巨人・ビヤヌエバ&クック V奪回への投打の救世主となるか?
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話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、28日に来日した巨人の新外国人・ビヤヌエバ選手とクック投手のエピソードを取り上げる。
「ビヤヌエバ選手はビヤ、クック選手はクッキーで、と確認しました」(原辰徳監督)
28日、巨人がメジャーリーグから獲得した新外国人選手2人が来日。原監督同席のもと、さっそく入団会見が行われました。
まずは「ビヤ」こと、クリスチャン・ビヤヌエバ選手。メキシコ生まれの27歳で、昨年までパドレスでメジャーリーガーとしてプレー。ホームラン20本を打った右のスラッガーです。
2008年にレンジャーズと契約。メジャーデビューこそ9年後の2017年でしたが、昨季はパドレスで110試合に出場し、打率2割3分6厘、20本塁打、46打点。3・4月度のナ・リーグ月間最優秀新人賞にも輝いています。
前年メジャーで20本以上ホームランを打ったバッターが来日するのは、球団史上初めてのこと。原監督もクリーンアップ候補として、大いに期待しています。背番号は、昨年までマギーがつけていた「33」に決定。この番号は、原監督が決めました。
「背番号以上(33本)は打ってほしいという願いを込めた」
もっとも、ビヤヌエバ本人はいたって冷静で、
「自分は、この段階で数字を言うつもりはありません。毎日ケガをせず試合に出ることで、数字は後からついてくるものだと思っています」
言い換えると「故障さえしなければ、30発は打てる」という自信の表れ。とはいえ、日本の野球にそう簡単に対応できるのか? という懸念もありますが、実はすでに予習済みなのです。一昨年のシーズン途中まで巨人に在籍した、同じメキシコ出身のクルーズから、日本の野球についていろいろ情報を仕入れて来たとのこと。
「日本は礼儀を重んじる国だから、尊敬の気持ちを忘れないように」
というのがクルーズからの教えで、メジャーリーガーによくある慢心とは無縁のようです。投手と捕手以外は、内野・外野どこでも守れるのも魅力。ただし、日本の冬の寒さは想定外だったようで、
「寒いとは聞いていましたが、やっぱり寒いですね。ちょっと油断していました」
くれぐれも風邪にはご用心、です。29日には、早くもジャイアンツ球場に姿を現し、マシン相手のバッティング練習に臨んだビヤヌエバ。自主トレに来ていた同僚のゲレーロとも初めて対面し、しばし歓談。スペイン語が話せるチームメイトがいることも、ビヤにとっては心強いことです。
一方、こちらは守護神候補として期待されている、「クッキー」ことライアン・クック。カリフォルニア生まれの31歳、右投手です。メジャー通算成績は、236試合で15勝13敗17セーブ、防御率3・58。会見で、こう抱負を語りました。
「ブルペンで試合の終盤を任される投手、抑えとして、イカリのように重しとなるような役割をチームのために果たしたい」
アスレチックス時代の2012年、初戦から22試合連続無失点をマークし注目されたクック。オールスターゲームにも選ばれた経歴の持ち主ですが、その後は故障もあってマイナー暮らしが続き、昨年3年ぶりにメジャー復帰を果たした苦労人でもあります。
そして、クックにも心強い味方が。レッドソックス時代に同僚だった上原です。29日にジャイアンツ球場で久々に再会。笑顔で会話を交わしました。さらにクックは、アスレチックス時代に中島、マリナーズ時代には岩隈とチームメイトだったこともあり、なんと新天地に3人も「元同僚」がいるのです。
188センチ、100キロの大柄な体格から投げ下ろす速球に、スライダー、チェンジアップなども織り交ぜ、イカリのようなどっしりしたクローザーを目指すクッキー。2人が開幕からフル回転してくれれば、5年ぶりのVも見えて来そうですが、さて?