中央との対立が激化する沖縄~その根底にある「沖縄の主張」

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月22日放送)ジャーナリストの須田慎一郎が出演。今後、沖縄と中央(官邸)の対立が深まっていく可能性について解説した。

那覇市長選で現職の城間幹子さんが当選~オール沖縄系3連勝

任期満了に伴う那覇市長選挙。昨日投票が行われ、無所属の城間幹子さん(67)が、無所属で自民・公明らが推薦した元県議翁長政俊さん(69)を破り、再選した。共産党や社民党、労働組合などで作るオール沖縄が推す候補は、沖縄県知事選、先週の豊見城市長選に続き、3連勝である。この選挙の敗北を受け、自民党沖縄県連会長の国場幸之助衆院議員(45)は、会長辞任の考えを明らかにした。

飯田)オール沖縄3連勝ですね。

須田)沖縄県知事選以降、勢いが付いたのだと思います。しかし、そこで私は1つ心配していることがあります。それは「沖縄と、官邸を中心とするいわゆる『中央』の対立がどんどん激化していくのではないか?」ということです。

「琉球処分は国際法違反だった」という主張からの沖縄の「自己決定権」

須田)沖縄県知事選挙でオール沖縄が勝ったからクローズアップされてきたわけではないのですが、玉城デニーさんが選挙期間中に「一国二制度」というワードを言って、かなり過激に反応しましたが、あれは唐突に出てきた話ではないのです。かねてから地元メディアの幹部なども指摘しているのですが、沖縄は1879年に「沖縄藩を沖縄県に切り替え、事実上日本政府の統治下に置く」という琉球処分がありました。この琉球処分そのものが、「国際法違反ではないか。具体的にはウィーン条約違反ではないか?」という主張が沖縄でずっとくすぶっているのです。それが何を意味するかと言うと、沖縄というのは、もともと独立していて、強引に日本の統治下に置かれた。そして清(中国)との間で朝貢関係にもあったから、2つの国の間の下に入っていたという主張があるのです。それが今日において、前翁長知事時代は「沖縄アイデンティティ」という言葉、「沖縄は、自分たちのことは自分で決める」という自己決定権に結びついていく。それで考えると、ある種の連邦制のような、高度な自治を獲得したい方向に動きかねない。今後、この問題が火を吹いてくるのではないかと思います。

基地移設問題は小泉政権時代に合意したもの

飯田)名護市辺野古への、普天間飛行場の移設。それに端を発してというところだと思いますが、当時を振り返ると、普天間の危険除去のために、みんなで合意して作ってきた話なのに、と考えると切なくなります。

須田)「みんなで合意した」のですが、「みんな」とは誰なのか。普天間基地の辺野古移設で合意したのは小泉純一郎政権時代です。当時、私は取材していたのですが、当時の県知事、名護市長、防衛庁長官の額賀さん。そして国防総省、ホワイトハウスの5者が合意、了解した内容なのです。すると、「あのときの合意は何だったのか」となる。それに基づいてずっと計画や作業、工事を進めてきたわけですから、ここに来てのちゃぶ台返しです。基地問題は理屈で合理的に話が進まない問題ではありますが、1度決めたことを変更するのはどうなのでしょうか。

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