イランのウラン濃縮度上限超え~懸念される日本への影響
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月9日放送)にジャーナリストの有本香が出演。イランがウラン濃度の上限を超えたというニュースについて解説した。
イランがウラン濃縮の上限を超えたと明かす
イラン原子力庁の報道官は8日、国営イラン放送のインタビューのなかで、核合意で定められたウラン濃縮度の上限を超えたことを明らかにした。
新行)トランプ大統領は8日、フランスのマクロン大統領と電話会談し、イランの核兵器保有の阻止や、中東を不安定化させる行為を辞めさせるための取り組みに関して意見交換したとホワイトハウスが発表したとのことです。
有本)「核合意の規定を上回る量」とありますが、核兵器にはまだ遠く及ばない程度の濃縮だろうということです。
新行)核兵器は90%以上。
有本)そうですね。ただ、これで情勢が不透明感を増します。もちろんヨーロッパは激しく反応するということもありますし、イスラエルなどを含めた周辺諸国も反応して来るでしょう。だけどこれは、イランのアメリカに向けた1つのポーズという要素が強いと思います。
新行)イランの要求が満たされなければ、60日後に核合意のさらなる履行停止に踏み切るという考えも明らかにしています。
イランと関係の深い日本へ考えられる悪影響
有本)これは私たちにとっても大変な問題です。いま日本は、イランからはそれほど多くの原油を輸入していませんが、先日安倍総理がイランと仲を取り持つ…ではないけれど、そういう目的も含めて行きました。イランの原油は日本の戦後復興を支えた原油ですし、資源としては非常に質がいいと言われています。本来、日本はイランともっと取引をしたい。イランからの原油は少ないとは言うものの、この前タンカーが襲われたホルムズ海峡、あそこを通って日本に来る原油は圧倒的に多いのです。このあたりの情勢が悪くなることは、日本にとってはとてもよくないニュースですね。
新行)イランとアメリカの関係性がこれからどうなって行くのか、ヨーロッパ諸国の立ち位置、そしてロシアがどう反応するのかということも気になりますよね。
有本)そうですね。日本にどう影響するかで言うと、いま申し上げたように、日本の景気に影響します。もう1つは、アメリカが中東イランの問題に関わらないといけない話になって来ると、北朝鮮への対応をどうするのだということにもなります。日本には非常に関連の深いニュースですね。
不安定な世界情勢のなかで踏ん張らないといけない日本
新行)関連してメールもいただいています。相模原市にお住まいの55歳の方、“のりぞう”さんから。「8日、東京の原油市場で原油の先物価格が上昇しました。今後アメリカとイランの関係が深刻化して行くと、日本にはどのような影響がありますか? リーマンショック級の事態になる可能性はありますか?」ということです。
有本)可能性が0とは言い切れないけれど、リーマンショック級と政府が言ってしまっているからなのですが、私ははなから増税は辞めてしまえという派ですので、中東がこれだけ不透明感を増していて、世界はずっと利下げ傾向ではないですか。「何で日本は増税するのよ」とより強く言いたいですね。
新行)今回のイランの件もそうですし、海外のいろいろな関係性が動いている時点で、いまの状態は不安定なのですよね。
有本)不安定だし、今後の世界経済はいろいろな意味で悪くなって行く可能性が高いので、日本は踏ん張らないといけないのですよ。それと、日本も周辺諸国との間で緊張は高まっていますから、経済はしっかりしていないといけないということはありますね。
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