ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月13日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。イギリスのEU離脱問題について解説した。
イギリス政府が、メイ首相の今年の夏の辞任を否定
イギリス政府は11日、一部メディアが報じた「メイ首相が今年の夏に辞任を計画している」との報道を否定した。報道では後任人事に影響を与えるため、今年の夏に辞任する準備を進めていると報じていた。
飯田)ただ、これを報じていたのがイギリスの新聞ザ・サン。
高橋)まあ、信憑性は無いのでしょうけれど。
飯田)夕刊紙のね(笑)。
高橋)辞任してもしなくても、イギリス経済がどうなるか、3月末の離脱でどうなるのかは、本当に関心事ですよね。間違いなくいまのまま行ってしまったら、リーマンショック級ですよ。だって普通3月末で離脱した後も、2年間は同じルールが適用するのが普通です。
飯田)そういう協定案を一応は作った。
高橋)それなのにいきなり離脱して即、でしょう。そうなるとイギリス国内にいる人はどうしたら良いのかわからない、それくらいのレベルの混乱が起きます。貿易なんかすぐできないですよ。人為的な話でね、ちょっと信じられないです、こういうことは。
飯田)スイスとの間では一応、協定を結んだということが昨日発表になりましたが。
高橋)でもスイスとの貿易量はほんの少しです。基本的にEUの話がどうなのか。このまま行くとリーマンショック級で、イギリスのGDPが1割くらい減っちゃうのですからね。
このまま離脱となればイギリス史上に残るくらいの醜態に
飯田)もう既に、国民投票のときに試算が出ていたという話ですよね。
高橋)出ているでしょう。でも国民投票のときは、2年間の猶予期間があるだろうという前提です。これが無いということですからね。流石にこんなことをやって、イギリス史上に残るぐらいの醜態になると思いますから、無いだろうと思いますが、放っておくと時間切れになってしまいますね。
飯田)このまま行けば。
高橋)リーマンショック級。イギリスのみならずEUも大変だと思いますよ。
飯田)そうですよね。対岸の火事ではいられないわけです。
高橋)でもいまの状況だと、その2年間の猶予措置は実務的に時間切れで難しくなってしまうかもしれない。そのような可能性も捨て切れない。大変ですね。
飯田)イギリス国内の強硬離脱派はこうやって言い募って、「本当にヤバいぞ」となればEU側も折れて、離脱期限を先延ばしにすることもあるというような話がありますが。
高橋)チキンレースですけれどね。お互いにそう思っていたら、両方谷底に落ちてしまうのですが。
日本企業にも大きな影響
飯田)日本企業も、日産はエクストレイルなどの生産拠点をとりあえず日本にする、ということまで言っていますね。
高橋)現にもう経済活動に影響が出ていますね。
飯田)他国のことなので、こちらがとやかく言えないのかもしれませんが。ただ日本企業にとっては大きな影響が出ますよね。
高橋)EUに進出している企業は、英語圏のなかではイギリスは進出しやすいですからね。でも何もできないですよね、イギリスの話だし。
飯田)そうすると、3月頭から少し延びるのかもしれませんが、まず米中の話があり、そしてその直前には米朝の首脳会談があり。そしてEUの離脱が3月。
高橋)だからもう3月は国際情勢の大きなイベントが目白押しですよね。
飯田)これで消費税に行くのですかね。
高橋)2年前に消費税を飛ばして、リーマンショック級と言ったのですが。今度は本当にリーマンショック級が中国のGDP減少もあり、EUブレグジットもあり、たくさんありますよね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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