予算が年度内に通ることは結論がもう見えているから、そのなかでどう自分たちの存在感をアピールするかということになる。その方法以外取らざるを得ないということになるわけですか?

須田)そうですね。ですから予算委員会、各種委員会もそうなのですが、国会運営の日程決定というものは、理事会で全会一致なのですよ。野党が「いやその日程は飲めない」と反対すれば、結果的にその委員長職権での強行採決という形にならざるを得ない。それは強行なのかどうかと言うと、強行採決させるために野党が持って行っているわけですから。

飯田)それで時間ばかりが経つことになるのは、勿体無い気がしますね。

須田)もっとやるべきことは山積しているではないかと思います。本来の予算案の中身を議論して欲しいところです。特に今年は10月に消費税の増税を控えているわけですから。そのためにも予算案の中身をきちんと議論、深掘りしてもらいたいなと思います。

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