統合幕僚長に山崎氏~統合幕僚長を巡る奇妙な人事の流れ
公開: 更新:
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月20日放送)に元航空自衛官・評論家の潮匡人が出演。19日に閣議決定した統合幕僚長の人事について解説した。
新統合幕僚長に山崎幸二陸上幕僚長を起用
政府は19日、在任期間が歴代最長となっている防衛省、制服組トップである河野克俊統合幕僚長の後任に、山崎幸二陸上幕僚長を起用する人事を閣議決定した。陸上幕僚長の後任には、湯浅悟郎西部方面総監が就任する。
飯田)いずれも4月1日付の人事と言うことで、もう既に河野さんと山崎さんは総理の所に挨拶にも行っております。長かったですね、河野さん。
潮)3度にわたって定年が延長されて、今日まで長く統幕長、いわゆる自衛隊の制服組トップを務めて来られました。同じ階級のなかで誰がいちばん偉いのかと言えば、いちばん早くその階級に任ぜられた者ということで、制服のトップということになるわけです。
この人事を巡って、これまでも様々なドラマが展開されて来ました。今回後任となる山崎新統幕長と私は防衛大学校の27期卒業で、同期になるのですけれども、同じ同期には航空幕僚長もいて、可能性としてはむしろ後者の方が統幕長に就任しそうだという見立も、直近まで流れていました。
河野統幕長の任期が長くなった理由
潮)問題は、長きにわたって河野統幕長が在任されたことで、人事が停滞してしまったことだと思います。なぜそうなったかと言うと、山崎さんの前の陸幕長が辞任してしまったことが1つです。なぜ辞任したのかと言うと、当時の防衛大臣と日報問題を巡って、大臣と陸上自衛隊の間で「言った、言わない。報告した、聞いていない」という話になり、防衛大臣及び陸上幕僚長辞任ということになった。それが今回の異例の在任期間を生んだ一因だと思います。
統合幕僚長を決める奇妙な流れ
潮)加えて統幕長の人事は、当然、陸海空の幕僚長のなかから選ばれるのですが、これを遡って奇妙に、きれいに順番が決まっているようにしか見えない。そうしないと、陸上幕僚長からしか統合幕僚長にならないことになると、海や空からは不平不満が出ることもあって、そうした慣行が確立されているのかもしれません。しかし、政府が言っている多次元統合防衛力その他を確立する、統合がこれから大事なのだと言うのであれば、これまでのそういう順番ではなく、その任にふさわしい方が、適材適所で配置されるべきだということに踏み出していただきたいと思います。
飯田)その奇妙な流れが「陸⇒海⇒陸⇒空」。必ず陸を一旦通ってからということを繰り返している。
潮)陸上自衛隊のほうが人数として多いので、単純に回すと陸が逆に損をするということにもなるわけですけれど、そういうものであって良いのかなとも思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。