英国のEU離脱~世界は見守るしかない“壮大な実験”

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月25日放送)にジャーナリストで拓殖大学教授の富坂聰が出演。EU離脱問題で混乱が続くイギリスについて解説した。

EU離脱 イギリス ロンドン 大規模デモ 離脱協定案 メイ首相 ブレグジット

ロンドンの英議会下院で欧州連合(EU)離脱修正案が否決された後、発言するメイ首相(イギリス・ロンドン)=2019年3月12日 写真提供:時事通信

イギリスで大規模デモ、EU離脱2度目の国民投票を求める

EUからの離脱を巡って混乱が続くイギリスのロンドンで23日、離脱の撤回を求める人々が2度目の国民投票を求め、数十万人の規模でデモを行った。メイ首相は、3年前の国民投票の結果は尊重しなければならないとして2度目の国民投票の可能性を否定し、あくまでも自らが取りまとめた協定案を議会で採決にかける構えを示している。

飯田)先週の日本時間で22日金曜日、EUは5月までの離脱延期を認めたのですが、その条件は議会で離脱協定案の承認をしてくれと、そうでなかったら4月の半ばでタイムオーバーだと言うことです。4月半ばまであと2週間くらいですよね。

富坂)本当ですね。代わりにこちらが焦ってしまいますよね。イギリスでは災害並みに、ブレグジット用の食料などを集めたものが10万円くらいでけっこう売れているらしいです。

飯田)非常用袋みたいなものですよね。セットになっている。

富坂)食料や医療品などがダメージを受けると言われています。しかし最大の問題は、いろいろなところで分裂がハッキリと起きてしまっていることです。特にメイさんの場合、足元の保守党のなかで起きてしまっている。最初の協定案で118人の大量造反が出てしまった。これをどう立て直して行くのか。最初に旗を振っていた人も静かになってしまいましたね。

飯田)ボリス・ジョンソンさんはいま何をしているのだろうという感じですよね。

富坂)この間BBCのインタビューを受けて、個人的にすごく責任を感じていると言っていましたけれど、今更、責任を取り様がないですしね。

飯田)煽ってしまった人ですものね。

富坂)どう着地するのかですよ。これだけ世界がサプライチェーンに組み込まれて行くと、何が入って来なくなるのか、そうすると自分たちの生活がどのように困るのかという大実験をしているような感じがしますね。

飯田)正にそのサプライチェーンで言うと、全世界に影響が出るだろうと言われています。

富坂)日本は早々にいくつかの企業がEU内に工場を移しました。関税の手続きはどうなるのか、それだけで大きなビジネスリスクになっては困りますよね。そうなって来ると事前にかなりの損害が出始めています。

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EU離脱という実験を世界が見守っている状況

飯田)このEU離脱について、中国はどう見ているのですか? 影響はありますか?

富坂)中国は最初、イギリスを取り込むという話もあったのですけれど、あまり彼らにとってもメリットは無いようですね。

飯田)うまみがなければ別に取り込む必要もないと。

富坂)そうなのですよ。結局EUと一定したやり取りをした方が楽ですよね。

飯田)そうすると、イギリスは勝手にやってくれと皆が思っているということになりますね。

富坂)「やってみて貰わないと分からない」という状況になってしまっているのではないですか。

飯田)固唾を飲んで見守るしかないと。

富坂)そんな感じですよね。

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