女子ソフト・念願の1部リーグ復帰 NECプラットフォームズ
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リーグ戦の日程(4/13(土)開幕)も発表された2019年の女子ソフトボールリーグ。そして、昨年2部リーグを勝ち上がり、今年、1部リーグに復帰するチームがあります。
■NECプラットフォームズ・Red Falcons(レッドファルコンズ)
創部:1983年 チーム所在地:静岡県掛川市
1983年、静岡日本電気時代に創部された歴史の古いチームです。2015年までは、NECアクセステクニカとして、そして2016年からは現在のチーム名、NECプラットフォームズRed Falconsとして、リーグに参戦しています。
2015年に1部昇格を決め、2016年は1部リーグを戦いますが、3勝12敗の最下位となり再び2部へ。1年での再昇格を目指し、2017年のリーグ戦を首位で勝ち上がり、決勝トーナメントに駒を進めますが、決勝戦で敗戦。入れ替え戦に回りますが、ここでもシオノギ製薬に敗れ、1年での1部復帰はなりませんでした。
再び2部での戦いとなった2018年は、リーグ戦を12勝0敗の圧勝で、決勝トーナメントに勝ち上がります。
しかし、その決勝トーナメントでは、初戦で日本精工に0対8で敗れ、敗者復活戦に回ります。その敗者復活戦では気持ちを切り替え、大和電機を3対1で下し、日本精工が待つ優勝決定戦に駒を進めます。
(優勝決定戦) NECプラットフォームズ 3 - 0 日本精工
勝利投手:三木綾菜(NEC) 敗戦投手:藤嶋涼菜(日本精工)
ホームラン:和田美樹(NEC)
両チームのエース同士の投げ合いになった試合は、4回表・NECプラットフォームズが、4番和田選手のツーランホームランで先制すると、7回表には、代打・増田選手のタイムリーヒットで追加点をあげます。
投げては、前日8失点の反省を踏まえたエース・三木投手が、日本精工打線を0に抑え、3対0の完封勝利。2年ぶりの1部昇格を決めました。
今回、そんなNECプラットフォームズから、轟優花キャプテン、三木綾菜投手、和田美樹選手の3人に話を聞きました。
轟 優花(とどろき ゆか)選手 背番号10 1991年1月20日 166cm 右投・左打
《2019シーズン》 打撃率0.345(15位) 打点7 安打10本
■監督も変わって、その変化が大きかった…
‐ 昨シーズン、昇格を決めた時の気持ちを改めて教えてください
轟『一昨年に、あと一歩のところで敗れたっていうのがあったので、本当に優勝した時は、うれしい気持ちで一杯でした』
‐ 昨シーズンは、どんな所にポイントを置いて、チーム作りを始めたのですか?
轟『去年は監督も変わって、その変化と言うのも大きかったんですけど、選手同士でしっかりコミュニケーションをとりながら、チームが1つになって同じ方向に向かっていくという意識と、練習内容もいろいろ変化が大きくて、いろんな事にチャレンジしながら、やってきました』
‐ 監督が代わった事で、選手の中でも何か変わった感じがありましたか?
轟『そうですね。技術だけじゃなくて、ソフトボールに対する意識だったり、そういうのも変えてもらったという感じがします』
‐ シーズンを通した結果を見てみると、攻撃力が目立ちますが
轟『チームとしては、守りをまず固めて、それから攻撃に繋げるという形でやっていました』
‐ じゃあ、6失点と4失点の試合があるのはちょっと不満でした?
轟『ははははは、そうですね(苦笑)』
‐ そんな失点の所も、今シーズンに向けての強化ポイントに入っていると思いますが、しゃべれるところだけで構いませんので、今シーズンのチームの目標と、どんな練習をしているのか教えてください
轟『チームとしては、(1部)残留を目指しています。今のオフシーズンは、体作りのトレーニングを中心にやっていますが、そのトレーニングを技術の方に繋げるように練習をしています』
‐ 去年も対戦はしていますが、1部のチームにはどんなイメージを持っていますか?
轟『スピードパワーが、とにかく凄いという感じです』
‐ 去年は、太陽誘電に勝利していますが、対戦してどうでしたか?
轟『格上相手だったので、攻める気持ちだったり、技術だけじゃなくてチームがまとまって向かっていくという気持ちでやっていたので、まあ、恐れる事は無かったです』
‐ 今シーズンの個人的な目標を教えてください
轟『まあ、DP(指名選手)という事で、打撃で貢献したいと思っているので、大事な所で1本が打てるように、というのが目標ですね』
‐ DP(指名選手)だと、何か心持ちは違いますか?
轟『そうですね。やっぱり、攻撃でしか貢献できる所はないので、そこにしっかり気持ちを賭けたいなと思っています』
‐ 個人的に、対戦を楽しみにしているチームとか、選手はいますか?
轟『特にココと言うチームは無いんですけど、1部という事ですべて格上のチームになるので、どことやるのも楽しみにしています』
‐ 代表クラスもゴロゴロいますよ
轟『技術では叶わない部分もあるとは思いますが、向かっていく気持ちなどは負けないように、気持ちを持っていきたいと思います』
‐ 最後に、メッセージを
轟『常に、強い気持ちを持ってプレーしますので、応援よろしくお願いします』
三木綾菜(みき あやな)投手 背番号39 1992年3月7日 158cm 右投・右打
《2018シーズン》 通算成績5勝1敗 防御率1.71 勝率0.833
■勝てたのはみんなが打ってくれたから…
‐ 昨シーズン、昇格を決めた時の気持ちを改めて教えてください
三木『とにかく嬉しかったという気持ちと、やっと勝てたという、ひと安心したという気持ちがありました』
‐ プレーオフ・初戦で日本精工に負けてしまいましたが、その時はどんな気持ちでしたか?
三木『もう、やるしかない! っていう気持ちで…(初戦は)いろいろ気にしてピッチングをしていたんですけど、それを1回とっぱらって、今、自分ができる、意識できる事だけを考えてピッチングをしたら気持ちが楽になって、自分のピッチングが出来たのかな? っていうのはあります』
‐ 三木投手は、防御率3位、勝率は1位を記録しましたが、その成績は自分の中ではどんな評価ですか?
三木『ちょっと1年、結構、いろいろ悩んでいて…あまり自分の思ったようなピッチングがなかなか出来なくて、数字としては全然ダメだと思っていたので、去年の結果については納得していないです』
‐ 数字を見ていると、投球回数に比べて、ホームラン2本は多いかな? って
三木『あぁ~、はい(苦笑)』
‐ ピッチャーとしては、総失点は気になりますか?
三木『そうですね。2部を戦う上で、失点は、ほぼ無失点でやっていきたかったんですけど、思ったようなピッチングが(チームの投手)3人とも出来なくて失点に繋がったというのもあって、勝てたのも(打撃陣の)みんなが打ってくれたから勝てたんだ、という試合が多かったです』
‐ では、去年の反省を踏まえての練習をしている感じですか?
三木『そうですね。今年の目標としては、今まで1部の時に防御率が結構高かったんですけど、それを1点でも低くしようという事と、強化をしている所はいまと同じフォーム、球質だと打たれてしまうので、フォームの改善、球質の改善をやっています』
‐ 去年も全日本総合女子選手権では1部のチームと対戦しましたが、自分としてはいい球を投げたのに簡単に打たれたり、そんな感覚は感じましたか?
三木『ありました。2部だったら少々甘いボールでもひっかけてくれて、打ち取れる事があるんですけど、やっぱり1部になると甘いボールをしっかり打たれたり、自分で決めに行ったコースも上手く対応されて、ヒットにされるという事が多かったので、それは凄い感じました』
‐ 1部のチームで個人的に、対戦を楽しみにしているチーム、選手はいますか?
三木『もう全部のチームが格上なので、どのチームとやっても楽しみですし、その中でもやっぱり(打撃率の)上位打線に関しては、どれだけ自分のピッチングが通用するのかな? っていう気持ちはあります』
‐ そんな選手達に、どんな所に注意して投げて行こうと思っていますか?
三木『コースを甘くしないというのはもちろんですけど、ボール1個1個の出し入れも2部とは全然違うので、半個入れたり、1球入れたりっていう、そのボールの出し入れをしっかりやっていきたいです』
‐ 最後に意気込みを
三木『先発だったり、中継ぎだったり、押さえだったり、役割があると思うんですけど、その与えられた役割の中でしっかり自分の仕事が出来るように、ピッチングが出来るようにやっていきます』
和田美樹(わだ みき)選手 背番号19 1991年7月22日 164cm 右投・左打
《2018シーズン》 打撃率0.68(1位) 本塁打4本(1位タイ) 打点17(1位)
■足を怪我していて相当痛かったので、「やっと終わった」って…
‐ 昇格を決めた時の気持ちを教えてください
和田『そうですね、嬉しいというのもあるんですけど、実は前日の試合で足を怪我してしまいまして(苦笑)、相当痛みが強かったので、「あ、やっと終わった」っていう、ほっとしたような気持ちが強かったです』
‐ 決勝の前日、日本精工との初戦に大敗して、切り替えとか大変ではなかったですか?
和田『そうですね、でも大差で負けたので、もうやるしかないかな? っていう気持ちで、逆に速く切り替えられたかなとは思っています』
‐去年はリーグ戦で、2部の打率、ホームランクイーンにもなりました。どんなシーズンでしたか?
和田『結果としてはいい数字が残せたかな? とは思うんですけど、実は、ホームランが打てるようなバッティングフォームに変えて臨んだシーズンだったので…。前半戦は、ホームランが4本出たんですけど、後半戦では1本も出なくて、なかなか思う様に振れないというか、思い通りできなかった、という気持ちが強いシーズンでした』
‐そうすると、ヒット数が多いんですが、その数字を狙っていた訳ではなかったのですか?
和田『そうですね。ホームランを打ちたいという事にこだわってやって来たので、2塁打とかになっているのは、打ち損じかな? っていう思いがあったので、そんなに満足するものではなかったですね』
‐和田さんが何かできるという数宇じゃないんですが、残塁13はもったいなく感じますね
和田『あ(笑)、そうですね。ま、でも仕方ないというか…(苦笑)』
‐チームは、総得点で86点とっていますが、打線的には満足するシーズンでしたか?
和田『満足かというと、もうちょっと獲れたかな? っていう気持ちもあって、やっぱり5割超える打者も何人か出ていますし、もうちょっと得点は伸びたんじゃないかな? と、正直思っていますね』
‐打線としては、今シーズンに向けてどんな事に取り組んでいますか?
和田『打線的には、3割打てる打者が何人か出てくるという所と、あと打点だったり、出塁率だったり、何かで飛びぬけている所、特徴みたいなものを出さなければいけないかな? と思ってます。
いまチームとしてとり組んでいるのは、しっかりバットを振るっていう事で、沢山打ったりとか、早打ちっていう練習をして、強く振る事を意識して取り組んでいるところです』
‐ 今シーズンの目標数字はありますか?
和田『打率は3割行きたいという所と、あと打順が4番なので、打点にはこだわってやっていきたいかなと思っています』
‐ 1部のチームにはどんなイメージを持っていますか?
和田『そうですね、やっぱりスピードとパワーが2部とは違うので、甘い所に投げてしまえばホームランになるし、守備もちょっとでもミスをすると次の塁まで行かれたり、そこが1部と2部の違いかなと思っています』
‐ そんな1部で対戦したいチームや選手はいますか?
和田『私は、デンソーから移籍してきたので、古巣のデンソーとの対戦は楽しみにしています。ピッチャーでは、トヨタのアボット投手が「投げてくれないかな」と思っています。
アボット投手とか、1部にいた頃に1回当たった事があるんですけど、他のピッチャーとは違ってボールが生きているような、ボールが動いて来る感じで、凄い打ちづらかったのを覚えています』
‐最後に、今年の抱負を
和田『チームとしては、1部残留を目指してやっていきたいというのと、個人的にはベストナインに入るという所を目標として、練習に取り組んでいますので、会社とかファンのみなさんにも恩返しができるようなプレーをしていきたいと思っています』
NECプラットフォームズ Red Falcons
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(Write:よこいみちひと AllPhoto:NECプラットフォームズ)