冷え込む中国経済~難しい今後の日本の立ち回り

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ニッポン放送「有本香のOK! Cozy up!」(2月19日放送)にジャーナリストの有本香が出演。米中貿易摩擦の影響で冷え込む中国経済について解説した。

中国の新車販売7ヵ月連続で減少

中国の自動車業界団体が、18日に発表した1月の新車販売台数は、前年同月比15.8%減の236万台。月間ベースでは、7ヵ月連続の減少となった。背景には米中貿易摩擦の激化で冷え込んだ消費者心理があると思われる。

新行)米中の協議が来月3月1日に期限と迫って来ているわけですけれども、実際に中国でもこのような影響が表れている。

有本)アメリカの対中国関税引き上げの猶予期限ですね、これが迫って来ています。更に延ばすのではないかとも言われていますけれどね。中国にとって痛いのは、消費者心理そのものが冷え込んでいるのが非常に痛い。特に車の販売台数が減るということは、中国に進出している外資系の車メーカーも痛いわけです。ただこの1月の統計の中身をきちんと見たわけではありませんが、このところの流れとしては日本車とドイツ車はそんなに悪くない。日本の車メーカーにとっては不幸中の幸いというところですが、中国の構造で言うと、車はとりわけ重要です。日本も近いところはあるのですが、なぜかと言うと、自動車産業は裾野まで含めると多くの数の雇用を生み出せる産業です。部品から何からいろいろあるではないですか。ですから、自動車産業が冷え込むということは全体の雇用環境にとっても、ものすごく悪いですね。自動車産業で関連も含めたら、食べている人たちはとても多い。この人たちの今後の給与などに影響が出ると、もっと消費が縮む可能性が出て来ることになります。そういう点で、中国は非常に危機感を強めているだろうと思います。

新行)これは3月1日までに決着をつけるというのは、中国が折れるともなかなか考えづらいですかね?

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米中閣僚級貿易協議を前に撮影に応じるライトハイザー米通商代表部(USTR)代表(左)、中国の劉鶴副首相(中央)、ムニューシン米財務長官(右)(中国・北京)=2019年2月14日 写真提供:時事通信

米中摩擦は当分続く~日本は中国とどう付き合うか

有本)そうですね。中国側も簡単に折れられないでしょうしね。トランプさんも政治的に見ても、民主党が中間選挙では勝ったということがありますけれども、トランプさんの支持は底堅い40%ぐらいでキープしています。そうすると中国を相手に大立ち回りを演じている状況は、彼にとっては良い状況ですから、このままある程度行きたいということと、これは貿易戦争という名前はついているけれども、貿易戦争ではない。中国とアメリカのあらゆる意味での覇権争いです。中国がアメリカにとっての脅威である、敵であるという認識はトランプさんや共和党だけがしているわけではなくて、民主党も共有しているのです。そういう意味で、米中の鍔迫り合いというものは、この前ファーウェイの一件でも出て来たようにハイテク分野での覇権争い、知的財産権の問題、さらに人権問題です。これをトランプ政権はかなり非難していますけれども。あらゆる分野で鍔迫り合いは激しくなる。そういう点で日本の立ち回り方も厳しくなって行くという状況です。

新行)関連してメールを頂いております。“しんや”さんからです。「まさに日本への影響どうなるのでしょうかということで、3月1日に中国への関税を引き上げた場合、日本への影響はどうなるのでしょうか。日本はそこそこ米中に緊張感があったほうが良いのでしょうか」。

有本)もちろん短期的に見れば、日本の経済にも悪い影響は及びます。しかし、それはそれであって、日本も段々と大企業中心に中国離れも進んでいます。そういうなかで、アメリカと中国の関係が簡単に短期間で元に戻るということはない。と考えれば、政治的にはアメリカと中国にある程度緊張感があったほうが良いし、アメリカは党派を超えて中国を一種の脅威だと見ているのだと思いますが、日本にとってはまさしく脅威です。そういう認識は持った方が良い。ただそのなかで安倍政権としては、いまは一旦、中国と融和するという形を演出していますが、これにはまた他の周辺国を含めた駆け引きがあると見た方がいいです。長期的に見ると中国は日本にとってやはり脅威です。

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