米軍機訓練候補地・馬毛島~4年前、すでに交渉は進行していた

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月10日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。米軍訓練の移転候補地、馬毛島について解説した。

アメリカ軍機訓練の移転候補地、鹿児島県の馬毛島を買収契約へ

政府はアメリカ軍の空母艦載機のFCLP(陸上空母離発着訓練)の移転候補地である鹿児島県の西之表市馬毛島をめぐって、2018年度内にも、土地を所有する企業との間で売買契約を結ぶ方向で最終調整に入ったことが、昨日明らかになった。

菅官房長官)鹿児島県の馬毛島については、平成23年以降南西地域における防衛体制の充実のために自衛隊施設を整備すると共に、空母艦載機の着陸訓練を実施するための候補地として検討を進めております。政府としては、着陸訓練施設の確保は安全保障の重要な課題と考えており、早期に恒久的な施設を整備できるよう引き続き取り組んでいるところであります。

飯田)島の買収後自衛隊施設を整備して、そこをアメリカ軍が共同使用できるようにする方向だということですが、この馬毛島というワードは、この番組でも以前から出ていました。

鈴木)もともと、民主党政権のときに沖縄の米軍基地の負担を軽減するために、本土でも受け入れる動きがありました。馬毛島というのはそのときから出ていたのです。これについては取材をして来ていて、地権者の問題などがいろいろと複雑で、紆余曲折がずっとあったのですよ。しばらくは誰もノータッチのように見えていたのだけれど、実は水面下で菅官房長官がずっと継続してやっていたのです。
このときは馬毛島がどこまで進むのかわからない部分があったのだけれど、着実にこれはまだ続いているという記事を4年前に僕は書いています。これを菅官房長官は否定していますが、ちょっと読んでみますね。「例えば、私が取材しただけでこの基地負担軽減については鹿児島県の離島」…これは馬毛島のことなのですよ。馬毛島と書いてしまうといけないようなタイミングなので、明記はしていません。このときに、実は東北の東日本大震災の被災地も2カ所ほど訓練の候補地がありました。それからもう1つが高知、ここでもプランがあったのです。
馬毛島については、「防衛省幹部や官邸スタッフなどを菅官房長官が度々調査に出向かせている」と書いています。これで出向いていた1人が加藤勝信さん、いまの総務会長で、当時は官房副長官です。ただ、加藤さんにこれをぶつけたことがありますが、まったく何も答えませんでした。

飯田)肯定も否定も何もしなかったのですか。

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沖縄県名護市内の民間施設付近で、辺野古埋め立ての土砂搬出作業に抗議する市民=2018年12月3日、沖縄県名護市 写真提供:時事通信

沖縄の負担軽減の姿勢を示すことで、話し合いも進んでゆく

鈴木)もちろん肯定はしませんが、私の取材では加藤さんが現地に出向いているという情報を得ました。沖縄の負担を少しでも本土でということを、馬毛島ではずっと続けて来たのです。沖縄の問題は硬直化して、普天間基地の問題1つに矮小化されているけれど、やはりこの安全保障の問題は日本全国の問題です。この問題を沖縄と政府が話し合うにしても、前提として沖縄の負担軽減の姿勢を政府がしっかりと見せる。それから地位協定をしっかり見直す。この2つを前提として、初めて沖縄も話し合いのテーブルに着けるのではないかと思います。そのなかの1つが馬毛島だし、こういうことをしっかりと政府が見せることで、前に進むきっかけになるのだろうと思いますね。水面下でこういうことを続けて来たことは評価して良いと思います。
いまは少し立ち消えになりつつありますが、東北や高知で訓練を受け入れられないかとか、いま言われているのは佐賀空港ですよね。ここは自衛隊のオスプレイそのものの受け入れ云々をやっているけれど、その延長線上に米軍の訓練場所としての想定もありました。これは自衛隊のヘリ墜落事故があって一時頓挫していますが、こういう努力を政府が見せて行くのは大事だと思います。

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