辺野古移設問題~日本政府が沖縄に米軍基地を置く本当の理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月14日放送)に国際政治学者の高橋和夫が出演。辺野古移設のための土砂投入開始について解説した。

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沖縄県名護市内の民間施設付近で、辺野古埋め立ての土砂搬出作業に抗議する市民=2018年12月3日、沖縄県名護市 写真提供:時事通信

辺野古移設へ~政府がきょうにも土砂投入

政府は沖縄県のアメリカ軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて、きょうにも埋め立て海域で土砂の投入を開始する予定。移設工事を早期に進めることで、辺野古移設の是非を問う来年2月24日の沖縄県民投票や、夏の参院選への影響を抑えたい考えと見られている。

飯田)沖縄県の玉城知事、防衛省で岩屋防衛大臣と昨日会談しまして、この工事を行わないように改めて強く求めたということです。スケジュール通りに進んでいるというところですかね。

高橋)歌舞伎の舞台を観ているように、お互いに見得を切ってこうなるだろうなという通りになっていて、県の意向と政府の意向が違うわけですから、これしかないのかなといった風景ですよね。軍事問題で考えると、もしかしたら米軍にとって、もう沖縄は危なすぎるのかもしれません。と言うのは、先程ファーウェイの話が出て来ましたけれども、中国のミサイルのハイテク化が進んでいて、命中精度が極端に高くなっていると言われているのです。沖縄の基地は中国の中距離ミサイルの射程内ですから、何かことがあれば開戦と同時にミサイルの雨が降って来て、米軍基地は役に立たないことになりかねないですよね。アメリカ軍が合理的に考えるならば、グアムの線まで引いておいた方が安心ということもあるのだと思います。
ただ、日本政府としてはアメリカ軍に居てもらう方が抑止力として機能します。戦争になればアメリカ人を殺さざるを得ない。そうなるとアメリカ軍が必ず介入してくる。そう考えれば戦争を始めない、というある意味人質にアメリカ兵を取っておきたいということなのかな、と思ってみたりもします。

アメリカ軍という存在の抑止力

飯田)ここにトラップが仕掛けられている、みたいなものですね。

高橋)国際政治の用語で「トリップワイヤー」と言うのですが、例えば韓国のアメリカ軍がいて、実際に戦争が始まったらそのアメリカ兵が生き残ると思っている人は誰もいない。でも、アメリカ兵を殺してしまえばアメリカが必ず介入して来る、と思えば北朝鮮は攻撃をして来ない。もっと極端な話をすれば、かつて冷戦の時代、東西にドイツが分かれたときに西ベルリンという東のなかの孤島にアメリカ軍がいましたよね。戦争が始まったら絶対に生き残れないのですが、その場にアメリカ兵を置いておいて、アメリカが怖いから戦争を始めないという「トリップワイヤー」として日本は置いておきたいのかなという気がします。

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