巨人軍キャンプ 紅白戦で3ランを放った石川慎吾とは?

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話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、3日に宮崎で早くも行われた、ジャイアンツ紅白戦のエピソードを取り上げる。

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【プロ野球巨人宮崎キャンプ】紅白戦 4回表、石川慎吾が左越え3ランホームランでガッツポーズ=2019年2月3日 宮崎県宮崎市 写真提供:産経新聞社

「2019 死闘 1軍対2軍 意地をみせるか! 下克上なるか!」

ジャイアンツ、今年は早くも“本気モード”です。

3日に、サンマリンスタジアム宮崎で行われた、キャンプ1軍メンバーと、2軍メンバーによる紅白戦。試合開始は、午前10時20分の7イニング制。サンマリンスタジアムの電光掲示板には、さきほどの煽り文句が表示されました。

キャンプインしたばかりのこの時期に紅白戦をするのは異例のことで、平成では球団史上最速。これは去年、原辰徳監督によって伝えられていたことで、選手に対する無言のメッセージです。「キャンプ前に、試合で動ける体を作っとけよ」と。

「キャンプ序盤なんて、軽く流しとけばいいや」という選手に用はない、いつでも試合に出られる状態をキープしている選手を今年は使う……ただでさえ大補強で、内野・外野・捕手・投手、どのポジションも「代わりはいくらでもいる」状況。自ずと選手にも危機感が走ります。それこそ、指揮官の狙いなのです。

さて、紅白戦。2軍は「絶対勝つ!」と、試合開始3時間前の朝7時過ぎに宿舎を出発。ひむかスタジアムで早朝フリー打撃でひと汗流してから、会場のサンマリンスタジアムに乗り込みました。この“本気モード”は「ここでアピールしておかないと、埋もれてしまう」から。

今回、活躍が目立ったのは、日本ハムから移籍して2年目、2軍の4番を務めた“ダイナマイト慎吾”こと、石川慎吾(25)です。4番・レフトで先発出場すると、1点を追う4回、ランナーを2人置いて、1軍の2番手・高田からレフトへ豪快な3ラン!

実は石川、オフにウエートトレーニングを重ねて肉体改造に励み、マッチョになってパワーアップしていたのです。打った瞬間「ヨッシャー!!」と絶叫して、ダイヤモンドを一周した石川。落胆する高田。まるで公式戦さながらのリアクションも、それだけ真剣だからです。かたや1軍昇格をかけて、かたや開幕まで1軍をキープしたい。生き残りをかけて気迫むきだしで戦った紅白戦。

また走塁でも、2盗を企てたシーンが、両軍合わせて8度もありました。ノーサインで、すべて選手の自己判断。紅白戦だからこそですが、走塁のスペシャリスト・鈴木尚広コーチは、アウトになった選手もハイタッチで出迎えました。

原監督も、若手たちがしっかりコンディションを整えて来たことに、大満足の表情。ここ3年、カープの後塵を拝しているのは、若手育成の点で大きな差があったからです。「今年の若手たちは違う」という手応えを、原監督も感じたようでした。

「気持ちも、技術もいろんなものが見えた感じがしましたね。紅白戦であの狂喜乱舞は見たことがない」(試合後の原監督)

たかが紅白戦、されど紅白戦。今年のジャイアンツ、大補強だけではなく、“下からの底上げ”にも注目です。

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