沖縄の基地問題を前に進めるために必要な2つのポイント

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月29日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。沖縄基地問題への政府の対応について解説した。

沖縄の基地問題を前に進めるために必要な2つのポイント

政治 安倍晋三首相と玉城デニー沖縄県知事(左)が面談=2018年11月28日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

安倍総理と玉城デニー沖縄県知事が会談

昨日、安倍総理は沖縄県知事の玉城デニー氏と会談した。玉城知事がアメリカ軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を断念し、代替案を検討するよう求めたのに対し、安倍総理は移設を推進する意向を伝えて理解を求めたが、物別れに終わった。

安倍)総理と玉城氏の会談は、選挙が終わった直後の10月12日以来2度目となります。結果だけを見ると、平行線で終わったという評価がメディアでも大勢を占めています。

鈴木)「平行線」とか「物別れ」とか言われていますが、私に言わせると「2人が会談して、そこで握手して、これで解決!」というようなことは想像できませんよね。だから、物別れは当然なのです。

今後のポイントは「地位協定」と「目に見える形での基地負担軽減」

鈴木)終了後の会見で菅さんが「話し合いは何らかの形でこれからも継続して行く」と言いましたが、対話が完全に絶たれたわけではないのです。
それから、これは一貫して言っていることですが、基地問題を前に進めるためには、まず沖縄の民意は玉城さんが当選したことから「移設反対」とはっきりしています。政府が安全保障をやっていく上で、対話しながら何か道を示して行く必要があります。

飯田)ある意味で落としどころを見つけるわけですね。

鈴木)そのなかでポイントは、地位協定と沖縄の基地負担をどれだけ目に見える形で、本土に移設するなどして軽減するかの2つだと思います。
地位協定は沖縄が日常的に苦しみ続けている、非常に片務的なものです。アメリカとやり合うわけだから何がどう変わるか分からないけれど、これをもう1回、他国との地位協定並に見直すことに着手する。結果は別として、とにかく着手する姿勢を見せることです。
もう1つは具体的に米軍基地を本土に移して行く。これを政府がやると、沖縄の考え方にも変化が出る可能性があります。いまのままでは難しい。だから、その辺がどうなるのかもポイントだと思います。

何年も前から鹿児島県馬毛島と交渉していた政府

飯田)その辺について毎日新聞が1面トップで伝えているのが、「政府と地権者間で鹿児島県の馬毛島の土地を年内買収で合意」というニュースです。米軍機の訓練を移転するそうですね。

鈴木)3年くらい前から僕は週刊誌で書いていることですが、いま総務会長をやっている加藤勝信さんが官房副長官の頃に、菅さんの指揮の下だと思いますが、馬毛島に行っていて、可能性を探っていたのです。地権者との問題もあり買収に時間はかかっていますが、結果が見えて来た。ここを政府は諦めていなかったのです。こういう場所に米軍の基地を移せば、目に見えて伝わりますよね。佐賀空港でも、裏で「米軍のオスプレイ訓練を行うのでは」と言われています。そういうものを見せることで動いていく。
馬毛島は何年間もずっと交渉が続いているのですよ。政府もそういうところから取っかかりを作って行きたい。ですので話し合いが途切れずに継続しているというのは、まったく成果がなかったのかというと、むしろ逆かもしれない。前向きに捉えていいかもしれません。

飯田)表面上は角をつき合わせているかもしれないけれど、裏ではいろいろ動いているかもしれない?

鈴木)そうですね。その辺を見ていた方がいいと思います。

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